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お帰りを言いに【ぽてさらちゃんライブレポ】

不覚だった。
「名古屋でLIVEやりますよー」とぽてさらちゃんのLINEライブで聴いた私は、ファンの風上にも置けない。ブログの更新を見逃していた。

親衛隊隊長(のはず)から教えられた店名「DANDY DANDY」をコピーし、検索した。

入店したことはないが他用で通りかかったこともあり、存在は知っていたBARだ。
HPを見ると、エアガンがズラリ。
「シューティングBAR」とあり、並べられたグラスをエアガンで割ってストレス発散が出来るという。早打ちタイムアタックなどイベントもあり、モデルガン好きにはたまらない仕様の店構え。

今時の禁煙傾向とは逆行し、シガーや水煙草を楽しむこともでき、カウンターではスタッフの方が紙の上に煙草の葉を乗せ、お客様に「紙巻煙草」の作り方を指南していた。

私が小さい頃は両親とも喫煙者で、「缶ピー」と愛称が付けられたフィルターがない両切りタバコが常時置いてあったことを思い出した。
タール28ミリグラム、ニコチン 2.3ミリグラム。電子タバコなどで始まった喫煙者の方が吸ったら、失神するかもしれない。

シガーは肺に吸い込まず、煙を燻らせて楽しむ大人の趣味でもある。ご興味のある方は是非。
流れている音楽も洋楽、POPと様々。DJが雰囲気を盛り上げてくれる。

デートで格好つけたい方、エアガンで撃ちぬいて粉々になったグラスに、何を投影させるかもあなた次第。

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娘の再就職先が近くにあり、以前からYouTubeでの彼女のMVを見せていたのもあって、「自分も行く」といい、普段女2人では入りづらいお店にLIVEにかこつけて行くことにした。
24歳になる娘がお酒を飲むと言えば、「居酒屋チェーン店の時間制限飲み放題」のような経験くらいで、大人になった上でこういう酒場の雰囲気も知って欲しいと思っていたので、ちょうどいい機会だった。

「Shoothing Night vol1」と銘打って行われたライブ。

今回は3組の演者によって行われたライブだったが、遠方から駆け付けた熱狂的ファンはほぼ「ぽてさらちゃん」推し。あとは普段から出入りする常連さんが残りを占めていた。20代中盤から30代前半の、いわゆる「オタク」ではない青年達が見守る中、LIVEは始まった。

ぽてさらちゃんは2番手。PAの調整を入念に行い、携帯のボタンを押す。

はい、いつも通り。

セーラームーンのOPと共に一人一人に渡されるフライヤー(ビラではないことを学習した)。あっけにとられたあと笑顔になる観客。

魔法がかかる。

「アートヤード」を演奏中、私は前回、名古屋市港区で行われたぽてさらちゃんのライブを思い出しハッとした。

明らかに観客の反応が違うのだ。

2019年7月、下北沢で行われた東京単独ライブの時のように、全てがぽてさらちゃんのファンではないにもかかわらず、観客からオーディエンスが溢れ、拍手が湧いた。

確実に観客を歌とパフォーマンスで掴んでいる。

自分の事のように嬉しかった。彼女は止まらずに、また成長した姿を私に見せてくれた。今年は特に著しく実績が現れている。

小さな確実な一歩を踏み続けて歩いてきた道が、一本につながり始める瞬間を見るようだった。

私は
何度も聴いたエンディングを、動画を撮るのを止めて、少し涙をこらえて聞いた。涙の源流は、歓喜と安堵。

ライブ終了後、物販のコーナーに座るぽてさらちゃんと話をすることが出来た。地元大阪ではファンが取り囲み多分叶わない。

「娘さん、いくつなんですか?」と聞かれ、以前noteで書いたことも含めて娘の現状を伝えた。今は亡き父親譲りの楽器好きを引き継いで、楽器のリペア職人を目指していることや、その目的を果たすために最近転職したこと。そしてぽてさらちゃんのギターを気にしていることなど。

ぽてさらちゃんは「ギター見せられへんなあ」と笑いながらも、静かにうなずいて聴いてくれた。
「ギターのスペアがないから修理に出せなくて。譲ってもらったギターで値段は分からないけど、音が凄い好きで、周りも褒めてくれるんで。以前も楽器屋で色々探したんだけど、気に入った音が出るギターに出会えてないんですよね。」

月の半分をライブで埋め、我が家にある動物園と自身の生活を支えるために苦楽を共にした相棒の代わりは、そう簡単には見つからないだろう。

ライブも無事終了。今日も見事に観客のハートを打ち抜いた。

娘もCDを買い求めた。

娘:「聞けて嬉しかったです。私もこれ買わせてください。」
ぽて:「わあ!ありがとうー。良かったら何か書きましょうか」
娘:「嬉しい!お願いします。」

ぽてさらちゃんはCDの封を開けながら、少し考えて歌詞カードにいつものサインと共に、娘へのメッセージを残してくれた。
いつもより長いメッセージな気がした。

明日、娘に何を書いてくれたのか聞いてみよう。

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帰宅後、「来月も名古屋に行けることになりました!」とツイートが流れてきたのをみて、早速娘にLINEした。

そして、あるお願いを叶えてくださる方がやって来る。

待ち合わせはSLYで。

また新しい縁が生まれる予感がした。

(お帰りを言いに【ぽてさらちゃんライブレポ】-Fin-)

 

読んでいただきありがとうございました。これをご縁に、あなたのところへも逢いに行きたいです。導かれるように。