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2023年読書評5 都筑道夫

「ベッドディテクティブ」

都筑道夫。
この作品は1998年に文庫化されたもので、私が彼の作品の中で読んだことのない数冊の1つでした。

物語はソープ嬢が起こる事件の謎を解くというもの。すなわち、作者はソープ嬢を探偵としたわけです。
シリーズは2冊。
時代背景は昭和の頃で、いわゆるソープランドというのは当時トルコ風呂と呼ばれており、トルコ人からクレームが入り、名称が変えられることに。
小説のタイトルも一作目は「トルコ嬢シルビアの・・・」から文庫化で「泡姫シルビアの」となり、本作も「泡姫シルビア・・・」から文庫化にあたり「ベッドディテクティブ」に変えられています。

そもそもソープ嬢とかそういうものはあまり社会的に公に出来るものではなく、娯楽探偵小説には不向きということなのでしょう。
それは私も感じます。それがこの作品にとっつきにくさを感じさせたのかも知れません。

私は小説を読むとき、ミステリを好みます。それは非日常だからです。映画でもドラマでも「ホームドラマ」的なものは好みません。退屈で。そんなドラマもあふれていますが、私はうんざりです。
ミステリは非日常、冒険性、そのようなものがあるから好むわけです。
その上で、私は主人公が男で、誠実な方が感情移入できます。おそらく世間もそうで、だからホームズやポアロなどが歓迎されたのでしょう。

しかし
本作の場合主人公がソープ嬢な上、もちろん女性であることが敷居を高くしていると思います。(読者が男性である場合、感情移入がしにくいということ)

そしてもう1つ、本作が安楽椅子探偵ものであることが、私の好みではないというわけなのです。

安楽椅子探偵というのは、事件現場へ行かずその場で状況を聞き、推理し犯人を当てるというものですが、知的遊戯ではあるのですが、閉塞感があるのです。
冒険性や行動性が限られてしまい、どうしても解放感がない。
そのため私的には楽しめないものとなってしまっています。


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