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2023年読書評29 三毛猫ホームズとピアス

「三毛猫ホームズの失楽園」
赤川次郎
シリーズ30作。出版年は1996年。

自分の絵を売りたいために、大御所の画家に妻を差し出す男。
絵のコンテストに護衛に呼ばれる片山刑事。
何か事件が起こるのか?

という話です。
作者いわく、不穏な昨今だからあまり殺人を描かないようにするとのこと。

そういえば、最近は「コージーミステリ」=(心地よい)日常のミステリといって、殺人の起こらないミステリも多数描かれるようになっています。

それとは別に、思ったのは
この作品は比較的初期の方になるのか、~私は10作まで読み、30作以降を読んだのですが、15~30くらいまでの間をちょうど読んでいないのですが、既に30作、本作で目線が片山刑事ではなくなっています。
登場人物も多く、こんがらがっているし、後期のダメ路線に既になっています。
私見ですが、この「15~30」作の間のどこかで、三毛猫ホームズシリーズ、おもしろくなくなる瞬間があるはずです。
そうにらんでいます。
飽くまで私見ですが、この30作は面白くなくなっている方です。

私が思う注意点:
・この作品はユーモア小説でなければいけない
・主人公が1人決まっていなければならない。つまり、片山を中心にしなければいけない

これが大きなポイントだと思うのですが、
後期になるにしたがって、ユーモアがなくなり、第三者の物語になってしまいます。
軌道修正が必要です。

作品の感想としてはレイプした画家を寛大に描いているところが納得できない。赤川次郎は不倫とか性的な問題にはいつも寛大なようでそこは共感できない部分です。


「消えた犬と野原の魔法」
フィリッパ・ピアス

これはフィリッパピアスの遺作だそうです。
私は彼女の才能を買っています。全てが傑作というわけではないでしょうが、とても高水準の小説を書く人だと感じます。
日本にも来たことがあるそうですが、残念ながら亡くなっています。

物語は:
飼い犬がいなくなった少年。そこへ不思議な老人が現れ、探す手助けをするというもの。ただ、老人は動物たちとコミュニケーションを取る不思議な人で普通小説ではありません。ファンタジーなんだけれど、全くのSFでもない、といった感じのものです。

私としては老人の正体がもっと違ったものだと想像していましたが、外れました。私の想定の方がいいアイデアだと思いますが、ありきたりと言えばありきたりではあります。
そして、感想としては、それほどの出来ではないかなというもの。
絵はピアスの親戚=子供同士が結婚して共通の孫を持つ=女性が描いたもので、上手。プロの画家だそうなので当たり前かも知れませんがタッチがいいです。

巻末にピアスの日本で出ている本のリストがあったので、未読のものを読んでみようと思いました。



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