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【短歌】立ってる

立ってる

すごくなる!わたしのすごいっていうのは、見てもわかんないかもしれないけれど!

みずうみに学生服の端っこが浸かってからだに溜まる睡眠

ひらいてもいいならひらく国語便覧にわたしの顔は載ってないんだ

そんなこと言うなよなんて言われあきたよ鎌鼬きたね。聞いてよ

衛星のせいで具合がわるくなるドトールのテーブルにしがみつく

だれならばわたしを知ってくれている?とか言う。ありおりはべりは苦い。

サイエンスフィクションじゃないサイエンスやらされたって手が燃えるだけ

あますぎる飲むヨーグルト偏ってわたしのいない噂話だ

転校生なんていないと思ってた、けど5人いた 締めきるプール

絵があの子だなって思うそれからはあの子は実物ではなくなって

さわがしいひとりひとりを消していく頭のなかで おべんとうばこ

そんな星座ないと思うよコンビニのコーヒーぶっかけたら染まる雪

職員室に行くとわりばしがもらえるもらいにいったわけじゃなくても

だれがだれを好きとかじゃなく青チャートゆっくり病んでいく階段も

しんけんに野球部に手を振ってみる野球部がいっせいに振り返す

からだには水がびっちりつまってる夢みる後輩に俳句ぶつける

みんなよく言い切れるよな衛星がまた来るパックのジュースあふれる

そういえば学生なんだった わたしは 窓を割ったら冬はじまった

ドストエフスキー読んでてせんせいに怒られなかった 甘いな。ミルキー

柔道を女どうしでやるときの怖さまいかい寝技で勝った

一卵性双生児がくるくる回るなかに双生児がみえてくる

授業中かみなりのあとひとりずついなくなってく椅子が倒れて

わたしって、あなたって誰だったんですか 逆再生するシュレッダー見て

よく晴れた方がかなしくなりやすいよねって 隙 があったら撃つよ

だれひとり信じられない夕暮れのチャイムで袖を捲りなおした

せんせいを殴り近くのコンビニでパスタをあたためてもらう。立ってる

階段を走って滑り転げ落ちるさわられたくないところが痛い

なんなの わたしだけ残されて カーテンが分厚すぎると思ってますけど

いなくなるならみんなでしょう?暗室にじっとしていて酢酸香る

4階の窓から落ちてすっと立つチャイムが鳴るまで立っていなさい

ものを書くために使います。がんばって書くためにからあげを食べたりするのにも使うかもしれません。