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所詮、井の中の蛙。

最近ハマっている、柚木麻子さん。
「本屋さんのダイアナ」

私の名は、大穴(ダイアナ)。おかしな名前も、キャバクラ勤めの母が染めた金髪も、はしばみ色の瞳も大嫌い。けれど、小学三年生で出会った彩子がそのすべてを褒めてくれた――。正反対の二人だったが、共通点は本が大好きなこと。
地元の公立と名門私立、中学で離れても心はひとつと信じていたのに、思いがけない別れ道が……。少女から大人に変わる十余年を描く、最強のガール・ミーツ・ガール小説。

本の概要より

本好きな女の子二人の物語。
児童向けなのかもですが、大人が読んでも面白かった一冊。

で、この小説の中で出てきた交換留学の話が
「あーなるほど」と思ったので、チラッと紹介。

******

名門私立女子校(中高一貫)に通う彩子。
広い世界を見てみたい、とヨークシャーへ交換留学生として行くことに。

ヨークシャーでたくさんの経験をしたけれど、結局学校にいる環境とあまり変わらなかったのでは?と感じたという。

その理由は、
交換留学先と言っても、名門私立高が姉妹校として指定しているような学校。
ゆえに、結局自身の学校と似たような「守られた」環境だと感じたよう。

私は交換留学、一度もしたことがありません。

なのですが、交換留学(ホームステイ?)に行った友だちの話は聞いたことがあって。

その友だちも、彩子同様、私立中高一貫校に通っていました。
大学で知り合ったその彼女が、高校生の時に交換留学に行ったというので
「すごいね〜」と話を聞いていました。
(どこの国だったかは忘れましたがw)

ですが、彼女の口からは
「でもね、結局私は何も変わらなかったよ(笑)」
という言葉が。

それを聞いた当時は
「さすがに何も変わらないってことはないでしょ」
「謙遜してるのかな」
なんて思ってたんですが、この小説を読んでちょっと納得。

もちろん異国で学ぶことはたくさんあるんだろうけど、学校が提携している先。
だから、結局似たような環境になる、という話はあるんだろうなと。

交換留学をしたことはないし、この制度を否定しているわけではありません。

ただ、一見違う世界に行ったようにみえても
所詮、井の中の蛙、ってことはあるんだろうなと。

******

私は一度転職をしていますが、その時感じた衝撃は今でも覚えています。

前職がセキュリティが異常に厳しい業界だったので、辞めて今の事務職に就いた時は、もうショックの連続。

「え、こんな(テキトーな)管理でいいの?」
「これ、一人で完結していいんだ?」

同じ日本の会社で、同じ事務をやるのでも
こんなに違うのか…と衝撃の日々は続いていました。

で、これ、同じ井の中にいたら気が付かなかったんだろうなと。

別に転職がいいとか悪いとかの話ではありません。

ただ、今の会社にいると
転職してきた人とそうでない人は、見ていてなんとなく分かります。だから何なんwって話ではありますが。

ずっと同じ場所にいるのも、場所を変えるのも本人の自由。

ただ、自分が「井の中の蛙」だと自覚しているか否かって、結構重要なんじゃないかなーと思ったよ、という話でした。

という私も、井の中の蛙だケロ。

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