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温度と湿度が伝わる本。「さんかく」

表紙が好みで、本屋で思わず手に取った本。
(でも買わずに図書館で借りたw)

本の概要は、こんな感じ。

恋はもういらないというデザイナーの夕香。かつて夕香の職場でバイトをしていた正和。恋人の正和よりも研究一筋の、大学院生の華。偶然再会した夕香と正和はたびたび食事を共にするうちに、夕香の暮らす京町家で同居することに。理由は食の趣味が合うから。ただそれだけ。なのに、正和は華にどうしても打ち明けられなくて……。
揺れ動く、三角関係未満の女、男、女の物語。

本の概要より

概要読むと恋愛小説なのかな?と感じますが…

読み終わった感想は、
「あーこんな料理が食べたいな」
と思うものが多かった。
だから、恋愛はサブ的な位置づけかなあと。

塩むすびからはじまって、水餃子、とうもろこしご飯などなど。
この主人公の夕香が作る料理が、とにかく美味しそう。

素材は比較的シンプルなのですが、手の込んだ質のいい料理、といった感じ。
これ読んで土鍋でご飯炊いてみようかな、と思ったし(単純w)

そこに並んでいるのは文字だけなのに
料理の絵や香りだけでなく、まるで温度や湿度まで伝わってくるような描写がすごいなと。
ご飯の湯気まで伝わる感じ?

あと、舞台は京都。
主人公の夕香は京都の町家に住んでいるのですが、その家屋の描写も絶妙。
住んだことはないけど、「こんな家なのかな」と想像するのも楽しい。

そういえば、夕香がアルバイト先のカフェで、まかないを作っていた時の言葉が印象的で。

まかないなのに、夕香は家から食材を持ち込んでアレンジ。
ゆえに、他のバイトは
「どうして凝ったまかないを作ってくれるの?」と言う。

それに対しての言葉。

「私、一日二食だから食事の半分がここなわけで、いいかげんなものを食べたくないの」

さんかくp28

これ、すごくよく分かるなと。
人の為ではなくて、自分がいいかげんなものを食べたくない。だから、持ち込んでまで作る。

毎食それなりものを作るって、なかなか難しいとは思う。

でも適当なものを食べて、結果自分の機嫌が悪くなることは避けたい。
これは常々思っていること。

たとえば、外で炭水化物オンリーの食事をしたと過程。(パスタだけとか、うどんだけとか)
すると

すぐお腹が空く
⇒何か食べたいな
⇒結局お菓子を食べる

こうなる。
少なくとも、私はこうなる。
だったら、ちょっと手間でも自分で作った方がいいなと思う。

だから、平日の昼は弁当を持参。
朝用意するのにそれなりの時間はかかるけど、野菜も肉も入れられるし、何より店に並んだりする時間も必要ない。

時間を投資した挙句、行き着く先がバランスの悪い食事だったりすると、すごく不機嫌になる。(何度も経験あり)

なので、それを避ける為に持参している…という話。

******

とはいえ、この主人公のように手の込んだものは作ってません。

じゃあ何を作ってるねん?
って思った人は、これを読んでね。

今の時期だと、こんなんがオススメかなあ。

というわけで最後脱線しましたが…

描写が秀逸な小説「さんかく」
年始の読書にオススメだよーという話でした。

<あとがき>
みなさん、あけましておめでとうございます。
今年もnote、読んでくれるかなー?👂
引き続きよろしくお願いしますー。

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