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【お店に入る時の目線を観察】 あいさつ以前に目を見てる

 人の目の動きが気になります。お店に入る時、フランスだと たいてい「Bonjour!」とお店の人の目を見てあいさつをする。アジアからの人がお店に入る時は、多くの人が目を合わせないように入っていく。あいさつ以前に目の動きが大切だな、と気づいた話です。 

 人がお店に入る時に、どんな目をするかを観察して、各国で異なった傾向があると思いました。 
 普段からいろんな人と「どんなふうに目が合うか」には敏感な方だと思います。9月、10月と、職場でいつもとは違う場所にいることが多かったので 新鮮でした。そこで感じたことを書いてみます。


中国からの人

 お店の入口を入った脇でお客様を受け入れることをしていました。主に中国からの団体客の方が来る場所。地元の一般客やフランス国外からの方も入ってきます。
 そこで入ってくる人の目を見て「Bonjour!」とあいさつをしていると、人によって私への目を合わせ方が違っていておもしろかったです。

 まず地元の人は入るとすぐこちらを見て「Bonjour!」と言ってくれる。ところが、中国からの人はこちらを見ないようにして入って来るのです。すぐ脇にいるのに目の前の私を通り過ぎて行ってしまいます。「ニーハオ」と言うと、まずます返してくれますが。

 フランスの人のように まずこちらを見てくれるとあいさつをしやすいけれど、見てくれてない人にあいさつをするのは勇気が要ります。

 フランスの人同様、欧米からの観光客らしき人も入るとこちらを見て「Bonjour」とか「Hello」とか言ってくれます。

 中国出身で、パリ在住らしき人の場合はどうかというと。目を合わせてくれる人と、合わせない人が半々。これは私も気づかなかった期間があったから分かるけれど、すぐにはこちらの習慣に気づかない、身につかないんですよね。

日本はどうだろう

 ここで日本の人はどうだろうと考えました。もう7年も帰ってないから なんだかハッキリ浮かばない。お店に入るときに「いらっしゃいませ」と言われて「どうも」的な会釈をしてたかな。「こんにちは」とは言わなかったな。
 もしくはお店の人も「いらっしゃいませ」と言わずに作業していることも多いような。あえてお客さまを見ずに緊張感を与えないようにしたり。日本で入り口脇にお店の人がいるような場合はどうだろう?

 フランスにある日系のお店では、奥にお店の人がいて お客さまが自由な雰囲気で出入りしているところもあります。お互いにあいさつもしないようなところ。お店に入って人の目を見るかどうかは 店の規模や人の位置にもよりますね。

お店側の人の目線も違う

 フランスではお店の人も入ってくるお客さまの目を見ようとする。お客さまもお店の人の目を見る。こんなコミュニケーションが当たり前になっていると思います。

 中国ではお店の人もあまりお客さまにあいさつしないのでは?と推測。小さなお店だとするけど、ちょっと大きなお店になるとしないのかも。

違いを超えられるか

 日々職場でお客さまやそこで働く人とあいさつや短いコミュニケーションをしていると、よく思うことがあります。私が日本に帰って生活するとして、この日仏のコミュニケーションの違いを気にせず過ごせるかな。
 お店に入る時の目線、あいさつ、「ありがとう」の言葉。細かく言うとドアを次に入る人を少し待って押さえてあげるかどうか、などなど。

 私はいまだにフランス語での会話が苦手でSNSでのやりとりも日本語がメインです。日本語で交流する方が、断然 自分の伝えたいように表現できる。楽しめるのです。だけど実際に日本で生活することを想像をすると、不安になる要素もあるな、と感じます。

目配りが足りなかった苦い経験

 ここで書きながら思い出した苦い経験を書きます。職場に 6年前に一緒に働いていた子がふらっと現れました。買い物に来てたのかな。
「憶えてるー?」
「憶えてるよー」
連絡先も知らないような子です。ちょっと話始めた時にお客さまが来たのでその対応をしないと、と条件反射で動いたら、思いのほか時間がかかって元の場所に戻ったら、もうその子がいなくなってました。
 「あ、ごめんね。行くね」と目線だけでも送っていれば。あー、ほんとに自分ダメだなと反省しました。

まずは目

 いろんな人の目線を観察して、やっぱり気持ちのよい目配りができるようになりたいなと思いました。

 お店に入ったら、まずはお店の人の目を見てあいさつを交わしたい。ほほえみも添えて。
 自分が受け入れる立場になった時に、スーッと無視されて ないもののように扱われるのはとてもさびしい。景色の一部にはなりたくないな、と身にしみました。

背景も考慮

 ここまで書いておきながら同時に思うことがあります。
 一つは国や地方によっての文化や習慣が違うから、そこも加味しないとな、と。例えば中国の人とは文化や習慣が違うのだから求め過ぎないで、そういう文化で育ってきたんだと背景を考慮することかな。

 あと昨今のコミュニケーション重視の風潮もちょっと気になっていまして。
 どうしてもコミュニケーションが苦手な人がいるのも事実。あいさつしても返ってこない場合など、「きっと苦手な人なんだな」と割り切ってその人にとって心地のよい空間を心がけることも大事だなと思います。

 目線一つでうれしかったり、さびしかったり、後悔もしたり。
 目だけで伝えられることって意外と多いなと気づいた期間でした。



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文字数メモ : 2231字


 


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