朝起きてカラダを起こす瞬間に分かる。

あ、今日はいまいちだな。私。

これまで何百回とこんな朝を迎えた。

重たいカラダを無理やり浴室に運び、43度の熱水を頭から浴びるせる。さらに熱々のコーヒーをぐいっと飲み込ませる。鏡の前で無理やり笑顔を作り、両頬をパチパチと両手で叩いて家を出る。

よっし、調子が悪いなりになんとかやってみせるぞ。

気合を注入するおまじないは、ときには効果がある。体調も気分も朝は悪かったのに、夕方になるときにはカラダも軽く頭がキレキレになることもある。

でも私の場合、たいてい体調が悪い日は鈍った思考と低品質のアウトプットが続き、仕事が終わらない…。夕ご飯の時間になっても終わらない…。ああ、やっぱり今日はいまいちだった。

と自己嫌悪を抱えながらコンビニでお弁当を買い家路につく。遅い夕食。明日はどうやって挽回すればいいんだろうと不安を抱えたままシャワーを浴び、床に就く。

こうして調子の悪い今日は、明日へと引き継がれ延々と続いていく。

でもね

あ、今日はいまいちだな。私。

と気づいたがゆえに、自分のお尻を叩き、元気な自分と同じパフォーマンスを強要するから、調子の悪い日スパイラルが続いていくのでは？

とある日ふと思った。

そこで、

あ、今日はいまいちだな。私。

と気づいた日は、思い切って「外向きの今日」は捨てることにした。潔く諦める。そして「内向きの今日」に180度転換する。

仕事や、やらなきゃいけないこと、頼まれていること。

可能であれば、いったんスケジュール調整をする。今日別に絶対しなくてもいい状態にする。そして周りの人にも声たかだかに宣言する。

「私、体調不良につき今日を諦めます！」

諦めると決めると、不安はスッとなくなる。今日は外向けのことは何もしなくていい。自分の調子を整えることだけすればいい。仕事も休む or 早めに切り上げて、とにかく自分を甘やかすことだけに神経を集中させる。宣言するとみんな許してくれる。ほんと。

この「今日を、諦める」という意識の持ち方を始めてから、心身の不調の回復スピードが格段に上がった。不調を抱えたまま気合で乗り越えようとするより、仕事や私生活の質も分かりやすく改善できた。

つまり私は不調な自分という爆弾を抱えながら、それでも通常通りの生活をしようとして悪あがきをしていた。不調な自分がここにいるのに、断固認めないという無駄な抵抗をしていた。

でも、そりゃ人間だもの。いつも完璧なわけないじゃない。

辛い時は休むしか回復する方法はないもの。

ということで、今日は「諦めた今日」を過ごしました。

家事も仕事も放棄して、だらーと溶けるように過ごしました。それでは明日の自分に期待をしつつ、床につきます。

おやすみなさい。