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公務員から民間企業への転職は難しいか|民間企業でも通用するマインドセット

今や転職がやや当たり前といってもいい時代となってきましたね。
副業やフリーランスなど、多種多様な働き方があり、
もう10年、20年もすると新卒入社した会社に定年まで勤める方が少数派になるんじゃないかなと思うくらいです。

そんな時代でも、圧倒的に転職する人が少ない業界は公務員ですね。
安定した収入、充実した福利厚生、休暇の取りやすさ等、
どの公務員か、国、自治体などによって違いはあれど、
やはり安定感は否めません。

離職率が低い要因にこの労働環境が良いことが挙げられますが、
もう1つ大きな離職率が低い要因が、
公務員は「転職できない」というムードや定説があるところだと考えます。

キャリアアップのためのようなポジティブな理由でも、
公務員だった自分が民間企業で活躍なんてできないんじゃないか、
と尻込みしてしまい、現状がよっぽど悪くないのであれば、
わざわざリスクをおかしてまで、転職する必要はないんじゃないかと考えるわけです。

おまけにGoogleで『公務員 転職 民間企業』と検索してみると、
”厳しい” ”つらい” など言葉どおりネガティブな関連ワードが続きます。

公務員の方が民間企業へ転職を考える時に最も気になるポイントの一つが

  「公務員から民間企業への転職は厳しい」のか?

今日はこれについて、
公務員の方で民間企業への転職を考えているという方への参考となるように書いていきたいと思います。

簡単に自己紹介をすると、私は2023年の10月に7年務めた地方公務員を退職し、
外資系コンサルティング会社へ転職をしました。
私も公務員の経験しかない自分が果たして民間企業で、ましてや外資系で通用するのかといった不安を抱え転職活動をしていました。
そんな経験から得たことを書いていきたいと思います。

やや抽象的な内容なので読みづらいかと思いますが、
転職活動のなかで大事だなと感じたところなので、ぜひ参考にしてみてください。


公務員は利益を追求しない

公務員→民間企業の転職が難しい理由に
「公務員は利益を追求する働きかたができない」
がよく挙げられます。

 民間企業は利益を生み出すために毎日が熾烈な競争なんだ。
 公務員みたいにノルマもないような甘い世界とはわけが違うんだ。

ということなんかなーと、昔はぼんやり思っていました。
確かに公務員と民間企業をわけるものとして、とてもしっくりきますね。

じゃあ今度は、民間企業のいう「利益の追求」ってなんでしょうか。
かなりざっくりしている言葉ですよね。

具体的なケースを挙げて説明しようと思います。

例えば、新商品を販売して利益を上げるといったことを考えた場合、その商品の研究、企画、開発、生産、営業等様々なアクションで構成されていると言えます。

売上を上げるためにハイスペックな機能にしようとすると、商品原価が高くなってしまうから利益が減ってしまう。でも価格を上げると今度は顧客に商品を買ってもらえないかもしれない。
といったように、それぞれのアクションに常に利益がどうなるかというフィルターがかかっているイメージだと思います。

このように民間企業ではほぼ全てのアクションに利益が影響しているから、その利益フィルターのない環境で働いている公務員はとてもじゃないけど、
役に立ちませんよ。とこういった考え方になっているんじゃないかなと思います。


「利益を追求する」は「目的意識を持つ」

このままで終わってしまうと、やっぱり公務員は役に立たないことになってしまいますので、
この「利益を追求する」を分解しようと思います。

この「利益の追求」ですが、
私は「目的意識を持って働く」
と言い換えることができると思います。

例えば、マーケティング部で宣伝をしようという場合、
一人でも多くの人に商品を知ってもらうことが大事ですよね。
なので、テレビや新聞、SNSなど考えつく全てのメディアに広告を出すとします。
その結果、確かに一人でも多くの人に知ってもらうことには貢献できるかもしれません。
しかし、お気づきのとおり広告費が高すぎるこのような案は、
利益を生まない(採算が合わない)ため普通の会社なら採用されません。

目の前の仕事(ここでいう「一人でも多くの人に知ってもらうこと」)を進める際に、
本来の目的(利益を生むこと)を考えなければ、このようなことが起こってしまいます。
本来の目的である利益を生むこと、
つまり、目的意識を持って仕事に取り組めるかどうかということが求められているということです。


当たり前だろと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、常にその視点で働けている人は官民問わずそう多くないと思っています。
ついいつもの流れでしている作業を振り返ると、本来の目的からそれてしまっているようなことや別の手段の方が良いケースなど意外と多いものだと思います。

目的意識を持つことで公務員でも転職はできる


本題に戻りますが、この目的意識を持って仕事に取り組むことが重要であって、そういった働き方を実践できる人であれば、
民間企業でも十分に活躍できるということです。

もちろん、その業界・業種の専門性や知識・ノウハウがある人と同じように働くことができるわけではありませんが、
将来性や仕事への定着の早さをアピールすることは可能です。

公務員の場合、組織の構造上、ただ降りてきたタスクをこなしていくような働き方になっている人が多いと思いますし、
思考停止でこれまでのやり方を踏襲することが良しといった風潮があるまでもあります。

ただその環境下でも、きちんと目的意識を持った働き方を見出すことができれば、
民間企業が求める「利益を追求する働き方」は十分実現可能だと思います。


では、実際に転職活動(特に面接)ではどのように
この「目的意識を持つ」利益追求に貢献できるということを
アピールするのか。
それはまた次回に書いていきたいと思います。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。



 あとがき
民間企業は「利益を追求する」と何度も書きましたが、利益を追求することのみが企業の目的ではありません。特に近年、自社の利益のみを追求する企業は評価されなくなっていき、各企業の社会的役割にフォーカスされることが増えています。
その企業の活動が社会や地球にとって良いかどうかで、企業の価値が決まり、消費者の購買行動もそれに伴い変化していると言われています。
つまり、これからは利益を追求する以外の目的意識も必要となるわけです。そういった点でも、多種多様の目的のために働く(ことができる)公務員は今後さらにチャンスが広がっていくといえるかもしれません。

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