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世紀末感漂う渋谷の街とJK×ドビュッシーのミスマッチな心地よさ「ラブ&ポップ」


今回は、あのエヴァンゲリオンやシン•ゴジラの監督。

庵野秀明監督「ラブ&ポップ」という作品について。

この映画、ずーーっと観たかったんだけど、TSUTAYAにも全然無くって、FODに入会してようやく観られました。サブスク万歳です。

あらすじ

裕美は今時の女子高生。カメラで写真を撮るのが趣味である。夏休みを控えたある日、彼女は仲間の知佐、奈緒、千恵子と一緒に渋谷へ水着を買いに出かけた。 そこで見つけた12万円するトパーズの指輪が欲しくてたまらなくなる。他の3人の協力を得て、デパートの閉店時間までにその代金を援助交際でゲットすることになる・・

原作者は村上龍。

村上龍 原作の映画化作品は好きなものが多いので、とっても期待。

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庵野監督の代名詞といえる演出も健在

やっぱり庵野監督の代名詞と言っても過言ではない、クラシック音楽の挿入や独特の文字の出し方。シーンと音楽はとても違和感があり、その違和感がシーンを引き立てる。

この方法を発明した庵野秀明監督、天才か?

エヴァ大好き めちゃくちゃファンです。

90年代末 世紀末感漂う渋谷とJK

この時代の渋谷のにおい・・なんというか、世紀末感が全体的に映像から滲み出ていて。その人々の空気感が完全に閉じ込められていました。

この映画のすごいところは、女子高生の「なんか、どうでもいい」とか「なんか、足りない」っていう、言葉にすることが難しい感情を、雑多な渋谷の街を舞台に、深い心理を描いてるところ。

その、なんかっていうのもよくわかんないし、空っぽな夢みたいな日々がじめっと確実に存在していて。一人一人それぞれに秘密、後ろめたさがあって。そして、虚無感が常にあって。

そう、誰もが1度は経験してる、あの虚無感がべっとりと全体を通して描かれてるんです。
これが生々しくて、食らいました。

これ女子高生時代に観てたらどうなってたんだ・・

当時からずっと観たいと思ってたんだよな。ほんと、観ておけばよかった。後悔。


まとめ

題材は女子高生の援助交際。

正直空気感めちゃくちゃ気持ち悪いし不愉快な場面もあるから、全員にオススメできるか?と言われたら分らないけれど。

善悪とか越えてるところにある「なんか、物足りない」という気持ちと、理由もなくフラストレーション溜めてたあの頃。

生ぬるい空気感とドビュッシーの違和感 が心地よくて。

とにかく面食らってしまいました。

ラストのシーン。4人が颯爽と、堂々と、渋谷川を 歩いているシーン。あの名曲を、普通の女の子の声で歌ってるのが等身大で、背伸びしてなくって、いいんです。

禁断の多数決がオマージュしてる、アレです。

大好きなラストシーンです。

庵野監督にとっては初めての本格的な実写映画。

クレジットの最後に「庵野秀明(新人)」
と大きく書かれています。

そして見所として、ロングヘアーの「ちーちゃん」という美人が出てくるのですが、この子が無名時代の仲間由紀恵さん。美しすぎて、ハッとしました。

なかなかレンタルビデオショップに置いてない作品みたいですが、観る機会があれば(少しダウナーになる覚悟で(笑))観てみてほしい作品です。

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