目を閉じると目蓋の裏に

悲しむキミを見つけたよ

ああ

泣かないで

動かぬ体で張り付いた笑顔を

優しく残そう

キミは

清く強く美しいから

きっと

人はキミを求めるから

さあ

ボクを忘れてくれ

流れる血が痛みと意識も一緒に

連れてゆく

お願いだ

あの人達を恨まないで

これでいいんだ

これがよかったんだ

ねえ

この地の平和を謳ったキミよ

もう一度

皆にうたって

嘆く文化を

ボクらはどうすることも出来ないさ

ボクの命と引き換えの

この地のたった100年程度の平和だけど

その間に

きっと

この祭壇も朽ち果てる

さあ

行って

キミは進んで

あの先へ

ピチョン

水面に軽く落ちるしずくの音

パチャパチャと

ゆっくりと

小さなしっかりとした足取りで

ボクを見おろす幼い子

来ちゃだめだよ

おうちにお帰り

いい子だから

張り付いた笑顔

何故か見下ろすボクの意識

痛みも想いも

存在も

なくした

私

ボクを見つめる幼い子

彼からもらった首飾り

千切れそうなひもに通った指輪のような

黄金リング

そうだね

キミが彼に

返してくれる？

こちらににっこり

笑顔向ける可愛い子

ありがとう

どうか

どうか

助けてあげて

本当は誰よりも

寂しがりやな　あの人を

誰よりも

私の登壇

止めようとした彼をどうか

彼を取り巻く

仲間と共に

キミの寂しさと同居させて

いつか二人で

笑い話にしてくれていいからね