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不定期企画「KOREAN ACTION LOVER」vol.9「アジョシ」

「KOREAN ACTION LOVER」とは

 韓国映画といえば、右手に過激、左手にタブーを持って、両の手を合わせて出来上がった劇薬の映画だから危険極まりない。中にはエンターテイメントに振って、ハリウッド映画のようにカラッと揚がったフライドチキンみたいに楽しいのもたくさんあるけど、それら全てに共通した面白さは「そこまでやるか!!!!」というところだと思う。そんな劇薬揃いの韓国映画の中でも今回はそのアクションのワンシーンだけを集めました。韓国映画においては相手を倒すのに容赦がない、と思っていたけどホントのところは、相手を倒すことを「リアルに描くこと」に容赦がない。敵の殺し方が爽快で過激でストレスも大嫌いなアイツもすべて消し飛ばしてくれる最高のアクションシーンをご紹介!

「アジョシ」

2010年 イ・ジョンボム監督(泣く男、熱血男児)

【あらすじ】

 元特殊工作員だった主人公テシク(=ウォンビン)は細々と質屋を営んで生活をしていた。特殊工作員であったがために起きたとある事件で傷つき、その傷を持ったまま過ごすテシクの少なからずの癒しは近所に住む女の子ソミ(=キム・セロン)との交流だった。そんな折、ソミの母親が事件に巻き込まれて殺され、ソミは麻薬/臓器ブローカーに誘拐される。テシクはソミを助けに行く。

 ソミからの視点でのアジョシ(=おじさん)のウォンビンの良さを余すことなく堪能できる映画。ウォンビンの髪形もロン毛からベリーショートまで、ウォンビンの真顔・はにかむ顔・イカツイ顔、とにかくウォンビンの魅力を堪能できる(2回目)。伝説級のナイフアクションシーンを作り出した傑作。キム・セロンの魅力もばっちり見れる。キム・セロンで言うと冬の小鳥の直後の作品だったのがこれ。

【個人的採点】

総評    :95点 個人的には韓国アクションの金字塔

ストーリー :92点 総じて塩梅がいい

演出    :96点 どこで何を見せるかが巧かった 

キャスト  :94点 キム・セロンの怪物性もこれで気づいた

アクション :96点 先に言うけどナイフのアクションは1万点

クレイジー度:90点 韓国映画入門編としてはちょうどいいと思う

アクションテーマ
「トイレでのファーストミートアクション」

敵     :敵の実力ナンバーワン 1人 銃


こちらの武器:素手→ハンドアックス拾う


爽快殺人指数:94点

 エンディング前のナイフアクションは1万点やけど、あえての東南アジア系の組織最強の殺し屋と初めて闘うシーンを!なんせ素手でのタイマンやからねぇ。トイレって狭いしカメラワークとか大変やのにあえてここでファーストミートさせるというね。しかもわざわざ素手での揉み合いをトイレの個室で闘わせる心意気。カメラは上から撮るしかないと見せかけて、せんまいところにカメラ入れて上からのショットと個室内からのショット織り交ぜてカット割りが早い早いすんげぇテンポのいい気持ちよさ。

 特に、敵に両手で首を絞めらたときのウォンビンの解き方がもう最高。(体感2秒のシーン)

 ウォンビンがトイレの個室から出て相手が銃を拾って撃ってきて個室に逃げ込んで敵の去り際ハンドアックスをトイレから逃げようとするところに投げる、ここまでのテンポと「はい、顔見せおわり!!!」っていうハンドアックスの刺さり方が、潔くてとてもいいんだ。

 もちろん終盤の伝説級ナイフアクションは1万点です(3回目)。息をさせないほどのテンポで切り進めるところがえげつないし、何より絶望している(つまり相手を殺す決意をしている)ウォンビンの目!!!そして刺す切る容赦のなさ!!!女の子が誘拐されたところから最後のアクションにいたるまでにどんどんウォンビンの目が暗く沈んでいくんだよぉ。わかりやすくいうと、蟻編のゴンです。

では、今回はここまで!

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