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アフリカ留学体験記④

2週間ほど前からケニア国内3カ所目の活動地、Oloisukut Conservancyに入りました。

引き続き「野性生物保全活動を地域の発展に繋げる」をテーマに活動していきます

今回の投稿ではここでの生活の様子や活動内容についてまとめてみました。

 

1.活動地について


最初に活動地であるOloisukut Conservancyについて紹介したいと思います。


Oloisukut Conservancyは総面積23000エーカー(約93km²)のConservancyで、サファリのメッカとして世界的に有名なマサイマラ国立保護区に隣接しています。野生動物の数も豊富で、サイを除くBig5(サファリにおける5大動物で、ゾウ、バッファロー、サイ、ライオン、ヒョウのこと。昔、狩猟が盛んに行なわれていた時代に大物とされていた動物達で、その名残として現在もそのまま使われている)や300種以上の鳥類の観察が可能です。

 

以下、少し小難しい話になりますが、Oloisukut Conservancyでは65の土地所有者とそこに住む1200世帯の住民による保全活動が標榜されています。つまり行政主体ではなく、地域が主体となって保全活動を行なっている地域、ということになります。

 

この「地域が主体となって進める保全」を持続的に維持する手段として、観光客がサファリなど対して支払ったお金等を地域住民に還元し、地域全体の保全意識を向上させるという手法がとられています。保全活動と地域の発展を両立する、Conservation with Bebefitsの考えです。(この手法は90年以降に始まったもので、専門的な用語では「住民参加型保全:Community Based Conservation」と言われています)

 

この住民参加型保全の考え方は、植民地時代にヨーロッパ諸国が野生動物やその土地を利用している地域の住民を追い出して国立公園・保護区を作ったことに起因しています。

つまり、アフリカでは野生生物保全を名目に地域住民の生活を圧迫してきた歴史があるわけです。


僕はこうしたアフリカ独自の歴史的経緯や野生動物と人間の共存を目指す中で生まれた「住民参加型保全」の考え方に興味を抱き、ここに来ることを決めました。

 

2.ここでの生活・活動内容


次にここでの基本的な生活と活動内容について紹介したいと思います

Oloisukut Conservancy内には5つのキャンプ地があり、僕はそのうちの1つのキャンプ地で生活させてもらっています。基本的に一日の活動は午前、午後、夕方以降の3つのパートに分けられています。


 
①午前
朝は皆7:00~8:00頃に起床して、朝ご飯を済ませます。朝ご飯はチャイ&チャパティが多いです。


そして大体9:00頃にキャンプ地を出て、パトロールを兼ねたフィールドワークに出かけます。ゾウやカバなど危険な動物もいるため、フィールドワークにはレンジャーが必ず同行します。


Conservancy内を歩きながら(1日約7~8キロ)野生動物の写真や記録を取ったり、カメラトラップのデータなどを回収したりします。


午前中一杯はフィールドにいて、昼過ぎにキャンプ地に帰ります。多く観察出来る野生動物はキリン、シマウマ、インパラ、トピ、カバ等です。生のライオンはまだ見れていないので、滞在中には一度は見たいと思ってます。

②午後
昼食(ライスが多い)とシャワーを済ませた後はキャンプ地にあるオフィスで午前中にとったデータを整理する、事務作業になります。


現在僕が関わらせてもらっているプロジェクトはフィールドワークやカメラトラップのデータなどから得られたデータを基にConservancy内のキリンとライオンの個体識別用表を作成することです。
 
作成された個体識別表は今後の保全活動をスムーズに行なう際に役立てられることになります。

この他にも家畜の世話をしたり、養蜂をしたり、大学や研究機関の研究活動に協力したり、地域の催しもに参加したり、他のConservancyへ遠出したりもします。

養蜂は地域の女性たちと協力して行います。出来たハチミツを市場で売ることで、彼女達のエンパワーメントを図っているそうです。


たまにみんなの仕事が早く終わると近くのバー行って飲みながらビリヤードに興じます。ただ、暗くなると帰り道にゾウが出て危険なので、日没前には切り上げてキャンプ地に戻ります。

③夕方以降
夕食(ウガリが多い)後は基本的にフリーで、言語や野生動物についての勉強をしたり、映画を見たり、メンバー達と談笑したりしています。ちなみにここの夕焼けと星空は最高です!


みんな22:00~23:00頃には就寝します。ライオンをはじめとした野生動物達の鳴き声が就寝前ののバックミュージックです。

3.ここでの目標

当分の目標は

①Conservancy内のライオン目録とキリン個体識別表を作ること

②フィールドワークを通じて野生動物への知識を深めること

③英語・スワヒリ語を向上させること

です。ちなみにケニアの大部分の人達は英語を話せるので英語が出来れば問題は無いのですが、やっぱりスワヒリ語や民族語を話せると彼らのことをより理解出来るな、という感じがします。ケニアには40を超える部族があり、それぞれ固有の民族語を持っています(ケニアの人達にとっての母国語)。つまり、ケニアの人達の多くは英語、スワヒリ語、部族語のトリリンガルです。僕の活動地域にはマサイ族の人達がいます。(マサイの人達の生活についてはまた別の機会にきちんと書きたいと思います)

 



6月後半あたりから、上記の活動に加え、住民参加型保全をテーマに自主的に何か活動出来たら、と思っています。地域住民やレンジャーへのインタビューを軸に調査を行なうつもりです。2ヶ月は短いので、しっかり計画しながら活動していきたいと思います!

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
また気の向いたときに更新していきます


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