解像度をあげて臨場感のある文章を書く
ヒューマンアカデミーのシナリオ科で授業を担当している。第7回で出した課題をは、こういうものだった。
「4文で作品をつくれ」
最初の1文で驚かすこと。次の文でも驚きたい。3文めでも驚かせてくれ。4文めもね。
という感じの課題であった。
提出作品は、こちら。
1
連続放火魔が最近噂になっている。
なんでも、私のクラスの子も被害にあったらしい。
ある日、連続放火魔は私の前に現れた。
そして、私の心にも火をつけた。
2
思い切り包丁を振り下ろす。
辺りに赤い汁がびしゃりと飛び散る。
私にも赤い汁が付くけれど、包丁を振り続ける。
いびつな鯵の三枚おろしが出来上がった。
3
人類は滅んだ。
いるのは心を持ったアンドロイドだけ。
アンドロイドは地球を豊かにしようとするが失敗。
孤独なアンドロイドは今日も一人で歩く。
4
某日未明、スカイツリーが地盤ごと、上空1000メートルの高さまでフッ飛んだ。
そののち、地面に空いた穴から、全長177メートルの怪獣が現れた。
さらに、そこより一層深い地中から、全長1000000メートルの超巨大怪獣が、小さい怪獣を墨田区ごと呑み込みながら現れた。
しかし、流星とともに現れた全長50メートルの巨人が、光の奔流のような光線を放ち、超巨大怪獣を爆散させた。
5
敵の銃弾が胸へと撃たれた。
玉が心臓の近くに止まり命の危険が迫っている。
時刻が12時を回っていて手術のできるものがいない。
しかし連絡をしたら直ぐに医者が飛んできてくれた。
以上。
第8回の授業は、これらの提出課題を推敲した。
内容に関しては口出ししない(したくなるけどな!)。
「描写の解像度をあげて、臨場感を出す」とはどういうことか。
これを把握してもらうために、その場で対話しながら推敲していった。
今回は5の推敲をテキストで再現してみよう(授業の記憶をもとに再現してみます)。
敵の銃弾が胸へと撃たれた。
玉が心臓の近くに止まり命の危険が迫っている。
時刻が12時を回っていて手術のできるものがいない。
しかし連絡をしたら直ぐに医者が飛んできてくれた。
みなさんも実際に推敲してみるとおもしろいよ!
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