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「DX」×「人材育成」リアル最前線レポート vol.5~組織の壁を乗り越える、社内DXの仲間づくり事例~

約2年間で100社を超える企業の方々とお会いさせていただきながら取り組んでいる「DX」×「人材育成」のテーマ。

今回も現場の最前線で自分自身が得た知見や実状をできるだけリアリティをもってnoteにまとめていきたいと思います。


これまで書いたVol.1~Vol.4のレポートはこちらです。

vol.1 DX人材の育成は「自己開示」と「Being(ありたい姿)」から始まる
vol.2 デジタル人材とアナログ人材の分断に気をつけろ!
vol.3 「デジタル人材」ってどんな人材?
vol.4 ビジネスデザインができないDX組織の末路

ご興味ある方はぜひ以下からご一読ください。


そして第5回の今回は、

組織の壁を乗り越える、社内DXの仲間づくり事例


というテーマでまとめてみたいと思います。

DX部門の阻害となる『社内常識』


経営会議や社内稟議の際に、『組織の壁を越えられずに、DXが進まない』という課題に悩んでいる企業は多いと思います。
足を引っ張るつもりがなくても、これまでのクセで従来の仕事の仕方、既存のビジネスモデルの延長上で考えてしまう・判断してしまういわゆる「アンコンシャス・バイアス」によってDXのための小さな芽が摘み取られていきます。

それでも不退転の決意でDXを進めていかなければならない中、
重要になるのが『社内の仲間づくり』です。

現場や経営層を巻き込んでスムーズにDX施策を進めるための
『社内の仲間づくり』の方法について、弊社のお客様成功事例をベースにご紹介していきます。

施策1|社内メルマガで共感を得る

DX部門の意義や取り組みについて、経営層が全社会議などで語るだけでは現場に浸透しにくいという現実をみなさんはよくご存知だと思います。

その課題を打破するために、大手メーカーでは『DX推進のための社内メルマガ』施策を行うことで他部門のDX仲間づくりに取り組んでいます。

具体的なメルマガ施策では、『DX部門の若手が自分の言葉で、不安や学びを共有する』コンテンツを2週間に1回配信しています。

この施策の成功のポイントとしては以下の2点があります。

①    DX初心者の目線で書くこと
・DX部門に配属されたばかりの若手の方が、『分からない・疑問に思う』という素直な視点でコンテンツを作ることで、DXに馴染みがない方の共感を得やすくなります。

・加えてDX部門が積極的に『分からない・疑問に思う』ことを発信することで、『DXに対する心理的安全性』を作ることができ、DX施策を社内提案する際に、現場から前向きな質問が出やすくなるというメリットがあります。

②    不安や学びを率直に書くこと
・会社のDX戦略で感じている不安や学びを、自身の言葉で語ってもらうことで、社内メルマガの読み手に興味を持ってもらいやすくなります。

・例えば、DX戦略として、『自社らしいDX』を掲げている企業の場合、現場からすると何をすれば良いのか分からないという不安があります。
その不安に対して、メルマガの発信者が不安を乗り越えるための第一歩を示すことで、大手企業の多数を占める『危機感はあるが、何をすれば良いか分からない層』を前向きに巻き込んでいくことができます。

・副次的なメリットとしては、『若手社員に、全社向けに自分の考えを発信する場』を作ることで、考えて行動する成長の機会を提供することができます。

施策2|社内イントラで、社長がブログ発信する

DXを進めていく上では、経営層がDXを学んで考えているという姿勢を示し続けることも非常に有効です。

大手建材メーカーでは、『社長がDXの学び』について等身大で情報発信することで、積極的にDXに取り組む社員を増やしている成功事例があります。

この施策の成功のポイントとしては3つあります。

①    社長がDXの意義、自身の学びを率直に語ること
・大企業の社員からすると、経営層との距離が遠いため経営が掲げるDX戦略についても自分事化できていないケースが多々見られます。
そのため、社長がブログ形式でDXの意義や自身の学びを等身大で語ることで現場社員の共感を得やすくなり、DXを学び、実践する土壌を作ることができます。

・20-30代の若手層は『社長の権威』を感じて働く価値観は少なくなってきていますので、社長が勇気を持って『等身大』で語ることが成功の要素になります。

②    社内イントラネットのトップページに掲載すること
・大手企業では人事異動や社内手続きなどで、定期的に社内イントラネットを見る機会が多いため、実は考えを伝え、浸透させるメディアとして非常に有効です。

・社長のブログを写真付きで社内イントラのトップページに掲載することで、DXに馴染みのない社員も定期的にDXの情報に触れる機会を作ることができます。イントラネット掲載ですとあまりコストがかからずに効果が出せるというメリットもあります。

③    複数回に渡りDXのテーマで情報発信すること
・社長がDXテーマについて年に数回しか情報発信をしないと、どうしても社員の記憶から薄れてしまいがちになります。
ですので、『DXテーマのブログ』については、継続性を持って実施することが重要です。

・例えば、DX月間を設定してその期間に毎週社長がDXの情報発信をしたり、社長のDXというコンテンツを用意して毎月1回定期的に情報発信したりすることが有効です。

・とはいえ、社長も忙しく時間が作れないケースが多々ありますので
社長インタビューから秘書室やDX部門が代筆してブログを作成するなどのサポートがあると継続しやすくなります。


次回も事例を交えつつ、DX人材育成におけるリアルなレポートをお届けしていきたいと思います。

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