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自分を雇う

「ずっと働きたいなぁ」

「いや、無理でしょ。自営業とかじゃない限り」


そういうやりとりを友人として、死ぬまで働くことの難しさに初めて気付いた日。病院のベッドで、自宅で、ひとり息を引き取るよりも、さいごまで人と関わりながら、生きていたい。

長すぎる定年後の人生を、保険と年金だけで乗り切るのは辛いだろう。身体の自由が今より利かなくなるだろうし、体力も限られてくる。その段になって、自分が本当にしたいことがわかるかもしれない。そのとき、できるだけ選択肢があれば嬉しいだろう。「働く」という選択肢も。

今は、「本業」のほかに「副業」を "認める"  流れが出てきている。

その変化がニュースになるのは、被雇用者として「本業」を勤めている人が多いことを意味するのだろうし、本業の雇い主がそれを許してくれることが、様々な条件をクリアしないといけない、稀有なことだと理解されたからだろう。

「本業」の他に「副業」=「サイドビジネス」で変化の多い時代を生き抜く、という発想もよいのだが、いっそのこと、すべての人が中学、高校卒業と同時に個人事業主になり、いわゆる「社会人デビュー」を、自分以外の誰かに雇われる経験をすること、すなわち「副業デビュー」にしてしまってはどうかと、変わったことを言ってみたい。


立派な雇用者になるには、被雇用者としての経験が必要だとか、仕事に対する責任の負い方について、雇用者になるには、人によって向き不向きもあるだろう。それでも、社会人デビューの前に、自分自身を雇うという視点で、社会の中に自分の仕事を創出し、長い自分の人生の生き方を考える段階があってもいいなと思う。

もちろん、未成年の間や、はじめてから3年~5年は、ある程度の利益が発生しないと、税金やもろもろの負担が小さい "限定" 個人事業主という、法的な身分を作るところから始めなくてはならない。

副業デビュー後、”最初の仕事“ の規模を小さくしたり大きくしたり、はたまた、畳んでしまうのもありだ。ここで改めて考えるのは、雇用者と被雇用者の数的バランス。事業が大きくなるほど人が欲しい、つまり、雇われてくれる人がたくさん必要になる。

誰もが雇う側に立てるという前提で、どのような雇用バランスで、事業、法人格が機能していくべきなのかを考える。そうして組織のあり方、考え方が変わっていったら、きっと面白い。


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