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本が売れないのは誰のせい?

Twitterで読書垢というのをやっているとよく聞く言葉が「身近に本を読む人が全然いない」でる。実際自分の周りでも本を読むという人がほとんどいない。
とある著名人が「出版不況で1冊本を出しても大体4~5千部、印税で60万くらい。とても食べていけるレベルの話ではない。これは景気の問題ではなくて、本を読む人がいない。スマホに取って代わられてしまった」という大意のツイートをされていた。
とにかく「本を読む人がいない」というのは遙か昔から言われていることで、それに新しい技術やツールが拍車を掛けているのだろうけれど、映画・音楽もあまり景気のいい話は聞かない。(映画はアニメのみが元気がいい)

しかし、読書垢のTLでは毎日これでもか、というくらい読んだ本の話が上がってくるし、実際驚くほどの速さで読書数を積み重ねている人が多い。
エコーチェンバーといってしまえばそれまでなのだけど、それでもとにかく一定数の「読書家」はいる。
一応「読書家」の端くれとしてとして自分もいる(つもり)ではあるけれど、自分の購入先は圧倒的にBOOK OFFや、図書館である。村上春樹・龍の新刊は新品で買ったけれど、結構久しぶりである。
なので申し訳ないのだけれど本に払っている金額は、読んだ本の1/3~1/4位だし、作家さんに払っているお金で考えると微々たるものである。(書いてて本当に申し訳なくなってくる・・・・・・)
もちろん購入先をいちいち聞いて回っているわけでないのだけれど、自分と同じ、自分と近い感覚の人は結構いるのではないかと想像される。

つまり自分のような「読書家」は出版業界からすれば0カウントで、「本を買う人」とは認定されない。いわゆる「潜在顧客」になるわけだ。
もちろん「本が好きとか偉そうに言うならちゃんと身銭を切れ、あほんだらが」という声は甘受するけれど、ない袖は振れない、というのも正直なところなのだ。

図書館とか、古本屋がなくなれば、確かにその分は作家さんや出版社にお金は行くようになるけれど、そうするにはあまりに本というのは根源的な価値がありすぎるし、音楽業界の愚策中の愚策だったCCCD(知らない若い人は調べてみてください)みたいな末路が待っている気がしてあまりよくない。

結局の所、出版業界だって商売なので、やっぱり景気云々の話は大きいと思う。村上春樹の「ノルウェイの森」は当時450万部(今ググったら累計では1000万部いってるそうです)のベストセラーにあったけれど、それはスマホのあるなし、ももちろん関係あるのだろうけれど、経済的なところだって大きいのではあるまいか?

面白い本はたくさん出ているし、今も尚書かれている(と思うので)ので、読む人間が減ったから、と開き直らずに、手に取ってもらえればという自信を持って欲しい。

僕らも貧乏人マインドからいい加減に抜け出して、世界をちょっとずつ変えていこう。

話題の本への好奇心を殺さずに済むくらいの余裕がある世界にしたって罰は当たらない。

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