文章が苦手なエンジニアには「超・箇条書き」がおすすめ
ITエンジニア本大賞2022でノミネートされていたので読んでみました。
いや、正直最初は何そのタイトル、、と思いました。ただ、同じ箇条書きのバレットジャーナルは好きだし、どんな内容が書いてあるのかと、ノミネートされるということは何かあるんだろうと興味が出ました。
結論、今年のベストです。まだ1月ですけど。
文章を書くってことはどんな仕事にも必要で、必須なスキルだと思ってます。ただ、文章っていうとどうしても昔の感想文、、みたいなイメージで嫌だな、苦手だなって人は多いんじゃないかなと思います。何かふわっとしたものみたいな感じですね。
これにはちょうどよい言葉がないのが問題だと思ってるんですけど、文章には大きく分けて2つあります。1つは先程の感想文。もう1つは説明書などの情報を伝える文。僕らがまず磨くべきは後者だと思ってます。CSS勉強する前にHTML構造しっかりしようよみたいなことです。
この本はそういったふわっとした文章というものを箇条書きに絞って解説しています。いまいちな箇条書きをより分かりやすく書き換えたBefore/Afterがたくさん載っているのでとても分かりやすいです。
例えば、こんな例が出てくるのですが、
何か言ってそうなのは分かるけれど、良くわからないですよね。ちなみに僕はこの文章が回ってきたら読むのやめます。CPU使うので。
これを構造化して、さらに自動詞/他動詞を意識して組み直すとこんな感じになります。
だいぶ意図がわかるようになりました。こういった例がたくさん出てきます。
基本は文章術なので知ってることも多かったのですが、この本で新しく知れたことが2つあります。
隠れ重言
頭痛が痛いとか、馬から落馬するみたいなことを重言というそうです。意味が重複しちゃってて冗長ってやつですね。それに対して隠れ重言はなにかというと、
サッカーの日本代表を解説してるアナウンサーが、「日本はゴールが欲しいですね」と言ったとします。
これは重言ではないのですが、サッカーでゴールを目指すのは当たり前なんですよね。つまりなんか言ってそうで何も言ってないんです。これを隠れ重言と言ってます。
隠れ重言というくらいなので、気づかないうちに書いてしまっていることは多いと思います。ただ、わざわざ言う必要のないですし、これを書くことで本来伝えたいことがぼやけてしまうので、勇気を持って省いてしまいましょうということです。
「否定」で退路を断つ
これはもう例を見れば一発です。
↓
じゃない方を明確にすることで、本来言いたかったことが明確になります。
ソニーの「開発18カ条」
ちなみに、この否定をうまく使った箇条書きとしてソニーの「開発18カ条」が紹介されているのですが、、これはしびれました。
書き手の思いが伝わってくるのはもちろんですが、一切無駄のない文章に削ぎ落とされていて、ただただ、「美」です。これだけの短い文章で誰が読んでも一つの意味として理解できるのは相当な文章力です。
あともう一つ、固有名詞で具体例を出すというのもめっちゃ良いのですが、これはぜひ本書を読んでみてください。
サポートはもちろんですが、スキもしくはフォローしていただけると嬉しいです!