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道草植物図鑑No.19「セイタカアワダチソウ」

河原をお散歩していると、高確率で出くわす背の高いあのこ。

見上げるほどに真っ直ぐ、ぐんぐん伸びている。
あっという間にヒトの身長を超すぐらい成長します。
植物って本当にすごいなぁ〜。
そんな、このこのお名前は「セイタカアワダチソウ」

10月ごろに綺麗なレモンイエローの花を咲かせます。
すらっと伸びた背に、空に映える爽やかなイエローの花は、とてもカッコいい!
ですが、河川敷や耕作放棄地などが一面真っ黄色になってしまうくらいに大群落をつくっていたりします。
しかもみんな高さ2mくらいあるので、とにかく威圧感がすごい!

北アメリカ原産の外来植物で、侵略的外来生物ワースト100に入っているそうです。
それほどまでに繁殖力が旺盛で、周りの植物たちを駆逐してしまうのです。

地下茎を広げて、地中でどんどん増えていくというのも理由の一つかと思いますが、
なんと、根から他の植物の生育を阻害する物質を出すのです!
化学兵器による攻撃!強すぎる。
そりゃ、侵略的だと言われるのも頷けます。

ただ、最近ではどんどん衰退しているようです。
理由は自分たちが根から出した物質が、逆に自分たちを攻撃してしまっているからと言われています。
最強だ!と思ったけど、長い目で見ればそう上手くはいかないもんなんですね。

また、一時期「花粉症の原因だ!」という濡れ衣を着せられた過去があるそうですが、
花粉を虫に運んでもらう虫媒花なので、スギやヒノキのように大量に花粉を作って風で飛ばすということはしないそうです。

そんな悪名高きセイタカアワダチソウですが、最初に日本に入ってきたのは明治時代。
観賞用の植物として持ち込まれたのがきっかけだそうです。

場所によっては、背の低いセイタカアワダチソウが生育していることがあります。
そんな時は、ぜひ同じ目線の高さで花を見てみてほしいです。
小さくて繊細なお花がたくさん集まっていて、とても可愛いです。

ミモザのようなエレガントさもあって、攻撃的な面がなければ今でも園芸種として重宝されていたかもしれません。

ところで、セイタカアワダチソウという名前、
「セイタカ」の部分は一目見て納得のネーミングですが、
じゃあ「アワダチ」って一体なんだろう。

セイタカアワダチソウはキク科の植物です。
キク科植物によくある、綿毛で飛ばすという方法で種子散布をします。
泡立つように白い綿毛を飛ばすことから、アワダチという名前がついたそうです。

植物の姿形もあいまって、もくもくの雲みたいにも見えます。可愛い〜!

なんと、セイタカアワダチソウは一株で四万粒もの種子を作って飛ばすらしいです。

地下茎でも増えて、種でも増えて、周囲の植物の生育も阻害する。
強いけど、ちょっとやりすぎて自滅しちゃう。
そんなところもなんだか憎めない植物です。


セイタカアワダチソウ
Solidago altissima
キク科アキノキリンソウ属

北アメリカ原産多年草
花時期 : 10月〜11月
生育地 : 河川敷、荒地など


出典 : 身近な雑草の愉快な生き方/稲垣栄洋・
       三上修
   散歩が楽しくなる雑草手帳/稲垣栄洋
   形とくらしの雑草図鑑/
   岩瀬徹・飯島和子
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   金田洋一郎 
   おもしろ植物図鑑/花福こざる

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