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Vol.31『#教えて先輩パパとママ 独自インタビュー 『産後の夫婦円満の秘訣(3)』

❁この記事を書いたきっかけ❁

『産後の夫婦は仲が悪くなる、もしくは恋人のような愛情がなくなると聞いた。自分はそうなりたくないので、産後も夫婦が円満になるための秘訣を教えてほしい』

 あるプレパパさんからこんなメッセージを受けた私は、これまで得てきた知見を元に『産後の夫婦円満の秘訣』について記事を書きました。
けれど、書いている中で湧いてきたのは、“専門的知識だけじゃ、読者の方はきっと物足りない!!実際に産褥期を乗り越えた夫婦にインタビューしてみたい!!“という想いでした。そして、”夫婦円満“と聞いてパッと顔が思い浮かんだご夫婦に話を聴くことにし、今回は第3弾です^^

❁インタビュー❁

今回ご紹介するのは、結婚17年目のI夫妻。中学1年生、小学4年生、小学1年生の3人のお子さんを育てていらっしゃいます!!

―Iさんは、結婚されて16年とのことですが、これまでを振り返ってみていかがですか?―
はい。“乗り越えた感”はありますよね。

―その一言に大きな歴史を感じます。今回のテーマである『産後夫婦の円満の秘訣』についてですが、Iさんご夫婦はずっと仲が良い印象があります。プレパパさんからの質問にあった『恋人のような愛情がなくなる』といったことはありましたか?―
主人への愛情が無くなったことはありません。ただ、「触らないでほしい」という時期はありました。

―それはいつのことですか?―
長女が生まれて直ぐ後です。
正直、物理的にも精神的にも主人と触れ合える状態ではありませんでした。
物理的な面で言うと、子どもが冬に生まれて、授乳と乾燥とで胸がとにかく痛かったんです。
精神的な面で言えば、子どもが生まれると“この身体はこの子のためのもの”といったものすごい母性が芽生えました。

なので、子どもが生まれてからしばらくは、肩を揉む、手を繋ぐといったこともありませんでしたね。そういった意味では、恋人のようではないと言えるかもしれません。
ただ、『愛情の度合いが変わるのではなく、質が変わる』と言った方が良いかもしれませんね。
無理強いせず、待っていてくれた主人にはとても感謝しています。
もし無理強いされていたら、夫婦関係は壊れていたでしょうね。

―Iさんも悩まれた時期があったのですね。全く気付きませんでした。産褥期の夫婦の在り方でその後の関係性が大きく変わるというのを聞きます。残念なことに浮気をしてしまうといったことも。―
“奥さんの心がこっちを向いていないから浮気する”。これは互いにとってとても苦しいことですね。父親学級では、赤ちゃんのことやお母さんの仕事については教えてくれますが、夫婦のことについては一切触れません。むしろ、産前にこそ夫婦関係について学んでほしいと思います。どうしても“何でうちだけ?”と思いがちですから。

―“なんでうちだけ?”と思ってしまうのは、他のご家庭が皆、うまくいっているように見えるからですよね。でも、本当は皆、見せていないだけ。―
そう、皆見せていないだけ。ですから、「めげないでね。皆、乗り越えているんだよ。」というのを伝えたいです。

―続いて、Iさんが産褥期をどのように過ごされたのか教えてください。―
産褥期のことは母から聞きました。特にオムツは今のように紙ではなく布だったので、相当大変だったようです。それを聞いて、「確かにお母さんの方が大変だったな。」と思いました。あと、私の母と義理の母から言われたのは、「水は触るな。身体が冷えるから。」でした。

―それは母体を冷やしてはいけないという意味でしょうか?―
それもありますし、赤ちゃんに触れる時、ヒヤッとして赤ちゃんが驚いてしまうというのもあるようです。『とにかく手足を冷やさないように』と、洗濯や洗い物などの水回りは、母と義母がやってくれました。

・大変だったこと
3人目が生まれた時ですかね。初めから自宅で過ごしていましたし、水回り以外の家事は全てやっていたので……。末っ子をベビーカーに乗せ、イヤイヤ期の長男を連れ、長女を幼稚園までお迎えに行き、その後スーパーに行っていました。
でも、1番辛かったのは一人目の時かもしれません。『完璧にやらないと』『なるべく泣かせないようにしないと』『母乳で育てないと』といった“良い母”を演じていたように思います。
それが3人になると、幼稚園の準備であれやらなくちゃ、長男のことでこれやらなくちゃと、やることや考えることが分散されるからか、頭の中が末っ子のことだけにならなかったので、そこまで辛さはなかったように思います。

―一人だと、意識がその子だけに向くので、細かいことまで気になるのですよね。―
そうなんです。特にイヤイヤ期は世間の目が気になります。長女の時は『良い母親の諭し方』『正しい諭し方』といったことを気にしていましたね。ところが3人いると、そんなことを気にしている余裕なんてありません。ちょっとやそっと、引きずったりピシッと叩いたりしてもスクスクと育たない訳ではないですし、心の傷になることはありません。
『愛情を持ってやれば大丈夫だ』と分かった瞬間、ラクになりました!

・ヘルプに来てくれた人
実母と義母

・子どもが生まれて変わったこと
優先順位が変わりました!私は教育関係の仕事をしていたのですが、自分の子どもを預けてまで他の子を見るといったことは考えられませんでした。
あとは、脳が“この子は私じゃないと駄目だから”となりました。
“だって私じゃないと泣くもの”“この子には私が必要。私でなければならない”といった思い込みや固定観念がありましたね。なので、一人目の時は他人に預けることが出来ませんでした。
『赤ちゃんを預けて何かをやる』というのが恐怖でしたし、“きっとずっと泣いているんだろうな。可哀そう”“この可愛い子がずっと泣いているなんて想像できません。ですから私は辛いけどずっとここに居ます”といった想いが強かったです。仕事復帰をする・しないにしても、ここに紐づいているかもしれませんね。
3人目の時は支援センターなどに行って、子育てのベテランのおばちゃんにガンガン預けていました。その間、私はママ友とお茶をするみたいな。良い母親を演じていない、素の自分でいられたのが楽でした。

―“良い母親”を演じない。そうしたいけれどそうなれないお母さんは多いでしょうね。続いて、夫婦円満の秘訣を教えてください。―
ビールを飲みながら語り合っています。それこそ仕事や子どものことや色んなことを。
特に子どものことに関しては先々まで考えて目を背けずにとことん話しています。
「この子はこういう所があるからこういう習い事が良いんじゃないか。」
「この子にはこういう本を読ませたら良いんじゃないか。」
といったように。

―“目を背けずにとことん話す”。中々出来ないことのように思いますが、それを続けてこられているのは凄いですね!でも、折り合いがつかない時もあるのではないですか?―
そうですね。大枠は二人で決めているのですが、折り合いがつかない時は主人に従っています。

―それで納得いかない時はどうするのですか?―
子どものことだけでなく、家のこと全てについての人生設計は主人が決めています。その方が上手くいくのですよね。ただ、方向性が決まった後の細かいことについては、私が決めています。主人にはいざと言う時の最後の砦として出てきてほしいので。
遊びについても、室内はママ、外はパパが担当しています。先日は庭にテントを張ってキャンプしていました。私は家の中にいましたけど(笑)

―お父さんとキャンプ!!それはお子さんも嬉しかったでしょうね。でも、お母さんが居なくて寂しかったのでは?―
私が居るとどうしても私中心になり、パパとの時間ではなくなってしまうので、行きません。
どんなこともやりながらお互いの良い所を見つけ、分担しています。私達夫婦の間にこれといったルールはありません。ルールを作らないのが本当の秘訣かもしれませんね。

―ルールを作らないのが本当の秘訣。深いですね!!―
主人も私も育ってきた家庭環境や学習環境が似ているので、価値観や考え方に大きなズレがなく、ぶつかるところが少ないのもあるでしょうね。
『お母さんが笑顔で居られるように旦那さんが頑張って!』という、私の恩師がお父さん向けの講演で言っている言葉があります。
『お母さんが笑顔でいるかどうか』で家庭内の明るさが変わってくるので、本当に大事だなと思いますし、私が笑顔でいられるように頑張ってくれている主人には感謝しています。

―素敵なご主人ですね。では、最後にこれから出産を迎えるパパとママへのメッセージをお願いします!―
これは、長女が赤ん坊の頃の自分に言ってあげたいことなのですが、
「ちゃんと育つから。大丈夫だよ。あなたごときがちょっと手を抜いたって大丈夫。」
本当は、色んな人の手を借りて育てた方が赤ちゃんにとっても自分にとっても良いんですよね。
私が好きな言葉に『種は芽が出る、芽は伸びる。そういう風に出来ている』というのがあります。親は子どもが何色を咲かせるかのちょっとしたスパイス。余談ですが、フルーツトマトって、敢えて水をあげないそうです。そうすることで、自分自身で甘くなろうとするそうです。子育てにも通ずるところがあるかもしれません。

―なるほど。子どもは子どもで自らを育てる力を持っているということですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!―

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