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Goblin

何百回も聴いたのに、感想を書くのが難しい。

私なりの解釈はあるが、それをむやみに書いてしまうと、この曲に対する人それぞれの解釈に変な影響をもたらしそうで怖い。

この曲における解釈は十人十色であってほしい。

変でも、不思議でも、不気味でも、意味がわからなくても、何でもいいから。

なのであまり解釈は書かず曲の紹介だけしようと思う。

まずこの曲は囁き声や声が重なって聴こえるところが非常に多い。

まるで彼女が冒頭で話した、他の人格である“彼女たち”が頭の中で囁いているよう。

囁き声に関して、特に私は歌い始める前の“crème de la crème”と、MVの1:27で聞こえるため息が好きだ。

歌詞に関しては抜粋しきれないほど全部良いけど、頑張って抜粋する。

“現実の中の沼を探しに行く時間ね”
“悪い日ではないから大丈夫
かなりうんざりしたのは事実だよ”
“君の心の白い霧を黒く染めるね”
“私の部屋に息づく全てのもの”
“Don’t be afraid of the cat without fur”
“流れ落ちる私の砂の城
全ての破片が入り込んでくる”

感動しませんか?

彼女の言葉選びというか、言い回しに。

“変だ”と言われ続けてきた彼女のセンスに。

人は特別でありたいと願いながらも、人から変だと思われたくないと考えている節がある。

だから周りと同化しようとする。

それは自己防衛であるとも言える。

言葉を気軽に発する人があまりにも多いこの世の中で、同化はなるべく傷つかないように生きていくための手段だ。

自分の領域で個性を出したって、誰にも迷惑をかけていなくなって、それが自分の定めた基準から少しでもずれていると言葉で暴力を振るってくる人に対抗するのは本当に大変だから。

けれど彼女は違った。

自分が何者か、本当の自分は誰なのかわからなくなっても個性を消すことはしなかった。

“怖がらないで、毛のない猫を
ただ挨拶したいだけなの”

彼女の曲には“怒り”という感情がない。

あれだけたくさんの人に踏み躙られたのだから怒りを持って当然なのに、誰かや何かに怒りをぶつけることはしなかった。

“私はこういう人なの
面白いでしょう?
正しいも、間違ってるもないよ
あなたが見ているのは私自身じゃなくて、好き勝手に描かれた私の絵だよ
何で気づかないの?
私はここにいるのに
何でそんなに恐れるの?
ただあなたと一緒にいたいだけなのに”

この曲からは、そんな彼女の声が聞こえる。

たくさん傷つきながら悩みながら人は生きる。

醜い感情に支配されることもよくある。

その中で絶対に忘れてはいけないことがある。

汚れのない純粋な心を持ち続けること。

それを忘れなければ、もし途中で人生を終えることになったとしても、一生懸命生きたと言えるし、人生の真理も見つけられるはずだ。

全て彼女が教えてくれた。

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