近所の商店街は宝箱

お散歩をするぞ!と思ったのはいいけど、日中に人が多いところ歩くのは暑いししんどいし、夜にお散歩は涼しいけど気が滅入りそうだなと思い考えた末に



母と昼下がりの商店街へと出発しました。

自宅から、商店街のアーケードに向かうまで徒歩で7.8分くらいでしょうか。アーケードに着く頃には足がガクガクと震えだします。いつもなら、体力に自信がある自分がこんなになるなんて…と思っていましたが、ふと目の前に喫茶店を見つけました。

よし!ここら辺で休憩だ。喫茶店でも入るか〜

とちょっと冒険の途中の休憩という感じでワクワクしながら喫茶店へと入店しました。

今どきのカフェではなく喫茶店。周りはご高齢の方ばかり。なんとも言えない懐かしい雰囲気。そこには映えなど存在せず昔ながらの趣がありました。

母はアイスコーヒーを、私はソーダ水を注文しました。ソーダ水はブルーに近いグリーンで中には砂糖漬けのさくらんぼが入っていました。見た目が薄い割にとても甘く疲れた体が癒されました。そして、しゅわしゅわとはじける泡を見つめているとなんだか心が和らいできてなんで夜はあんなに悲しくなってしまったんだろうとじぶんを冷静に振り替えれたのです。

小休止を終え、また母と歩き始めました。

ここはわたしが中学生の時髪の毛を切っていた美容室だね。
ここはわたしが高校生の時にお世話になっていた整骨院だね。
ここはわたしが進学で実家から離れる前に二人で食べた洋食屋さんだね。

のーんびりゆっーくり歩きながら思い出話をしました。途中で今日の夜に食べる甘いものを買おうと和菓子屋さんに寄ったりして自宅へと戻りました。

そんな穏やかな時間を過ごすことで、私は帰ってからも競技にいかにして早く戻るか。周りに迷惑をかけているのではないかという気持ちでいっぱいだったことに気が付きました。
本当の意味で実家に戻って療養できたのはこの瞬間からでした。

18歳で親元を離れそこから全力で今までを走ってきました。夏と冬には帰省していましたが、トレーニングは欠かせなかったので親とゆっくり会話をして、同じものを見るという時間がありませんでした。18歳までの親とすごした記憶、思い出はこの商店街に詰まっていたのだなと改めて思いました。


周りから見たら、古びた商店街かもしれませんがわたしにとって 地元の商店街は、キラキラした思い出が沢山詰まっている、まさに自分にとっての宝箱だなと感じました。

そして、商店街を母とお散歩したことで、周りから自分を切り離すことが怖かった自分が切り離してもいいやん!と思えた瞬間でした。

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