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信頼とその変動について

概要

信頼を得たり失わずに仕事をし続けることは現実的に不可能かなと思っています。
それはそれで仕方ないよねーと受け入れることも必要ですが、どんなタイミングで信頼を得たり失うのかを少し考えていこうと思います。

信頼とは?

まず、信頼という言葉の定義(解釈)をある程度明確にしておこうと思います。
様々な解釈があると思いますが、ここでは「これから起こり得ることに対して期待を満たしてくれている双方が信じること」と定義して話を進めていこうと思います。重要なポイントは「これから起こり得る」という未来形であることと「期待を満たす」という点、そして「双方」という部分です。
また、信頼は0/1ではなく「とある側面では信頼できるが、別の側面では信頼できない」等、領域により信頼度合いが異なったり、信頼度合いがグラデーションの様になることも忘れてはいけない点であると思います(直感的に理解できると思います)。
当然、信頼は単方向ではなく双方向で成り立たせる必要があります。単方向だけで成り立つケースも往々にしてあるのではないか?と思われますが、それは信頼が成り立っているというわけではなく一方が要求を押し通しているだけに過ぎません。

信頼が成り立つタイミングと信頼を失うタイミングの具体例を上げつつ、信頼とはいつどのようなことが起こって変動するのかを考えていこうと思います。

信頼が成り立つタイミングの具体例

理解しやすいケースはいくつかありますが「プロジェクトの成功」が一番理解しやすいかと思います。

しかしながら、プロジェクトの成功とは何かを考えなければなりません。クライアントはクライアントとしてのプロジェクトの成功定義がありますし、開発チームは開発チームとしての成功定義があるでしょう。
これらを先の定義の「期待を満たす」に当てはめて見ると、クライアントも開発チームも自分たちで定義したプロジェクトの成功を満たしても信頼を得ることは難しいと考えれます。これは「相手が考えているプロジェクトの成功定義」を満たせば信頼を得てもらえると言い換えられます。

開発チームが一方的にクライアントのプロジェクトの成功定義を満たしてもクライアントには信頼されるかもしれませんが、開発チームはクライアントを信頼できるでしょうか?当然答えはNoです。
つまり、片方のプロジェクトの成功定義を満たすだけではなく双方のプロジェクトの成功定義を満たして初めて「双方向での信頼」が成り立つとなります。

信頼を失うタイミングの具体例

失敗例は「プロジェクトの失敗」で考えていきましょう。
先に記載しましたが、一方がもう片方のプロジェクト成功定義をおざなりにして自分たちの成功の定義だけを満たしていては信頼を失うことになります。プロジェクトの成功定義を結果論だけで言えば4つのパターンに分けられます。

1. クライアントの成功定義も開発チームの成功定義も満たす結果となる
2. クライアントの成功定義は満たすが開発チームの成功定義は満たさない結果となる
3. クライアントの成功定義は満たさないが開発チームの成功定義は満たす結果となる
4. クライアントの成功定義も開発チームの成功定義も満たさない結果となる

やや極端なパターンですが、多くのプロジェクトは2~4に当てはまっている印象があります(...私だけですかね、もしそうであればある意味で嬉しく思います)。
なぜこのような結果になるのかはそれぞれの状況によって異なるとは思いますが、根底にあるのは「互いのプロジェクトの成功定義を認識していない」という問題があるかと思います。もう少し抽象的な言い方をすると「お互いに何を期待しているか認識できていない」となるでしょうか。

クライアントは「開発チームにこういうことを期待している」、「開発チームはクライアントにこういうことを期待している」、それらを双方に認識できていないということは「相手の期待を満たすことがそもそもできない」となります。

信頼を得る時と失う時に共通すること

先に何度か書いてしまっていますが、「双方」と「期待」になります(定義の時点で出てきていますね)。
まとめて言えば「双方の期待にズレ(認識の有無も含む)があるか無いか」となります。プロジェクト開始時に双方の期待に対する認識のズレがあるか無いかが最終的に双方で信頼が成り立つか否かに少なくない影響を与えると言えます。

これらから信頼を得ていくには「双方の期待に対する認識のズレが無い」という前提が必要であると言い換えることもできます。

信頼は何もしなければ減らない?

ここからは「信頼関係が成り立っている」という前提でタイトルにある「変動」の部分を考えていこうと思います。

信頼関係が成り立った後、何もせずに時間が経過したとして信頼関係はどう変化していくでしょうか。もちろんどの程度の信頼関係が成り立っていたかにもよりますが、基本的には時間の経過に比例して信頼関係のグラデーションは薄くなっていきますが、一定の薄さになったらそれ以上薄くならないという特性を持っていると考えています(科学的根拠や統計情報として何かあるわけではなく個人の感覚です)。
時間が経てば開発手法も変わりますし、プラットフォームも変わり使用言語にも変化は訪れます。そんな中で放置された信頼は風の中に置かれた砂山のように少しずつ少しずつ小さくなっていきます。プロジェクトを例として上げてきましたが、人間関係における信頼関係も同様だと考えています。

一度信頼関係を作れたと安心していたらいつの間にか相手が思っていたより信頼してくれなくなっていた...とか切ないですね。

おわり

色々端折って極端に書きすぎた感ある。
主語の大きいタイトルはダメだなぁ。

期待の認識合わせに関するプラクティスはあれこれ試行錯誤しているところですが、勇気と覚悟を持って相手と向き合うしかないんだろうなーと思ってます。

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