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箱根駅伝と行動経済

なぜ人は箱根駅伝を見るのか?

箱根駅伝と言うスポーツ
「なぜ箱根駅伝を見るのですか?」
とこう聞かれると…

「スポーツを見るという行為はスポーツ消費」です。
スポーツマーケティングという学問なのですが、
「なぜ箱根駅伝を見るのですか?」を解明することは、
とても興味深いテーマでしょう

「箱根駅伝」とは

箱根駅伝…
幾つものドラマが毎年繰り返されています。

正式名は「東京箱根間往復大学駅伝競走」で、
関東学生陸上競技連盟が主催をしている、
大学スポーツで大成功している、
スポーツビジネスモデル
です。

日米大学スポーツのビジネスモデル

過去の記事の中で7月20日に書かせて頂いた
「スポーツビジネスこそ行動経済3」で紹介しましたが、
米国のNCAA(全米大学体育協会)モデル。

バスケットボールの試合は2万人以上!
アメリカンフットボールの試合にはなんと10万人以上

もの観客が集まりますので、
テレビ中継の放映権だけでも莫大な収益を生みます。

2日間で100万人以上の観衆が沿道を埋め尽くし、
平均視聴率は約30%以上!
日本最高峰の大学スポーツのビジネスモデルなのです。

放映権とスポンサー

箱根駅伝のビジネスを大きく支えるのが、
テレビ放映とスポンサーです。
すでに来年度の特設サイトも立ち上がっており、
メイン放映権を持つ「日テレ」さんは、
着々と準備
しています。

箱根駅伝特設サイト

スポンサーも大手が付いています。
MIZUNO
SECOM
NTTdocomo
大和ハウス他

大手がしっかりとサポートしているのです。

数々のドラマが感動を生む

箱根駅伝の本選出場枠は21校です。
毎年行われる箱根駅伝に出場した中で、
前回大会上位10校のシード権を獲得校。
そして予選会を突破した10校、
更に関東学生連合1チームを加えます。

毎年の箱根駅伝で熱くなるのが、
翌年のシード権獲得となる
「上位10校」の争い
でしょう。

帰属意識が感情を生む

行動経済学は「感情」を最も最重要視します。
出場する好きな大学と自己を同一化させ、
レースに陶酔します。
これは一種の帰属意識です。

スポーツはドラマです。
昨年までの戦い、
上位入賞のシード権獲得、
予選会情報、
山の神と言われるドラマ、
ライバルの戦いによる下剋上争い、
個人のケガに至るまで…
テレビ局は様々なドラマを作り上げます。

テレビを見ている方は、
自宅でゆっくりコタツに入っているかもしれません。
しかし、
出場選手の活躍や、
チーム内の応援の様子、
監督やコーチ陣のやり取りを見て、
自己の成功と重ね合わせ、
自己イメージが向上したかのような感覚に陥る
のです。

箱根駅伝と行動経済まとめ

人間は現状維持バイアスが大好きです。
特に今は「安心」を得たいために、
過去継続しているモノには、
「変わらないで欲しい!」と言う
特別な意味合い
を持っていると思います。

そして…
人間は決まった時期や、
決まった日に、
決まったことをするのが大好き
なのです。

お正月の風物詩「箱根駅伝」
2021年は更に視聴する人数が増える可能性があります。
その理由が…
いつもと違うお正月だけれど、
いつもと同じ風景を求める
からです。

「なぜ人は箱根駅伝を見るのか?」
その理由は…
日本人の「安心」
そして…
日本人の「感動」
なのかもしれません。

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