運命を拓く×心を磨く 安岡正篤
こんにちは。
リーダーシップデザイナーの吉田幸弘です。
今日のおススメの書籍です。
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■松本 幸夫 (著)===========================
田中角栄さんが影響を受けた安岡正篤さんの考え方に触れている本です。
リーダーとしてあるべき姿、礎を学べる一冊です。
特に順境な時こそ、油断せずにさらに前進の意を込めるためにも目を通しておきたい一冊です。
それでは特に参考になったエッセンスをご紹介していきます。
●安岡が私淑したともいえる王陽明は、人生において一番避けるべき心は「傲」の一字だと説いた。
「俺は何でも知っているんだ」
「他人から学ぶことなど何もないよ」
「社長を20年もやっているんだ。私が一番偉い」
このような態度、学ぶことを忘れた傲慢さが墓穴を掘ることに通じるのである。
私も多くの経営者の方々と接するが、名経営者に共通するのは全く傲慢でないということだ。
皆、面白いように共通しているのが「謙虚」「素直」であるということだ。
常に自分の足らざるを知ることで、ますます学んでいこうという意欲も強くなってくるのである。
(P59 引用)
自分を完成品だと思った途端に衰退がはじまる。
どんな相手からも学ぼうという謙虚な気持ちでいたいものです。
個人的にはやはり読書は謙虚な気持ちにさせてくれるものと思っています。
●陽明の時代に、彼が社会の弊害だとして挙げたのは、次の三つであった。
いわゆる「三弊」である。
1.名器の大濫
2.運用の太忽
3.求功の太速
名器の大濫というのは、官職にあるものが乱れ、不正な行いを続け、でたらめに振る舞うということだ。
運用の太忽は、行政上での人選が時として間に合わせで、いい加減なことを示す。
求功の太速は、成果をあまりにも早く求めていくことによる弊害である。
現代の「汚職」「疑獄」、あるいは「不正人事」などを見るまでもなく、三幣の害は、現代でも十分に通じているものだ。
あるいは、ハウツー本が売れ、人々はあまりにも早く結果ばかりを得ようとするところなど、陽明は現代社会について警告しているようにさえ思われる。
(P98~99 引用)
上に立っている人ほど細かいところまで見えてしまう。
リーダーはそう思って振る舞うようにしたいものです。
また、人選も重要。
自分に異を述べないイエスマンばかり並べたり、あるいは業績ばかり見てその人の器を見ないといった状態にならないように注意したいものです。
●どんな人間であっても、小さな過失はあるものだ。
フィードバックというのは、自分でも気付いていない自分の見えない「心」を示してもらうことにある。
しかし、小さな気付かないミスばかりを言われても、大きく自分を変えることにはつながらない。
また、側近も小過をフィードバックだと誤解してはならない。
例えば、「社長のこの前の論文に脱字がありました」「靴のヒモがほどけていました」という類は別に知らせてもよいが、フィードバックにはならない。
「社長は人前で叱りますが、中には非常に恨んでいる者がいます」「訓話の時間が少し長いように思いますが」といった建設的で、改善につながるものが正しいフィードバックといえよう。
(P130 引用)
「菜根譚」の「人の小過を責めず」の部分の解説になります。
フィードバックをするのは大切ですが、あくまでも「行動改善」につなげる必要がある。
一度に多くのことを言っても相手は行動改善できない。
またわざわざ口にする必要もない小さなこともあるでしょう。
フィードバックの内容は重要な1つに絞ることですね。
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