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ピースオブケイクのパーティーのこと(後編)

【前回までのあらすじ】
人が好きなわりに人疲れしやすい私。ピースオブケイクのパーティーに参加して30分、数人と会話しただけで満足してしまい、「あとはネットで交流ある人に挨拶するだけでいっか」と、そうそうに知らない人に話しかけるのを諦めたのだった。

欲張ってたくさん取ってきたオードブルを食べていると、一緒にいたキリさんを通じて、cakesマンガ連載陣とお話する機会を得る。

「ヲタ夫婦」の藍さん

「鬼の子」のながしまひろみさん

「借金500万マンガ家の、ビンボー脱出作戦」の二ノ宮とのさん

皆さん、作品の雰囲気とご本人の雰囲気が似ている。特に、二ノ宮とのさんは連載に出てくるご本人のキャラと実物がそっくりだった。

モグモグしてると(あまり言及してる人がいなかったけどテリーヌみたいなやつがすごく美味しかった)、目の前を通った女性の名札が目に入る。

名札に書かれていた文字は「ゆるりまい」。

わぁ! あの「わたしのウチには、なんにもない。」のゆるりまいさん!!

※cakesで連載しているのは「ゆるりまいにち猫日和」です。

声をかけるつもりはなかったのに、舞い上がって無意識に「あっ! ゆるりまいさん!」と口に出してしまい、ご本人が「えっ?」と立ち止まってくださった。

あわわ、心の準備なしに呼び止めてしまった……!

とりあえず自己紹介をする。

私はゆるりさんの代表作「わたしのウチには、なんにもない。」が好きで、もちろん本も持っている。

あぁ、本人に会えるってわかってたら本持ってきてサインしてもらったのに……!

考えてみたら、cakesで連載しているゆるりさんがパーティーに来る可能性は充分ある。なのに、なぜか思い至らなかった。

ゆるりさんはとても謙虚な方で、「私のこと、知ってくださってるんですね」と言われた。著書がドラマ化までされているのに、なんて謙虚さ!

そのあと、ゆるりさんと藍さんとしばらくお話する。

私はおふたりのエッセイ漫画を読んでいるので、初めて会うのに、おふたりのダンナさんのパーソナリティまで知っている。

「ダンナさんと仲良くて羨ましいです」って、ふつうなら初対面の人に言う台詞じゃないよなぁ。

ゆるりさんは控えめで可憐な方で、藍さんはボキャブラリーが豊富でお話の上手な方だった。

インスタメディア・cocoroneの編集長のとみこさんに話しかけに行く。

前からTwitterでやり取りしていたこともあり、初対面だけどあまり緊張せずに話せた。インフルエンサーってもっと強気な感じかと思いきや、とみこさんはほわほわした優しげな雰囲気で話しやすい。

私は人の仕事の話を聞くのが好きだ。この記事を読んでから、とみこさんの仕事に興味があったので、直接話を聞けて面白かった。

ちなみに、私の「人の仕事の話に興味がある」というのは、必ずしも「自分がその仕事をやってみたい」というわけではない。

たとえば教師とか政治家とか、自分では絶対にやりたくないような職業でも、その仕事をやっている人の話は聞いてみたい。単なる好奇心だ。

この日はもうたくさんの人に圧倒されてしまって、ネットで交流のある方以外には自分から話しかける気力がない。

……と思っていたのに、とみこさんのお陰で、THE GUILDの市川渚さん安藤剛さんこだまちはるさんこばかなさんとも少しだけお話することができた。 GUILDの皆さん、かっこいい。

また、同じくとみこさんのお陰で、soar編集長の工藤瑞穂さんともお話できた。

soarはとても好きなメディア。上質なドキュメンタリー(変な演出が加えられていないやつ)を見ているよう。

soarも工藤さん個人の発信も、以前からnoteやTwitterで拝見していて、共感できるところが多かったので、ご本人とお話できて嬉しかった。

工藤さんたちのお話になんとなく混じっていると、「メンヘラ・ハッピー・ホーム」のスイスイさんが現れた。

スイスイさんはとても華やかな方で、会場に入ったときからその存在に気づいていたのだけど、当然話しかけることもできず。

思いがけない接近でめちゃくちゃドキドキしながらも、ご挨拶できた。

まさか、あのスイスイさんとお話できるとは……!

本当に、来てよかった。

その後、「芸人ですが、このたび人工肛門になりました。」のふっくらボリサットさんに声をかけていただいた。

ふっくらボリサットさんのことは、私が一方的に存じ上げていると思っていたら、私のことを知っていてくれた。私が一方的にフォローしてると思い込んでいたけど、なんと相互フォローだったのだ。

はっきり言ってアイコンの自画像は詐欺で、実物は美人だった。

だけど、漫画に登場する小仲さんは絵にそっくりだった(小仲さんとはお話しなかったけど、どの人かすぐにわかった)。


帰ろうとしたら、コートを置いていた控え室のような部屋に桃山商事の皆さんが入ってきて、内心で「わー、本物だ!」と思いながら軽く会釈だけする。

基本的に自分から話しかけられないので、そのまま帰ろうとすると、森田専務に「山小屋のエッセイの方ですよね」と声をかけていただいた。

まさか、存在を知っていてもらえたとは!

ビックリして、オドオドしてしまった。


帰り道、ライターの徳瑠里香さんと一緒になる。

徳さんはnoteクリエイターファイルを書いているライターさんで、私も取材を受けたことがあり、面識があった。

外苑前の駅まで一緒に歩き、地下鉄に乗り、代々木上原で別れた。

徳さんはその日、お子さんを連れてきていて、抱っこ紐(って言うのかな?)の中でキョトンとしている赤ちゃんが可愛かった。

子育てをしつつ仕事をしている人を見ると、いつも「すごいなぁ」と思う。子どももいないのに仕事もままならないなんて、私には何が足りないんだろう?(たぶん根性だ)


この日はとても楽しかった。

そういえば、20代後半までは、人と会うと「会話しなきゃ!」と身構えてしまって、そのプレッシャーで余計に会話が途切れた。

28歳で少しだけ会社員をしたときに、「あ、私がムリして喋らなくてもみんなが勝手に喋ってくれるし、聞いてるだけで楽しいじゃん」と思うようになった。

それ以来、「人見知りでも話し下手でも別にいいや」と開き直ってムリに話すのをやめたら、人が集まる場所に行くのが楽しくなった。

積極的に会話しなくても、充分に楽しめているのだ。


実は、18日も、知っている人がほとんどいないと思われるイベントに行く予定だ。

たぶんまた、積極的に話しかけることもせずにぼんやりしているのだけど、帰ってきたらエッセイのネタになるからいいかな、と思っている。

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