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後でできると思ったら大間違い。人生にはタイミングがある/海外旅行のすすめ(前編)


◆海外旅行には、日常の悩みが吹っ飛ぶという効果も

 
人生100年時代、長くなったといっても時間は限られている。誰にとっても貴重な時間を何に使うかは自由だが、使いたいことに使ってほしいと思う。
 
私はその貴重な時間を海外旅行に使ってほしいなと勝手に思っている。人によってその魅力は様々だと思うが、私にとって世界観を変えてくれたことや、夫婦の絆を深めるためにとても大事だと思っているからだ。
 
さらに言いたいのは、海外旅行というと、「時間やお金に余裕ができてから」「老後に悠々自適にするものでしょ?」と思ったら大間違いだということ。
というのも、若いうちにしかできないことも、たくさんあるから。話が長くなりそうなので前半と後半にわけることにしよう。
 
コロナや円安の影響で海外へ行くのも簡単ではなくってしまったが、私はその障壁を超えるほどの行く価値があると思っている。
 
世界観(自分のイメージできる世界)が変わると、日常の問題がちっぽけに見えてくる。
世界史の教科書にあったパルテノン神殿(ギリシャ)を間近で見ると、その場でしか味わえない風や光、温度を感じて、ここでソクラテスやアリストテレス、プラトンが対話をしたのかと勝手にイメージしてしまう。
文字や写真だけの情報は、現物から感じられる五感全てに働きかけるものとは、はるかに及ばないことを予想以上に突き付けられたのだ。
 

 
最近、私の世界観が変わったのは、2019年3月にポルトガル首都・リスボンへの途中、乗り継ぎで寄ったドバイ空港だ。
「なんて広い空港だ」と思った。リスボンへの搭乗口までの移動が長いこと、一人なら必ず迷うこと間違いなし。
 
しかしそこで見る景色は、まるでスターウォーズに出てくる宇宙都市のように私は思えた。アフリカの人、中東の人、西欧の人、アジアの人、世界中の人が集まっている。こんな世界があるのかと感じさせられる驚きのシーンだった。
 
当たり前の話にはなるが、このシーンを見ていると、日本なんて世界の中のごく一部の狭い島国にしか過ぎない空間ということを痛感した。
そんな日本で何か起きる問題は、世界からちっぽけのようにも思えてしまう。結果として、普段日本で暮らす時に困ったことなんて、なんとかなるなと勝手に楽観的になってしまうので不思議だ(笑)。
 

◆「海外旅行」と「消化力」の意外な関係性

 
海外旅行の面白さはこの辺にして、本題に入ることにしよう。
ただし、この面白さを体験するには二つの壁があることを伝えたい。
 
一つ目の壁は、消化力の壁。「よくわからない」と思われる方も多いと思う。20、30代は体力的にどんなこともできるし、どんなものでも食べられる消化力を持っている。ところが40代になると、脂っこい食事をとると胃がもたれるようになってくる。
 
すると、どんな美味しい料理もこってり系は食べたくなくなる。誰が決めたかわからないが世界の三大料理と言えば、フランス料理、中華料理、トルコ料理となる。いずれにも、こってり系がかなりそろっている。
 
実は勤続30周年のお祝いで52歳の時、トルコのカッパドキヤで有名な煮込み料理を調子に乗ってたくさん口にした。すると次の日、妻共々悲惨なことに…(詳しくは語れないのでこのぐらいで)。
 

 
もし、20代30代であれば、「昨日のトルコ料理は美味しかったな」と言えるところを、「やっぱり、少しにしておけばよかったなと反省することになる。その地域の料理だけでも、若い頃にしか堪能できない世界があることを覚えていてほしい。消化力のあるうちに、美味しい世界の料理を召し上がってもらいたいのだ。
 

◆「新婚旅行」をただの旅行だと思うな


 二つ目の壁は、一生に一度だけ使えるチャンスがあること。そのチャンスとは「新婚旅行」。
誰からも祝福される新婚旅行は、仕事のことも気にせず、できる限り休暇をとって海外へ行ってほしい。
フリーランスで生活できる人は問題ないと思うが、普通のサラリーマンであれば、なかなか1週間以上の休暇を取るのが難しい。めったにないチャンスとなる。
 
しかも新婚旅行から帰ってくると、「あの祝福はなんだったのか?」というように、普段の日常に急激に戻る。それくらい、異世界に触れられるのだ。
 
私の場合は40年前になるが、妻がヨーロッパに行きたいということで、10日以上の休みが必要になり、1年前から長期休暇をお願いした。
海外旅行が現在よりもはるかに珍しかった当時、上司は目を丸くして驚いていたが、新婚旅行ということで大目に見てくれた。今思っても感謝だ。
 
これも一生に一度のチャンスだと思って、遠慮しないでお願いしてみたらどうだろうか。結婚すれば、仕事も家庭もあり、なかなか海外にはいけない事情もある。
  

◆海外旅行って、実はあらゆる条件がすべて満たされないと実行できないもの

 
先ほどは、「新婚旅行とは、めったにおとずれない絶好のタイミング(サラリーマンでも長期間羽を伸ばせるという意味で)」というお話をした。
 
タイミングということだと、もう一つ考えてもらいたいタイミングがある。子供の成長と親の介護だ。
よくよく考えると海外へは、夫婦の健康、子供の学校、親の状態などすべて良好でないと行けない。
 

 
よくあるのが「定年したらゆっくり行こう」という考え。間違っているとはでは言えないが、今の時代簡単ではなくなっている。
ゆっくりできるのは60代後半になってからではないだろうか。その年代だからこその楽しみ方もあるかもしれないが、先ほどお伝えしたように、消化力も体力も気力も充実した若いころのような楽しみ方は、60を過ぎると実行が難しくなる。
 
ゆえに、これは海外旅行に限った話ではないが、できるだけその時にしか楽しめない人生を楽しんでほしいと思っている。
 

◆「しなかった後悔」より「やって失敗した」のほうが、けた違いに価値がある

 
なので、50代になって子供の成長や親の状態を見極めて、1週間ぐらい思い切って旅行に行ってほしいなと勝手に考えている。60後半70代で楽しめない旅行が楽しめるはずだ。
新婚旅行の時ほど簡単に休めないのは重々承知だが、普段意識していれば、一度くらいはできるタイミングがおとずれるはず。潜在意識にあるだけでも、それに向かうように仕事や家庭での過ごし方が変わるから。
 
私も仕事の合間に運よく長期休暇が取れたので、イタリアに8日間行ってきた。父にイタリアに行ってくるねと伝えたら、ちょっと機嫌が悪いのか、これが最後だからなと言われた。

いつも優しい父だったが、どうしたのかと思いつつ旅に出かけ、帰国すると、父は膵臓癌(すいぞうがん)であることがわかった。
それから半年で帰らぬ人になってしまったのだが、これが最後だという父の言葉、そのとき言える最高の優しさだったのだと、今考えると感謝しかない。
ちょっと感傷に浸ってしまったが、とにかく行けるときに行ってほしいというのが私の願いだ。
 

 
今回、私の好みで海外旅行を取り上げたが、旅行に限らずやりたいことがあったらできる限り早くやってほしい。人生100年時代といっても、タイミングを逃すと実現不可能になってしまう。
 
何もやらなかったと後悔する人生ではなく、何を体験して失敗したり面白かったりと経験することがこれからの生き方に大事だと思う。
 
ただ、今回もお約束のあの一言で締めくくりたい。
あくまでも80億分の2の生き方なのでご注意を(笑)。
 
次回は夫婦の絆を深める海外旅行をお伝えする。お楽しみに!
  
※作家たちの電脳書斎デジタルデン 出版事業部https://digi-den.net/より転載
 
人の可能性を最大化させ、日本を再び世界のリーダーにする」という未来実現のために、全国の企業に対し「会社の未来を担う次世代リーダーを育成する」ための活動を行う。
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