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【PR】忘れていた童話から仕事を振り返る

こんにちは。
あっという間に日曜の夜です。
土日に仕事を進めようと思っても、子育てに追われて思うように時間が確保できず、日曜の夜が迫ってきて焦る、というパターンを繰り返している日々。

だったらnoteを書かずに仕事をしろよ」

と言われれば全くその通りなのですが、アウトプットしないと気持ち悪いところもあり…。これから頑張ります💦

さて、夜、子どもたちの寝かしつけをしていると、長男(年長)から「パパ、お話しして」とせがまれます。
こういう時、童話をすらすらと諳んじることができれば、それこそデキる子育てパパなのですが、出版社に勤務していようとも、そんなことはできません。
残念ながら、すぐに語れるのは「ももたろう」だけという惨状(苦笑)。
そして、「え~?またももたろう?」とクレームが入るのですが、他の話をしようとしてみても、「あれ?この先どうなるんだっけ?」と思って詰まってしまう。
文学部で児童文学を専攻したとかならまだしも、法学部政治学科でマスコミ論をやっていた(と言えるほど勉強していなかったのが恥ずかしい限りですが)身としては、絵本を読み返しながら、忘れていた童話を思い出す毎日です。

ああ、こんなに忘れていたのか…と自己嫌悪に陥ることも多いのですが、ちょっと待て、と。
忘れることは、必ずしも悪いことではないのではないか、という気もします。

日中、1歳の3男に一寸法師を読み聞かせていた時のことでした。

冒頭を読み上げながら、ハッと気づくことがあったのです。

・「一寸法師」「かぐや姫」「桃太郎」「かさじぞう」など、やたらと「昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました」から始まるストーリーが多い。
・おじいさんとおばあさんには子どもがいなくて、急に子どもがやってきた(できた)から大喜びをする(「かさじぞう」は違うけど)。

なるほど…と自分で唸ってしまいました。
多分、昔だったら「年を重ねて落ち着いたおじいさんとおばあさんに子どもは安心するのだろう」くらいにしか思わなかったはずなのですが、今回連想したのは旧約聖書の『創世記』。
アブラハムとサラの間には子どもができず、思いつめたサラは召使いのハガルにアブラハムの子どもを産ませたりしたのですが、神からのお告げがあり、90歳になったサラはイサクを産みます。

そうか、似ているなあ…と。

すいません、それだけです💦

でも、聖書や神話と童話の比較をすると、物語の「型」が見えてきます。
洋の東西を問わず似たような話はあるだろうと言ってしまえばそれまでですが、そうした比較をふいにできるのも、忘れていたことを思い出すことの強みなのかもしれないな、と思った次第です。
こびとが子どものいない家にやってくる、という意味では「一寸法師」はアンデルセン童話の「親指姫」とも似た設定かな、などと時代や東西を行き来しながら考えてみるのも楽しいもの(誰でもそんなことはわかっとる!というツッコミは無しで笑)。

そんなことをなぜ話題にしたかというと、以前担当した本で、井藤元先生の書かれた『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』という本があります。

シュタイナー教育について、マンガのストーリーを交えながら解説していく本なのですが、そもそもシュタイナー教育ではマンガやテレビは刺激が強すぎるのでご法度。その状況の中でシュタイナー教育をマンガで解説するという、超チャレンジングな企画でした。
というわけで、圧倒的な知名度を誇る教育哲学者の苫野一徳先生からも絶賛のお言葉を頂戴いたしました!

シュタイナー教育について、私などが一言で語れる程の力量はないので詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、
シュタイナー学校は授業の進め方がユニークで、ひとつの教科だけに集中して、連続して3~4週間学び続けるエポック授業という方式を採用しています。
こうすると、一度ある教科が終わると、次に回ってくるのはかなり先。そのため、「せっかく勉強したのに、忘れちゃうんじゃない?」という心配をされることが多いのですが、そうではなく、むしろ忘れることにポジティブな意味を付与しているのが特徴です。
どういうことか? あえて学んだ知識を一定期間寝かせて、醸成する。時間をおいて再びその知識と出会うことで、知識が血肉化していく、という考え方をとっているのです。
つまり、忘れるといっても、完全に消えてしまうのではない。心の奥底で眠っていたものが蘇る方が、味わいや理解に深み出てくるという考え方を採用していると言えるのではないでしょうか。

もちろん、効率がよいかというと、難しい問題があります。
短期間で成果を出すことが求められる、受験勉強や試験勉強などではそんな悠長なことは言っていられないのですが、時間軸をもう少し長く捉えてみて、人生の中での学びという観点から考えてみると、腹落ちする部分があるなあ、と思います。

ちなみに、効率を意識するのであれば、記憶の定着を図っていく必要があり、夜に勉強したことを翌朝復習して、その記憶が薄れてくるであろう一週間後くらいに再度復習をして強固にしていくような勉強法が昔から薦められていましたし、実際効果的だとも思います。
こちらの勉強法は、和田秀樹先生の『インプットの効率を上げる勉強術100の法則』に詳しくまとめられています(こちらも担当書籍です)。

こうした勉強法は、血肉化はむしろ後でもよくて、まずは関門を突破しないとスタート地点にも立てないという類のもの(業務独占の資格など)には非常に相性がよいと思いますし、日常の仕事を回すために必要なスキルの習得には、こうした勉強が非常に役立つのでしょう。

ただ、今の時代、必ずしも一問一答のように、すぐに答えを出すことだけが求められているかというと、そうでもないのかもしれません。
瞬発力も大事ですが、深い思考や、ロジックを越えた思考も求められている時代でもありますので、色々な学びの可能性を探っていきたいですね。

ちなみに、シュタイナー教育では、お話は「素話(すばなし)」。テキストを読むのではなく、教師が暗唱します!
全ての絵本を暗唱するのは難しいですが、これぞというものを選んで、お話の世界にどっぷりつかる体験をさせてあげるのもいいかもしれませんね。
(結局桃太郎になりそう…💦)


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