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【詩】落胆・9 of Swords

峻厳な道であったソードは
その頂点を迎える9という数で
深い落胆を味わうこととなる

背景の黒は
閉塞的な状況を表す
限界であり
行き詰まりなのだ
暗い画面の中で
寝具から身を起こす女性は
顔を両手で覆っている

壁にかけられた9本の剣は
思考や言葉の鋭さを
象徴しているのだろう
深い失意の中で
主人公は懊悩している

寝具には彫刻がほどこされ
掛け布団の模様には
5弁の花が描かれている
思い出してみよう
死神のカードの旗にあった
5弁のローザミスティカを
それは死と再生の薔薇

どこにも救いがないような
この閉塞的な状況で
ローザミスティカは仄めかす
この苦悩を乗り越えた先に
主人公の再生があるのだということを

ほかのものはまるで目に入らない
苦しみのどん底で
ループするネガティブの連鎖を
断ち切ることができるのは
自分自身しかいないのだ
いま自分自身を苛んでいるその剣で
悪循環を断ち切る時がくるだろう

剣は人を傷つけ苛むものでもあるが
正しく用いれば
私たちの助けとなる道具だ
世界をより良いものにしたいという
純粋な意志が
私たちを導いている

ソードの9の人物は
真っ白な服を身にまとっている
白は純粋さを表す色であり
この人物が心根の純粋さを持っていることを
示しているだろう
時間はかかるかもしれないが
私は彼の心の内に宿る
清らかな光を信じたい


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