愛の道で満たされた主人公は
真の幸福の意味に気がついた
ひとつ前のカップの9で
願望が叶い
充足感を感じていたのだが
9と10の違いは
どこにあるだろうか

その回答は
人との関わり合いが関与する
ということ

9のカードは
良くも悪くも
自己充足的な状態だった
中心に座した男性は
愛で満たされたカップに囲まれ
満足げな表情をしていたが
他者は介在しなかった

カップの10はさらなる達成と
次への展望に満ち溢れている
そこには伴侶と子どもたちがいて
空にはカップを浮かべた
虹がかかっている
真の幸福とは
愛を分かち合うことであると
告げているだろう

新しい心理学の分野でも
幸福感には他者との関わりが
大きく関与していることを
示すデータが出ていた
幸福感というのは
水面の波紋が広がるように
周囲に波及していくのだ

私たちは意識していようと
そうでなかろうと
他者との関係性の海に
含まれている存在と言える
愛情や幸福感は
分け与えることで
目減りすることはなく
むしろさらなる充足感を生む

カップの10に表れている家族像は
男性性と女性性が調和し
さらなる創造性を生んでいくことが
象徴されているだろう
青空にかかった虹は
天界との架け橋を思わせ
愛の道の達成の先にある
高次の精神世界を暗示する