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子羊が鳴く頃には

今日から3月だとか、今年ももう6分の1が過ぎたとか、年度末だとか、そんなことは言わないでください。言われなくてもわかってます。

いまがどれだけの月日が過ぎ去った後かなんて、自分で感じるだけで十分です。それに、時が過ぎるスピードを年々早く感じるようになっているので、もし今日が7月だったとしても、クリスマスだったとしても、驚かなくなっています。

ただ、3月はどうしてもバタバタします。それは年度末のせいでもあり、別れの多い季節でもあるからでしょう。私としては、今年は息子の卒業が控えているので、さらにバタバタです。それでも、卒業式に着るスーツのチェックは済んでいるので大丈夫です。何のチェックかって? スカートのファスナーがちゃんと閉まるかどうかに決まってんだろ言わせんな。

「3月はライオンのようにやって来て、子羊のように去っていく(March comes in like a lion and goes out like a lamb)」という言葉もあります。そう、漫画『三月のライオン』のタイトルの元ネタです。これは3月の気候のことを言っていて、月初めはライオンのように荒々しく、月末には子羊のように穏やかになるということらしいです。ライオンが子羊に変わるのは、おそらく春分の日あたりでしょう。「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますから。

人の心も、3月の下旬を過ぎるぐらいまではライオン的な荒々しさを抱えています。正確に言うと、なんだか落ち着かない感じ。入試の合格発表や卒業式、4月からの新生活の準備に確定申告の締め切り、企業の本決算などなど。それらが怒涛のように押し寄せ、流れ流れて、ホッと一息のつける3月の終わりを迎えます。そのとき、日本の半分ほどの地域では、桜の季節がやって来ているはずです。子羊がメェ~と鳴いているはずです。

そんな子羊の鳴き声が聞こえ始める頃には、息子も卒業式を迎えます。息子の通う中学校は合唱に力を入れているので、卒業式でも生徒たちが素晴らしい歌声を聴かせてくれます。だけど、3時間ほどの間に9曲も歌わせるなんて、校長が卒業式をミュージカルと勘違いしている可能性があります。ならばぜひ、映画『グレイテスト・ショーマン』の『This is me』を歌ってほしい。あれ、いい曲ですよね。

生徒たちが先生に向かって「これが私」と歌うことを考えるとワクワクが止まりませんが、これは私の妄想に過ぎません。だけど、すべての卒業生が「これが私」と思える進路を力強く歩めることを祈ってます。

そう、本日3月1日は、都立高校の合格発表の日です。受験生の心に、一足早い桜が咲きますように。

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