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心理系大学生始めました

9月から東京福祉大学の通信課程に在籍します。テキスト類が届き、学習を始めました。15年ぶりの大学生です。

わざわざ大学に在籍せずとも学びたいことは学べる時代に、大学及び大学院での学びには関心は低かった私。自分の関心の低い授業も受けなければならないこと、時間や費用のことも考えると、向こう20年は在籍することはないかなと思っていました。

ところが、かねてから懸案事項だった心理職の資格について、いいかげん取得したほうが良いと判断し、大学に在籍する運びとなりました。

教育の専門職として長年働いてきましたが、教師という仕事は今や、心理職としての側面も必須のものとなっています。

一応、学校における心理カウンセラーの設置によって、ある程度の分業はされるようになりました。しかし、それでも教員側における心理職としての側面はなくなるどころか、心理カウンセラーとの連携のためにも、一層必要になってきています。

太古の昔は授業技術を重視していた教員が、部活動も含めた生徒指導も重視されるようになり、チーム学校として心理カウンセラーや部活動指導員等の存在によって分業することでその負担を分担するはずが、その流れの一方で、年々増加する教員の役割はとどまることを知らず。

あまりにも一人ひとりの教員の総合力に頼り過ぎている現在の教員に求められるものは果てしなく増えています。

その中で特に必要になってきているのが、心理職としての専門性です。

日々の学校生活を運営する上で、生徒への心理的アプローチはより繊細さと的確さが求められるようになったと思います。発達障害や精神疾患はもちろんのこと、児童生徒の発達についてはなるべく専門的な理解を背景とした、コンプライアンスに留意した対応が必要になっています。

その中で日々、専門書やメディアの特集によって学びながら、現場に活かしてきました。多様なケースに触れてこられたおかげで、ある程度の知識と対応力はあると思います。

しかしながら、あくまで専門職を目指して体系的に学んだわけではなく、資格があるわけでもありません。

同時に、まだまだ過渡期にある日本の心理職の専門性のあり方について理解することは、教育活動の上でも必要なことのように思っていました。

特に現在は、心理的な困難を抱える生徒を対象とした教育活動を中心に行っていますので、自分の知識や経験の不足は、日々実感していることでした。

そしてまた、心理職としての資格があれば、違ったアプローチもできるのではないかとも思っていました。あくまで教員という資格だけでは越権行為のように思える支援が必要なとき、その支援ができないことがもどかしくもありました。

看護師として働きながら、医師でないとできない支援ができないことがもどかしくなるのと似ているかもしれません。

ともかくも私は、心理職としての専門性を身に着けることが、職務上必要だという考えに至ったわけです。

現在大学教育と結びついた心理の資格として代表的なものが、認定心理士、臨床心理士、公認心理士です。

認定心理士は、心理学部などの心理学を専門とした大学の課程を修了したことを証明する資格です。それじたいは特に社会的な有益性はありませんが、さしあたり心理学を修めたことの目安にはなります。

一方、臨床心理士は、心理学の大学院課程を修了するとともに、所定のカリキュラムを修了したことを証明する資格です。今現在心理職の資格としては最も社会的に有益なものであり、心理専門職として働く上での主な要件になっています。

学部課程はどうであれ、制度的には心理学の大学院課程に入学することは可能ですので、臨床心理士に対応した大学院を卒業して、学会の試験を合格できれば、取得できます。ただ、現実的にはある程度の心理学の学部レベルの知識と経験が必要になりますので、基本的には心理系の大学を卒業していることが多いと思います。

そして、最近国家資格として登場したのが公認心理士です。取得のためには、学部と大学院の両方において、認定されたカリキュラムを修了する必要があります。大学院から学部に行くことや、単位のみを追加で取得することも許されていないので、必ず学部において指定の授業を取得した上で卒業し、それから大学院で指定の授業を取得した上で卒業する必要があります。

制度としてはかなり融通が利かないこともあり、取得が難しい資格になっています。過去に心理学部を卒業していても、認定された授業を一つでも受けていなければ、大学入学からやり直す必要があります。ですから、認定心理士や臨床心理士を持っていても、公認心理士を取得するには、大学入学から始めなくてはならない場合も大いにありえるのです。

ところが、その開始段階において移行措置として設けられた仕組みによって、その社会的価値は一気に下がることになりました。

移行措置として、数年の間、資格の有無は問わず「カウンセリング」の活動を行なっている人は、公認心理士の国家試験を受けることができたのです。その中には、「カウンセリング」の名のもとに様々な実態を持った人がいました。さらには、福祉職や学校教員までもが、その対象として認められていたのです。このタイミングで公認心理士を取得した教員もけっこういたと思います。

そのことによって、結果的にはかなり多様な人が公認心理士の資格を取得し、その名のもとに活動することができている実態があります。そのため、公認心理士だけを掲げて心理の専門家として活動するには心もとないので、臨床心理士の場合は、資格名を併記する場合がほとんどです。

ただし、今後公認心理士の資格が、国家資格として何らかの社会的有益性を法令で認められる可能性はあります。例えば、公認心理士の資格と健康保険が関連したり、独占業務が与えられたりする可能性がないわけではありません。そのため、社会的有益性が低い現段階ですが、心理職の方で取得されている方も多いのだと思います。

以上のような背景もあり、私は認定心理士、臨床心理士、公認心理士の取得を見据えた、心理学の学びを始めたのです。

現段階では、心理専門職として将来的に働きたいとは考えていません。心理専門職は身体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。その割には経済的には安定しにくい職業でもあります。働き方についても、収入についても、今後改善する可能性はあります。しかし、基本的にはわざわざそれを主軸に置くことは、今のところ考えていません。

ただ、今学んでおくことが、私の今後の活動や生き方にプラスになっていくとは思っています。直接間接に活用できると考えています。

その第一歩として、まずは学部段階での学びを修了すべく、東京福祉大学心理学部心理学科の通信制課程で学び始めたわけです。

現在の私のライフスタイルだと、スクーリングは1か月に1授業で始めることになりそうです。レポート課題とそれに紐づいた試験は1か月に上限が4授業と決まっているので、4授業ずつ取得していければと考えています。

修了までには、医療機関における実習も必要です。その機会は限られているので、必要な単位は早期に履修して、なるべく滞りなく実習に迎えたらと思っています。

レポート自体は映像授業などを視聴するタイプではなく、専門書を読み込んで対応できるものになっていました。通信制の場合は、形式にこだわるあまり、質の低い映像授業の視聴が義務づけられており、それをもとにしたあまり有益とは思えないレポートを求められる大学もあるようです。しかし、この大学は市販の専門書を読み込むという合理的な活動が主体でしたので、安心しました。

資格はもちろんですが、しっかりとした専門性を身に着けたい私としては、この点がとても重要なところでした。もし、中身の薄い映像を見ながら、あたりさわりのない要約レポートを求められるようであれば、ストレスだなぁと思っていたので、本当に良かったです。

かといって、専門書もそれほど難解なものではなく、レポートに落とし込むのにもそれほど苦労はなさそうなのも良かったです。現実的には、1か月に4本のレポートを用意するのは、社会人にとってそんなに簡単なことではありません。そのことも考え合わせると、ちょうどいいレベルの課題だと感じています。

とはいえ、仕事もそれなりにはあります。体調もいつも安定しているわけではありません。日程には余裕があるので、何も毎月4本書かなければ卒業できないわけではありません。3年次編入で入学しているので、基本的には2年かけて卒業を目指します。

どうやら学割が使えることも多いようですので、せっかくなので、学生としての特権を利用していきたいと思います。そして、学生としてのメンタリティに立ち返って、改めて自分を再構成する時間にしていきたいと思っています。


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