「若草物語」 著者:ルイザ・メイ・オルコット

  子どもの頃は母に「あなたは癇癪持ちね」と言われていました。
 今の私だけを知る人にその話をすると驚かれます。癇癪持ちとは思えないそうです。
 癇癪持ちの私がそれを抑えることを学んだのが「若草物語」です。
 
 高校生の頃に「若草物語」を読みました。
 学ばせてくれたのは、次女のジョーと四女のエイミーによる有名なエピソードです。
 ジョーが自分の癇癪が原因でエイミーを追い詰めてしまい母親にすがる場面で、母親が「若いころは癇癪持ちだった」という話をします。穏やかで優しい母親が癇癪持ちだったとは信じられないジョー。母親はどのようにして癇癪を抑えることができ、変わることができたのかを話して聞かせてくれます。
 このくだりを読み、私も変わりたいと思いました。「カッ」と怒りがこみあげてきたときは、四姉妹の母親を思い出すようにしました。
 あれから…随分と月日が流れ振り返ってみると、まったく癇癪を起さなかったかというとそんなことなく、二、三回は癇癪を起してしまったなぁと反省しています。
 
 大人になり、母から癇癪を起さなくなったことを不思議がられ、今の話をしました。
「四姉妹の母親から学んだのね」と嬉しそうにしていました。

「若草物語」は母が読むように勧めてくれた作品です。だから、嬉しそうにしていたのかな。
 家族が読書好きだから、私に本を勧めてくれます。
 思春期のころは気づくことができなかったけれど、素敵な家族に恵まれたと思っています。

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