三島義則(IBDP日本語Aチューター、小・中学生の継承語学習、日本の高校・大学受験オンライン)

2019年オランダで日本語教室Edubleを開設、その他オンライン家庭教師(日本在住の…

三島義則(IBDP日本語Aチューター、小・中学生の継承語学習、日本の高校・大学受験オンライン)

2019年オランダで日本語教室Edubleを開設、その他オンライン家庭教師(日本在住の生徒向け)、IB日本語サポートもしております。大阪の公立高等学校で8年間社会科の教諭をしていました。幅広い年齢の子どもたちの学習サポートをしながら、オランダで学んだことを記録しています。

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記事一覧

固定された記事

2023年までの日本語教室・オンライン家庭教師のクチコミのご紹介【350】

 2020年に大阪の公立高校を退職してから、オランダのデン・ハーグで日本語教室を開設し、その後オンライン家庭教師の仕事も始めました。  私個人的な話として、日本の学…

IGCSE History「歴史」のシラバスを読む①科目の説明と評価目標【401】

 大学入試や校内の規定でガチガチに固められた中で、クリエイティブな授業をしようと思っても、自由な発想で授業を展開することはかなり難しかった記憶があります。日本国…

現地で育った移民から見たオランダの「進路選択」【400】

 先日、日本語がかなり流暢でオランダの教育を受けて育ったトルコ系のお友達が自宅に遊びに来てくれました。一緒にたこ焼きを作ったり、マリオカートで遊んだりしながらい…

オランダ市民化テスト'Schrijven(ライティング)'学習記録【399】

 私にとって3回目のオランダ市民化テスト、ライティングの試験を3月に受けてきました。これまで、'Lezen(読み)''Luisteren(聞く)'と'KNM(オランダ社会の知識)'を受けて…

IBDP日本語Aオンラインサポートのご案内(動画の紹介)【398】

 先月末にIBDP日本語Aに関するお問い合わせを数件いただきましたので、授業でどのようなサポートをしているのかについて動画を作成しました。  主にSSSTのチューターと最…

保護者懇談でのQ&A〜Eduble教室だより【397】

 3月の最終週に、夕方の教室でのレッスンをお休みにして保護者の方とお話しする懇談週間を設定しました。日本国外で生活をする場合、日本語を継続的に学ぶというのは非常…

子どもの話をよく聞いて、よく観察しよう【396】

 先週は妻が一週間仕事で家を離れていたので、私のレッスンの業務も一部お休みにしました。夕方の通常授業は休みにさせていただき、娘が学校に行っている間のみ、オンライ…

高校生「小論文」講座(教育学系):「問と答の距離(大田尭『学力とは何か』)」より【395】

 私は現在、オンライン家庭教師として学習サポートをしています。高校受験と大学受験の小論文やその他「国語・数学・社会」などのレッスンもさせていただいています。今回…

「漢字」ができなくて泣いてしまった子〜継承語の視点から〜

 今日はオンラインでスポット受講をしてくれている小学生の漢字学習の時に、あまりにも読めない漢字がたくさん出てきて泣いてしまった子について私が考えたことを記事に書…

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-3需要【393】

 ここまでIGCSEのカリキュラムで学ぶ中学生が学ぶ「経済」についてまとめてきました。日本のカリキュラムとの違いは、テストの時に説明が求められるということと、なるべ…

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-2資源配分における市場の役割【392】

 これまでIGCSEのカリキュラムで学ぶ経済の内容についてまとめてきました。自分の学習記録とともに、日本の公民や政治経済の科目の教え方の参考になればと思っています。 …

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-1ミクロ経済学とマクロ経済学【391】

 IGCSEのカリキュラムについて学んでいます。現在私が日本語のサポートをしている中学生が学ぶ「経済」に興味があって、記事にまとめています。前回までの第1章は「基本…

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」1-4生産可能性曲線図【390】

 IGCSEのカリキュラムで学ぶ中学生の社会科の内容の続きです。今回は、「生産可能性曲線図(PPC)」についての学び方をご紹介したいと思います。用語だけでは理解が難しいの…

オランダ現地校Groep5(小3)のプレゼンテーション【389】

 先日、娘が学校の課題でプレゼン発表がありました。私の娘が通う学校のこの学年では年間に3回プレゼンテーションが行われます。1回目は以前記事に書いた「箱を装飾して…

公立高校教員から、日本語教室の子どもたち(複数校種・カリキュラム)のサポートをして学んだこと【388】

 公立高校の教員を退職して4年が経過しました。公務員を辞めてオランダで0から事業をスタートし、全く異なる働き方や仕事の取り組み方でここまで続けてきました。オラン…

オランダ現地校に通う小学3年生の通知表【387】

 今日はオランダの現地校に通う娘が、どのような通知表をもらってくるのかについてまとめておきます。個人の成績というのは、非常にプライベートなものであるので、他人と…

固定された記事

2023年までの日本語教室・オンライン家庭教師のクチコミのご紹介【350】

 2020年に大阪の公立高校を退職してから、オランダのデン・ハーグで日本語教室を開設し、その後オンライン家庭教師の仕事も始めました。  私個人的な話として、日本の学校教育から一度離れ、オランダの学校教育や社会制度について現地での生活を通して学びながら、最終的にオランダでの経験を日本の公教育に貢献できるようにしたいと思っています。  現在のところ、教室での対面レッスンとオンラインでの学習サポートを継続しております。約3年に及ぶサポートの中で、いろんな方から学習サポートの感想を

IGCSE History「歴史」のシラバスを読む①科目の説明と評価目標【401】

 大学入試や校内の規定でガチガチに固められた中で、クリエイティブな授業をしようと思っても、自由な発想で授業を展開することはかなり難しかった記憶があります。日本国外で社会科がどのように教えられているのかを調べると、「社会の勉強はこういうふうに考えたら良いんだ!」や「そもそも評価規準が変わらないと授業や定期考査を変えるのは難しいかもしれないけれど、今の状況でできることは何かな?」という次のステップに進めると感じられるようになりました。そこで、現在私がインターに通う生徒たちの学習サ

現地で育った移民から見たオランダの「進路選択」【400】

 先日、日本語がかなり流暢でオランダの教育を受けて育ったトルコ系のお友達が自宅に遊びに来てくれました。一緒にたこ焼きを作ったり、マリオカートで遊んだりしながらいろんな話をしてあっという間でした。その中で彼が考える「オランダでの進路選択」について興味深い話が聞けたので、ここに記録しておきたいと思います。 学校は「友達とのコミュニケーション」を学ぶ場所 妻はオランダ現地の学校で週に1度、英語を教えに行っています。元々高校教諭でもあった彼女が、異国でしかも小学生に英語を教えるとい

オランダ市民化テスト'Schrijven(ライティング)'学習記録【399】

 私にとって3回目のオランダ市民化テスト、ライティングの試験を3月に受けてきました。これまで、'Lezen(読み)''Luisteren(聞く)'と'KNM(オランダ社会の知識)'を受けて何とか一回で合格でき、そして今回'Schrijven(書く)'はかなり不安でしたが、先ほど確認してみると無事に合格できたようです。私はスクールに通わず独学でしたが何とか基準を超えることができました。  今回はこの'Schrijven(書く)'に関して学習記録をしておきたいと思います。 試験

IBDP日本語Aオンラインサポートのご案内(動画の紹介)【398】

 先月末にIBDP日本語Aに関するお問い合わせを数件いただきましたので、授業でどのようなサポートをしているのかについて動画を作成しました。  主にSSSTのチューターと最終試験対策のスポット受講の両方があります。  私は元々日本の公立高校社会科の教諭でしたが、授業の中で論述系のレポートやディスカッションをする際に、生徒たちの言語の扱い方をもっと向上させる必要があると強く感じていました。  母語であっても言語習得という段階で、いろんな考え方に触れ、自分の考えを誤解なく伝える

保護者懇談でのQ&A〜Eduble教室だより【397】

 3月の最終週に、夕方の教室でのレッスンをお休みにして保護者の方とお話しする懇談週間を設定しました。日本国外で生活をする場合、日本語を継続的に学ぶというのは非常に難しいことです。1週間に一度の教室での90分の学習よりも、圧倒的に時間が長くなる家庭での日本語環境をどのように考えるのかが重要です。  そこで私も言語の専門ではないものの、この4年間で私自身が文献などで学んだことと、実際にいろんな環境にいる子どもたちの継承語の学習を見てきた経験が少しでも役に立てばと思い、個別でお話し

子どもの話をよく聞いて、よく観察しよう【396】

 先週は妻が一週間仕事で家を離れていたので、私のレッスンの業務も一部お休みにしました。夕方の通常授業は休みにさせていただき、娘が学校に行っている間のみ、オンラインレッスンと保護者懇談をしていました。  学校の送り迎えと週末を娘と過ごしていた時に感じた「子どもの話はちゃんと聞かないといけない、子どもを観察するといろんな子育てのヒントがある」というエピソードを記録しておきます。 ハムスターの動画 3月にハムスターを飼い始め、娘は初めてのペットに大喜びしていました。毎日、手に乗

高校生「小論文」講座(教育学系):「問と答の距離(大田尭『学力とは何か』)」より【395】

 私は現在、オンライン家庭教師として学習サポートをしています。高校受験と大学受験の小論文やその他「国語・数学・社会」などのレッスンもさせていただいています。今回は、最もキャリアの長い「小論文講座」で行ったレッスンについて紹介をさせていただきます。オンラインレッスンの場合、基本的には1対1でのサポートになります。 「読む」スキルと「考える」材料をしっかり準備してから 私のこれまでの指導歴や受講してくれた生徒たちからの口コミなどは以下に紹介しています。  私が小論文指導で大切

「漢字」ができなくて泣いてしまった子〜継承語の視点から〜

 今日はオンラインでスポット受講をしてくれている小学生の漢字学習の時に、あまりにも読めない漢字がたくさん出てきて泣いてしまった子について私が考えたことを記事に書きたいと思います。  日本語の外で生活していて、日本語を学ぶということは本当に大変なことではあるのには違いありません。  しかし、子どもが納得できていない状態で心が傷つくようになるまで無理やり進める必要があるのか、仮に日本語を学んでほしいのであればどういう考えを持つべきなのかについて、私が考えたことをまとめておきたいと

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-3需要【393】

 ここまでIGCSEのカリキュラムで学ぶ中学生が学ぶ「経済」についてまとめてきました。日本のカリキュラムとの違いは、テストの時に説明が求められるということと、なるべく現実的な事例を使って学ぶところだと感じます。今回は、「需要」というテーマで需要曲線やそのシフトなどについてどのように学んでいるのかをまとめていきます。  'Apple'は、家電・コンピュータソフトウェア・オンラインサービスを設計・開発・販売するアメリカの多国籍テクノロジー企業です。アマゾン、グーグル、フェイスブ

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-2資源配分における市場の役割【392】

 これまでIGCSEのカリキュラムで学ぶ経済の内容についてまとめてきました。自分の学習記録とともに、日本の公民や政治経済の科目の教え方の参考になればと思っています。  市場などに出かけると、たくさんの売り手と買い手がいます。同じ種類のものを販売する業者が他の業者よりも高い値段で販売した場合、どのようなことが起こるのでしょうか。また、買い手は何を買うのかをどうやって決めるのでしょうか。またそれに影響する要因などを考えていきます。  売り手は、誰のために何をどう生産するかを考

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」2-1ミクロ経済学とマクロ経済学【391】

 IGCSEのカリキュラムについて学んでいます。現在私が日本語のサポートをしている中学生が学ぶ「経済」に興味があって、記事にまとめています。前回までの第1章は「基本的な経済問題」について触れてきましたが、ここからは第2章「資源配分」に入っていきます。経済学の捉え方や市場の仕組み、価格、経済システムなどについて見ていきます。 手元にある商品はどこから来たものなのか スーパーで売られているチョコレートバーは一体どこから来たものなのかを考えたことはあるでしょうか。最近では、本当に

Cambridge IGCSE「経済(Economics)」1-4生産可能性曲線図【390】

 IGCSEのカリキュラムで学ぶ中学生の社会科の内容の続きです。今回は、「生産可能性曲線図(PPC)」についての学び方をご紹介したいと思います。用語だけでは理解が難しいのですが、この単元を中学生はどのように学ぶのかを記録していきます。 万里の長城の「機会費用」 中国のことわざに「耕して草取りをしなければ収穫はない」があります。他にも、貧しきリチャードの暦には、「痛みなくして利益なし」、ラルフ・ウォルド・エマーソンの「失ったものはすべて、その代わりに何かを得ることができ、得た

オランダ現地校Groep5(小3)のプレゼンテーション【389】

 先日、娘が学校の課題でプレゼン発表がありました。私の娘が通う学校のこの学年では年間に3回プレゼンテーションが行われます。1回目は以前記事に書いた「箱を装飾して、本を紹介しよう」です。今回2回目のプレゼンは、「ストーリー」という自分の好きなものをテーマとしてみんなにプレゼンをするという課題でした。今回のプレゼンに関することを記事に記録しておきたいと思います。前回のプレゼンに関してまとめた記事は以下にあります。 プレゼン課題の内容 今回、どんなものを選択しても良いらしく、自分

公立高校教員から、日本語教室の子どもたち(複数校種・カリキュラム)のサポートをして学んだこと【388】

 公立高校の教員を退職して4年が経過しました。公務員を辞めてオランダで0から事業をスタートし、全く異なる働き方や仕事の取り組み方でここまで続けてきました。オランダでの生活は、毎日が学びの連続で、仕事においても常に試行錯誤や新しいチャレンジが求めれます。  特に、これまではある程度学力が揃っている学校で、さらに年齢も似ていることから、「この年齢だったらこれぐらいのことはできる」「この年齢で学ぶレベルはこの程度だ」といったような固定観念を持っていることに気づくことができませんでし

オランダ現地校に通う小学3年生の通知表【387】

 今日はオランダの現地校に通う娘が、どのような通知表をもらってくるのかについてまとめておきます。個人の成績というのは、非常にプライベートなものであるので、他人と比べて自慢したり卑下するようなものではありません。成績において大切にされているのは、自身の成長を確認することで、次のステップである中学校への進学に向けての判断材料として使われます。 小学校卒業で進路が分かれるオランダ オランダでは小学校から中学校に進学する段階で、進路が大きく分かれます。最近は、中学進学後にも進路変更