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映画「首」※レビューではありません

僕は、映画が大好きです。

大学時代までの夢は、いや、大人になってからの夢も、「いつか映画を撮ること」でした。

「念ずれば花開く」という言葉の通り、映画を撮る夢を忘れず、忙しいコピーライタ業の傍らで、コツコツと映画の勉強を重ねてきたのを神様が見ていてくれたのでしょうか、年齢が35を超えてから、映画製作に携わることができました(脚本を担当しました)。

その、携わった映画作品は、海外でたくさん賞をいただきました。
そこから話がつながって、今度は、僕が監督をする映画作品もつくることができました。

いわゆる「メジャーデビュー」とまではいっていませんが、映画をつくるという夢が叶ったことは、僕の人生で大きな出来事です。
夢を捨てずに、本当に良かったなと思っています。

そんな僕が、映画づくりを夢見るようになったきっかけとなった作品が、北野武監督作品「キッズ・リターン」です。

この映画の美しさ、儚さ、夢、希望…それらに、僕は大きな感動を覚えました。
あれから二十年以上が経った今でも、度々「キッズ・リターン」を見返しています。
何度見返したか、数えきれないくらいです。

僕にとってのナンバーワン映画は、間違いなく「キッズ・リターン」です。

大学生の時に「キッズ・リターン」を観ましたが、高校時代には同じ北野武監督作品の「ソナチネ」も観ています。
「ソナチネ」には、大きな衝撃を受けました。
それまでの僕は、話題の邦画やハリウッド作品ばかりを観ていましたが、「ソナチネ」に「これこそが本当の映画だ」と思ったものです。

「ソナチネ」「キッズ・リターン」と観て以来、僕はすっかり北野武監督作品の大ファンになりました。
大学時代には、過去の北野作品を観まくりました。
以降は、新作が公開される度に劇場へ足を運びました。

そして、北野監督の最新作「首」です。

失礼ながら、北野監督の年齢的にも、もしかしたらこれが最後の作品になるかも…という気持ちもあって、年末進行でだいぶ仕事は忙しいのですが、無理やりに時間をつくって観てきました。

細かいことは、ここでは言いません。
タイトル通り、レビューでもありません。

言えることは、「首」は、北野監督の集大成であろう、ということです。

これまでの北野作品のエッセンスが、ギュッと凝縮されています。
北野作品初見の方にとっては「?」な部分があるかもしれませんが、それでも十分に楽しめるエンタメ性も高い映画です。

宮崎駿監督にも言えることですが、何より驚くのは、その創作意欲です。

僕は現在46歳ですが、いろいろと衰えていく中、創作意欲も低下しているのを実感しています、恥ずかしながら。
今年書こうと思っていた小説も、結局は完成に至りませんでした。忙しいのは言い訳です。単純に、創作意欲が落ちているだけと自己分析しています。

北野武監督は、70代後半になっても、「構想30年」と言われている「首」をつくりきりました。
この事実だけでも、すごいことです。

「北野映画最後の作品かも」と前述しましたが、実際にどうなるかは、もちろんわかりません。
ただ、黒澤明監督も認めた巨匠・北野武監督の映画を、リアルタイムで味わえる幸せを、みすみす逃す手はないと思います。

「世界のキタノ」の凄みを、「首」が確実に感じさせてくれます。



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