見出し画像

<民主主義という幽霊4>

以上、大勢大転向の四転目、「公」の代に移っていく流れを欧州を舞台に掻い摘んで見てきました。
欧州においては、フランス革命やロシア革命が代表的な出来事として認知されており、我が国日本においては明治維新がそれにあたります。
明治の開国により、海外から様々な思想や主義が侵入してくることは、織田信長時代、イエズス会覇道一神教の侵入により既に経験済みでしたので、開国したままでいかに思想的害悪を排除するかということを國體は考え、行動した代表的な事例が『
國體志士大杉栄と大東社員甘粕正彦の追発生』に著されているのです。

今になれば、この時の大杉たちの活動の必要性がわかると思います。
かつてのソビエト連邦のような国が良かったと言えるだろうか。改革開放前の中華人民共和国のような国が良かったのか。
日本の国民性を考えると、そのような国にはなり得なかったと、言えるとは思いますが、大杉たちの活動がなければ、一定数は必ず共産主義やその他の反國體勢力に訳も分からず加担することになっていたでしょう。
現に今、日本を含めた西側諸国では、メディアから流される有害電波により、性別や人権が本来の意味を失いつつあり、歪曲した歴史観が跋扈しています。

ここで、少し長いですが、苦難のソ連時代を経験したロシアのプーチン大統領の演説内容を以下に抜粋します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ロシアは既にそれを経験しています。1917年の革命以降、ボリシェビキはマルクスとエンゲルの教義に基づき、当時の政治経済だけではなく、人の道徳と健全な思想まで変えることを言いました。伝統的価値観、宗教、人と人の関係が破壊され、家族を拒絶し、親しい人まで密告した。それらの全ては進歩だと言われました。当時、これらの思想は今のように流行っていました。しかし、ボリシェビキは他の意見を絶対に容認しませんでした。この歴史の話は、我々が今見ている事を思い出させると思います。欧米の一部の国で起きてる事を見て驚いていますが、幸いな事に我々はそこから遠く離れています。学校や大学が過去の偉大な人の作品を教えなくなった時、平等と反差別の闘争のほとんどが過激な教義に代わりました。なぜなら、過去の偉人はもう古いと思われているからです。古典文学は、性別と人種の重要性を何も知らないため、もう廃れたものと見られています。ハリウッドでは肌の色合いの割合が予め決められています。これは、ソビエト中央宣伝部よりも悪いです。反人種差別は気高いミッションですが、しかし、新しい規範はそれを「逆差別」にした。つまり、「逆人種差別」に変えました。本当の公民権のために戦っている勇者は、差別を無くし、肌の色で人を分けることを無くそうとした時、人種に対する必要以上の強調は人々をさらに分断しています。ついでに言うと、ロシア人の大多数の人は、肌の色や性別が重要だと考えていません。私たち一人一人は人間です。これはもっと重要なポイントです。欧米の一部の国では、男女の権利に関する議論は完璧な幻想になっています。ボリシェビキが導きたい方向に気をつけてください。生物学上、男性と女性が存在する事を主張する人は廃絶される。その理由は、自分の性別がどちかわからない人が「不安がる」と言って。
父母ではなく、親1号、親2号、出産した親、母乳ではなく人乳に変えている。これは新しいことではなく、ソビエトではいくつもの新しい単語を発明して、新しい意識を生み出して、価値観を変えていると考えていました。そして私が言ってるように、彼らは全てを台無しにしました。今その時のことを思っても恐ろしくてゾッとします。今は本当に怖いことが起きてます。子供は幼い時から、男は女に変われる。女も男に変われると教わっている。つまり、先生たちは「全員が性別を選ぶことができる」と無理矢理教え込んでいます。また、彼らがこのような事をすると同時に親たちをそのプロセスから排除して、子供たちに、一生後悔する可能性がある選択をしてもらおうとしています。彼らは子供を心理カウンセラーに相談すらさせません。幼い子供にはそのような重要な選択をする能力があるでしょうか。正直に言うと、それは人道に対する罪で、しかも、「進歩」の名の下で行われています。
~~中略~~
私の答えは、温和的な保守主義は最も合理的な路線です。同じく、我々ロシア人にとって、これは単純な仮説ではなく、「我々が悲惨な歴史から学んだ貴重な教訓です。しっかりと検討されていない社会実験のコストは、とてつもなく高いです。」このような事は、人間が生きていく上での、物質的基盤を破壊するだけでなく、人間の存在を支える、精神的基盤をも破壊してしまう。長い期間、それに置き換えられるものは構築されません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

民主主義の正体が上記のようなものなのだとしたら、そろそろ西側諸国は目を覚まさないといけないと思います。
国際共産主義たるマルクス・レーニン主義を用いてソ連を確立したレーニンが結局、一国共産主義のスターリンによって粛清されたのは、以上のような要素がマルキシズムには内包されていたからでした。

ここで、少し違った視点から、見ていこうと思います。
現在西側諸国で猖獗を極めている民主主義の害悪が、理不尽なまでに増長している原因を、周期性という観点から日本の歴史上の出来事に当てはめて見てみると、以下のようになります。

・1869年 明治維新
・1941年 第二次世界大戦
・2020年 コロナ ウクライナ戦争

そしてこれらのイベントは約80〜90年周期で起きています。

この周期性に関して、白頭狸こと落合莞爾先生の記事〔70〕『歴史は革新と保守が織りなす定常波』を参照すると、歴史波という定常波を構成する二つの波である「革命」と「反動」という社会変動の振幅が最大になる点「腹=ANTI-NODE」において前者では「革命」や「維新」が起こり、後者では「反動」もしくは「保守」が起こります。
現在は、振幅が最大値に近づいていき、行きすぎた左翼思想から保守に向かって行く流れの中、一見したところ左右両陣営が五分五分に見えていますが、私見ではメディアを有する左派がフェイクを混ぜ込んでいるので、実際には右派優勢だと見ております。
そして今後、どのようなアウフヘーベンが起こるのか興味深く注視しているところではあります。

これまで述べてきたことをおさらいすると、格差や、貧困、差別、不平等があり、当時のエリート層が率先してそれを改革しようとしたこと。その過程であまりにも理不尽に失われた人命があったこと。
改革しようとして権力を得たものが、結局同じ過ちを犯したこと。などなど。
歴史を正しく学ばないから、堂々巡りに過ちを犯す人間が政体の座に就き、一般大衆の無関心により、それに拍車をかけてしまっています。
大事なことは、極左が行うような過去の否定、歴史の否定ではなく、起こったことは全て人類社会にとって必要なプロセスであったとし、そこから一人一人が何を学ぶかということだと思います。

ところで、ここまで少し小難しいことを書いてきて、少し不安を覚える向きもあるかと思います。個人レベルでどう対処したら良いのだろうかと。
今まで述べてきた幽霊は、人々の欲望につけ入る隙を見つけ、狂わせてゾンビを量産していく達人です。
しかしながら、僕は自分のような普通の人間にも対処できることはあると思っております。
それは極めて普通のことであり、家族や身近な人を大事にして、毎日食べられることに感謝する。
自然の変化に気づき、昨日は咲いていなかった花に気づいたり、鳥の囀りを聞いて季節を感じ喜べるような「心のゆとり」を持つことではないかと思うのです。
「忙しい」という字は「心を亡くす」と書きますが、心の余裕を持つことで自然と同調することができ、世知辛い世の中やニュースから一歩身を引いたところから自己を見つめ直すことで、心の平安を得られると考えます。
心に余裕を持つことで、フェイクニュースにも気付きますし、詐欺にあうこともありません。
欲望は必要最低限に設定しておけば、競い争うことも減り、心身ともに健康的な毎日を送ることができると僕は考えます。
そして何より、日本人であれば、昔から日本人が大切にしてきたような生き方に戻れば、それだけで良いはずです。

このような考え方が広まれば、幽霊は自ずと成仏するのではないでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?