本記事は、「漫画キングダムから学ぶ会社経営」と題し、毎回、様々な視点から漫画キングダムとビジネス（特に経営）での共通点及びそこから得られる学びについてまとめていきます。

今回のテーマは「リーダーシップ」についてです。

ビジネスにおいては常々リーダーシップが求められ、巷にはリーダーシップ関連の書籍が溢れ、経営者、マネージャーにおいては必須の事項になります。しかし、リーダーシップをはき違えていたり、意味をよく理解していない人が多いのも事実です。細かくは関連書籍を読めば良いのですが、本記事ではキングダムのキャラクターを軸にリーダーシップについてまとめていきます。

そもそも、リーダーシップとは何でしょうか。自分のやりたい事をわがままに、手段を選ばずつき進める事ではありません。それはただのエゴです。リーダーシップとは、合意されたチーム目標に向かって、知識と経験を基に、チームの皆と共に最善の方法でゴールに導く事になります。ここで大事なのは、「同じ目標に向かって」と「皆と共に」「導く」になります。当たり前ですけど、リーダーはチームを率います。そのチームを同じベクトルに向かわせる、かつ、その方向にプロジェクトを推し進めるという事が求められます。

では、その中で優れたリーダーの器として大事な要素は何でしょうか？以下の３つが考えられます。

１） 人間力
チームを率いる事、それは、すなわち赤の他人を同じベクトルに向かわせる事です。その中で最も大事なのは、信頼され、この人の為に全身全霊をかける価値のある人間力が求められます。これは生まれ持った資質もありますが、意識的に高めることもできます。キングダムに出てくる大将軍は皆、人間力の種類は違えど、この要素が非常に大きく見えます。特に人間力に優れた将軍として、王騎将軍、藺相如などが挙げられます。彼らの武臣は命をかけて主を守る覚悟があります。それは決して強制ではありません。彼らの人間力故起こりえる事なのです。

２） 決断力
仕事にせよ、戦にせよ、準備段階で入念に戦略を描きますが、予定通りに行く事はほとんどありません。その不測の事態に対応する為にリーダーには、決断力が求められます。一瞬の判断で最善の手を打たなければなりません。人のせいにしたり、決断に責任が持てないようではリーダーは務まりません。また時には予想を覆すような決断も求められます。キングダム内で特に決断力優れた将軍は麃公将軍や王翦将軍でしょうか。麃公将軍と王翦将軍はタイプは真逆ですが、決断力という視点では両将軍とも非常に優れています。その時の状況を瞬時に把握し、一瞬で最善の決断を行います。そういった点では新入りには理解しにくいところもありますが、長年の側近には非常に大きな信頼を得ています。

３） 仲間を信頼し任せる力
どんな仕事も一人でできる事は限られています。一人の時間や能力を無限に増やす事はできません。そういった有限の資源の中では、チームメンバーを信頼し、任せる能力が求められます。これは、仕事ができる人程、身につけないといけない力です。できる人は任されることには慣れていますが、優秀故、自分と同等レベルの結果を部下に求めがちです。リーダーとは、各自の能力や長所をしっかりと把握し、適材適所で役割をふらなければなりません。キングダムでは蒙驁将軍や信が仲間の事を信頼し、大役を任せる事に長けています。特に蒙驁将軍はキングダム内では非常に珍しく、自分が目立とうとするするよりも、優秀な副官に任せて戦を勝利に導く、ある意味最も優れたリーダーを言えるでしょう。

今回は大まかなリーダーの器についてまとめましたが、次回からは各将軍についての優れたリーダーの資質について深堀してまとめていきたいと思います。

それでは、また次回。