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営業にとって、Differentiators(差別化要因)は重要だ。

差別化要因は競合に勝つ提案に必ずあるもの

市場で唯一無二の製品でもない限り、バイヤーは複数の選択肢から自らに最も合った製品を選んで買うため、そこには必ず競合製品が存在します。営業は常に商談において競合他社を確認し、受注に向けて勝つためのストーリーを書く必要があります。

その組み立てにおいて、重要になってくるのが、貴社製品の「Differentiators(差別化要因)」です。営業は提案プロセスの中で、如何にして自社の差別化要因をバイヤーの意思決定基準として採用してもらうかが極めて重要です。そしてこの選定条件は固定化されたものではなく、コミュニケーションを通じて変化させることができるのです。

3つの異なる差別化要因

差別化要因には少なくとも次の3つの種類があると考えらえれています。これらの特性を理解し、適切なタイミングと方法で利用することで商談を有利に進めることが可能になります。

Unique(独自差別化要因)

貴社製品だけが提供できる独自性のある機能やサービスのことです。

Comparative(比較差別化要因)

貴社製品を競合製品が提供しているものと比較した際に優位(または異なる)になる機能やサービスのことです。

Holistic(全体差別化要因)

機能やサービスではなく、貴社の企業規模や財務的な安定性、市場シェア、サポートの充実性などで競合他社より優位になる立ち位置のことです。

差別化要因の使い方

  1. 独自差別化要因は効果あり。しかし・・・
    差別化要因において、これより明白な違いは出せませんが、問題は独自差別化要因を利用できる期間が通常は短いことです。何故なら競合製品がその差別化要因をキャッチアップするからです。

  2. バイヤーは比較差別化要因で評価することに慣れている。
    競合製品と比較して、どのように優れているか、どのように違うかについて必要な情報を惜しみなく提供し、バイヤーが効果的に比較できるようにすることが重要です。

  3. 比較差別化要因は競合他社にトラップを仕掛けるのに最適な方法です。
    バイヤーが選択肢を評価する時に、貴社製品と競合製品の双方がある機能を提供できる際に、比較差別化要因を明確にすることで、競合は貴社の主張に応じる必要がでてきます。ここで貴社が優位に立てる場合に競合他社は信用を落とすことになり、その他の争点においてもバイヤーは競合他社の能力を疑うようになります。

  4. 差別化要因を使ってバイヤーの意思決定基準に影響を与える。
    この戦術によって、バイヤーは貴社製品が提供する価値を明確jに理解することができるだけでなく、競合他社の機能不足や価値低下を示すことができます。貴社の差別化要因が意思決定基準の一部となれば、契約を勝ち取るチャンスは十分にあります。

  5. 提案プロセスの早い段階で、全体差別化要因にフォーカスしない。
    提案の初期段階では、バイヤーの関心事は貴社製品が要求事項に対してどのように対応できるかを評価することなので、全体差別化要因はあまり重要ではありません。但し、後期段階において、この差別化は決裁者がNOと言わないために重要な影響を与えます。

自社の差別化要因を理解するワークショップ

ひとえに差別化と言っても、このように種類があったり、使用上の注意点があります。自社の差別化要因を理解して、よりよい成果を導き正すために、次のワークショップが効果的です。

  1. チームに分かれて15分間のディスカッションをおこなう。
    自社の差別化要因は何か?
    差別化要因をどのように会話の中で利用するか?
    差別化要因をどのように提案書の中で利用するか?

  2. 上記のディスカッションの結果を5分で他のチームに共有

バイヤーは何故、貴社製品を買うのか?

如何でしょうか?バイヤーは何故、貴社製品を購入し、競合製品を購入しないのかについて、差別化要因のメカニズムを提案プロセスの中に埋め込む事でよりよい成果が出せるようになります。

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