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【百年ニュース】1921(大正10)5月21日(土) 10本入10銭の両切り紙巻煙草「エアーシップ」が専売局より発売される。1910(明治43)飛行機の登場など大空への関心の高まりを反映した命名で50本入りで発売されていたもの。山をバックにした秀逸なパッケージデザインで人気を博す。1938(昭和13)の価格は18銭。

10本入10銭の両切り紙巻煙草「エアーシップ」が専売局より発売されました。1910(明治43)年に飛行機の登場など大空への関心の高まりを反映した命名で50本入りで発売されていたものです。山をバックにした飛行機の秀逸なパッケージデザインで人気を博しました。なお1938(昭和13)年の価格は18銭でした。

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「そうかい。それァどうも。」と言ったきり亭主は隅の方へ座って耳朶へはさんだエヤシップの吸残りを手にとったが、火鉢へは手がとどかないのか、そのまま指先で火を消した煙草の先を摘つまんでいる。「どうです。芝居は毎日大入りのようですね。」と兼太郎は酔った揚句の相手ほしさに、「一杯献じましょう。今年の寒さはまた別だね。」「ありがとう御在います。お酒はどうも。」と出方は再びエヤシップを耳にはさんでもじもじしている。

永井荷風「雪解」1922(大正11)
赤光!僕は何ものかの冷笑を感じ、僕の部屋の外へ避難することにした。廊下には誰も人かげはなかつた。僕は片手に壁を抑へ,やっとロビーへ歩いて行つた。それから椅子に腰をおろし,兎に角巻煙草に火を移すことにした。巻煙草はなぜかエエア・シツプだつた。(僕はこのホテルへ落ち着いてから,いつもスタアばかり吸ふことにしてゐた。)人工の翼はもう一度僕の目の前へ浮かび出した。僕は向うにゐる給仕を呼び,スタアを二箱貰うことにした。しかし給仕を信用すれば,スタアだけは生憎品切れだつた。「エエア・シツプならばございますが…」 僕は頭を振つたまま,広いロツビイを眺めまわした。

芥川龍之介「歯車」1927(昭和2)

永井荷風1

永井荷風2

永井荷風3

永井荷風4

永井荷風墓

芥川龍之介3

芥川龍之介4

芥川龍之介5


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