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ゲイバーが苦手な理由

新宿近郊に住んでいるゲイというと、週末は新宿二丁目のゲイバーに飲みに行っているようなイメージを持っている人もいるかもしれませんが、
僕はゲイバーには滅多に行きません。

友人に連れられて行ったことは何度かありますが、自ら進んでゲイバーに行ったのは、東京に住み始めてすぐ、初めて新宿二丁目のゲイバーに行った一回のみです。

その初回のゲイバー体験がトラウマになってしまっているということと、その後の友人に連れられて行ったゲイバーでも特別良い思い出もなく、
あまり自分から行きたいと思う場所ではないのです。

初めての新宿のゲイバー

上京してすぐ、当時全盛期であったmixiで知り合った同年代のゲイがいました。仮にS君とします。
見た目も好みのタイプだし、書いている日記からも話が合いそうだと思って、友達になりたいし、あわよくばそれ以上の関係にもなりたいなーと思っていた矢先、
S君から「二丁目のゲイバーで働いているので遊びに来てね」とメッセージがありました。

これは、二丁目のゲイバーデビューと同年代の友達ゲットの一石二鳥のイベントだ!と、勝手に期待して、仕事帰りにノリノリで一人、S君の働くゲイバーに遊びに行きました。

まだ宵のうち、ゲイバーが開店して間もない時間に一番のりでバーに着いてしまった僕は、
お店でS君と初めましての挨拶をして、カウンターの一番奥の席に座りました。

飲み物を頼んで、「どこに住んでるの?」とか「いつから働いているの?」というような当たり障りのない会話をしていました。
ゲイバーで働いているから、勝手にお喋りが上手なのかと想像していましたが、どちらかというシャイで大人しい感じの人だなと思いました。
初対面らしい会話をしていると、数名のお客さんが入ってきました。

お店のママの体格からして、薄々感じていたのですが、
どうやらこのお店は体が大きい人、いわゆるガチムチな中年の殿方がメインの客層らしく、
40代くらいでガチムチ体型の、ラガーシャツのような当時の体格の良いゲイが好んでいた、コテコテなゲイファッションをした男性達が入ってきました。

僕の隣に座った男性は、僕を一瞥すると、スッと僕に背中を向けて友人やママと話しながらお酒を飲み始めました。
すぐに、「あっ、値踏みされて、眼中に入れる価値が無いと判断された」と感じました。
若干のショックを受けつつも、まぁ好みは人それぞれだしね、なんて思って、S君との会話を楽しもうと思っていると、

「S、あっちのお客さんについて」とママからS君へ指令が。
そして、ママが僕のほうへ来て、
「これ、うちのアルバムなんだけど見てみて。タイプの人が居たら教えてね♡」と言いながら、紙の冊子のアルバムを数冊渡して、
ママは別のお客さんとの会話に入っていきました。

アルバムを開いてみると、やはり、殆どガチムチ中年男性で埋め尽くされた写真ばかり。
まだその頃は、自分の体格も大きくなかったし、あまり体格が大きい人に魅かれていたわけでもなかったので、
こういう世界もあるのだな、と思いつつ眺めていました。

気づくと、店内のお客さんは増えて賑やかにワイワイとお客さんとママ、S君の話声が響いています。

そんな中、壁とガチムチ男性の背中に挟まれて、無言でアルバムを眺めている僕、という構図を俯瞰してみて、
こんなに人に囲まれてるのに凄い孤独!と、心の震えを感じ、
「お会計お願いします」と伝えてお店を後にしたのでした。

このまま一人アパートに帰ったら心が凍えてしまう!と思った僕は、その足で近くのゲイサウナへと入り、一夜を明かしたのでした。

ゲイバーの楽しみ方が分からない

新宿二丁目のゲイバーデビューが苦い思い出になってしまい、
あまり積極的にゲイバーに行くことがなかった僕ですが、
その後も友人に連れられてゲイバーに行ったことは何度もあります。
しかし、なんとなく居心地が悪い感じがして、これと言って楽しかった思い出が無いのです。

最近はSNSでお店で働いしている側の本音なども見かけることがあり、
ゲイバーでの楽しみ方が分かっていなかったな、と感じる部分があります。

”ゲイバー”と一言にいっても色々なタイプのお店があるのですが、
ゲイがゲイ向けにやっているゲイバーの中には、お店と客とのコミュニティ形成の場みたいな役割を担っていることがあるように思います。

そういうお店では、客だから楽しませてもらえる、というようなものではなく、
客側もコミュニティを維持してくれるお店に貢献する、という心意気が必要な感じがします。

お店側は当然お金を落としてくれるお客が大事だし、
お金を落とさないのであれば、容姿が良いとか、顔が広いとか、面白いとか、他の客を引き寄せる力が求められるようです。
そういった意味では、若い頃の僕は何もない客だったので、お店側からしたら、旨味の無い客だったわけで、一応接客してくれただけでもありがたいのかもしれません。

たまに、行きつけのバーとかあったら楽しいのかな、と思う時はあります。
今なら、若い頃よりは多少は気前よくお金も払えるかもしれません。
しかし、根暗なタイプの僕としては、散々会社とかでストレス感じているのに、また新しいコミュニティに属して、気を使ったり、色々なヒエラルキーを感じたり、ストレスが増えてしまいそうであまり気が乗りません。
ただ仲の良い友達と喋って楽しみたいのであれば、ゲイの友達と新宿三丁目あたりの居酒屋で駄弁っている方が気が楽だし、金もかからない、などと思ってしまうのです。

その辺りも、変なストレスを感じないようにうまく取り計らってくれる居心地の良いお店もあるのだと思いますが、それを探すだけの気力がありません。

行ってみたいお店・あったらいいお店

そんな僕ですが、ドラァグクイーンの人がやっているお店などは行ってみたいなと思います。理由は、有名なドラァグクイーンの人と話してみたいからです。
友人も「行ってみたいよね」と言ってくれる人がいるので、勇気が出たらいつか行くかもしれません。

マッチョなゲイがチヤホヤしてくれるゲイ向けのキャバクラみたいなのがあったら行きたいです。
そんなお店を知っている人が居たら教えてください。

あとは落ち着いたカフェみたいな雰囲気のお店も良いなと思います。
夜中にやってるカフェにパートナーと散歩がてら行ったこともあるのですが、静かに本を読んでいる人が居たり、友人とお話している人もいたり、
お酒も飲めるのですが、飲み屋とは違う落ち着いた雰囲気が好きでした。
ゲイ向けのそういうスペースがあったら嬉しいかもしれません。
いや、別にゲイ向けである必要もないか、、

根暗で日々ストレス溜め込み気味なインドア派中年男性としては、
プライベートな時間とそれなりのお金を使うからには、
会いたい人と会えるとか、いい気分になれるとか、自己肯定感高まるとか、リラックスできるとか、そういうベネフィットを求めてしまいます。

おススメのゲイバーや楽しみ方があったら教えていただけると嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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