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「ムダ、ヒマ、スキマ」から生まれる生命の喜び/First nations(カナダ/バンクーバー)

バンクーバーにあるCapilano公園とUBC人類学博物館で出会った、カナダ北西沿岸に住んでいる先住民(First Nations)の作品に血が沸き立つほど感動しました。それは「芸術じゃない芸術」であり「芸術を超えた芸術」だったからです。

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厳しくも豊かな自然環境で生活する民族にとって、木は薪、家具、柱になる生活に欠かせないパートナー。そんな「大切な物」を「無駄な物」(アート)に使うことでお互いの価値が活きています。豊かな想像力によって、動物、植物、怪物、人間が繋がり交わる4次元デザイン。みな違えどみな同じイノチでありヒトツなんだということを暗示させています。ぎっしり詰まったこの世界の実像、その中で動き流れながら生きるイノチの奇跡の姿を表現しているように思えました。

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それにしてもみんな暇だったのでしょう、これだけの量の大作は時間がないとできません。そしてそんな作品だからこそ現代の問題を浮き彫りにしています。「忙しい」のを良しとしてカッコイイとするこのご時世に「ヒマ」なんて言えば、笑われるか飽きられるのがオチでしょう。

しかし、私たちは「ヒマ」だからこそ内観でき、自分の心の声を聞くことができ、本当にやりたい事ができます。「ヒマ」から自ずと現れる「これがやりたい!」。それを素直に追うと、その先にはイノチの喜びがあり、そこで発見する本当の自分。あえて「ヒマ」を作るくらいで丁度いい。人生の中でどれだけ「ヒマ」になれるかが大事なんだだと、作品たちは問いかけていました。

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人生は何も創造しなければあまりにも退屈です。芸術は「ムダ、ヒマ、スキマ」から生まれるイノチの喜びです。それに不屈に平気で無邪気に挑むから面白いんだと、作品たちは無言で語りかけてくれました。
それを元に、「ヒマ」から生まれる至福感、自己発見、4次元の会話、などを絵で表現してみました。

ArayZ2017Jan.「四次元部屋」


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