『ねじれる』

混ぜる、掛け合わせる、合成する
組み合わせる、ごちゃ混ぜにする
その表記はなんでも良いのだが、
とにかく複数のものを使って一つ
を作るという行為に惹かれてしま
う所がある。

多分、発端は戦隊モノのロボット
やら乗り物が合体して巨大ロボに
なるあれだろう。それから、玩具
付きお菓子なのかお菓子付き玩具
なのか分からないあれだ。パーツ
毎に分かれ、自由に組み換えので
きる恐竜なんかの形をしたあのお
もちゃが好きで、寝る前に枕元で
ずっといじっていた記憶がある。
休み時間自由帳に描くイラストも
複数のキャラクターの掛け合わせ
を勝手にしていた。しかし、外見
の掛け合わせというよりは、内側
の事を考えることが多かった気が
する。例えば、フック船長の右手
と好きなロボットの左手を、とい
うのは外見。そうではない。ポケ
モンの世界の住人が戦隊モノのヒ
ーローと戦うなら何が必要だろう
かとか、そういうことだ。

海の絵を描けと言われて、まだ横
断歩道を渡れないような時分の私
はA4の紙一面を青く塗りつぶし、
そこに何種類かの色で斑点を足し
た。だけれど、お題を出した人の
意図は海と浜辺の絵を描く事だっ
だらしい。ならば、最初から海と
浜辺の絵を描けというべきではな
いだろうか。その時の私がそこま
での事を思ってたは定かでは無い
が、浜辺がないと言われた私はそ
こから新たに紙を5枚用いて縦二
枚横三枚に貼り付け、下3枚を海
上3枚を浜辺にした。海の中の斑
点は水面越しに見える生き物のつ
もりであったが、生き物は?と言
われ、トイレットペーパーの芯を
使って魚やらタコやらを作って貼
り付けた。見ている大人たちはこ
れを海の絵として評価した。多分
なんだっていいじゃん!の精神は
ここで生まれた。いや、夢かもし
れないけど、こうやって生まれた
気がする。

人と話す、のは自分が楽しいこと
と相手が楽しい事を探しながらそ
の場で混ぜていく行為だと思う。
実質ねるねるねるね。1の粉が私
2の粉が相手で3のキャンディー
がその時の環境なり話題である。
ねるねるねるねと違うのは、2の
粉の中身が一見して分からない事
と、3の味が思っているのと違っ
たり、美味しくなかったりする事
で、これが中々厄介。でもまぁ、
それより忘れてはいけないのは、
1の粉には水を混ぜる必要があっ
て、2の粉と出会う時にはもう既
に混ざりあった後の姿なのだ。

混ぜる、掛け合わせる、合成する
組み合わせる、ごちゃ混ぜにする
その表記はなんでも良いのだが、
考えるほど、ねじれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?