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【合格体験記】2ヶ月半の学習で統計検定 2級に挑戦(40代社会人)

「統計検定2級の問題、難しくないですか?」と会社の後輩に聞かれました。

確かに、理系出身の方や、少なくとも高校数学までをきっちりこなした方でないと、そこそこハードルは高いかもしれません。
私も典型的な文系出身者ですが、独学かつ40歳の頃に2級に合格しました。これから受験される方の参考になればと思い、体験を記事にしてみます。

なぜ受験しようと思ったか

仕事でデータ分析には従事しています。
ですが、あらためて統計学の知識を基礎から体系的に振り返って身につけておきたい。これがモチベーションでした。

機械学習のモデル構築時もなんとなく理解している部分や、ライブラリが出力する結果をさらっと読んでいたり。そんな漠然とした課題を日頃から感じていて、合格に向けて一通り基礎から学べる統計検定2級の受験に挑んだ背景です。

受験前のレベル

・私大文系卒(偏差値65前後/英国社受験/2000年度 学部卒)
・数学は高校2年以来まともに学習できていない
・仮説検定などの意味やプロセスは業務の関係で理解している

得られたこと

2ヶ月半の学びを経て、基本はメリットしかなかったと思っています。

仕事の場面でも、集計結果を見ただけで進めることはよくあるケースだと思います。
受験以降は、データの分布からしっかりと確認し、集計結果の背景にどんな事象が潜んでいるかを、自然と意識するようになりました。(当たり前のことではありますが)

また、あやふやな意思決定が社内に蔓延していたことも、あらためての気づきでした。
社内にはデータドリブンな意思決定を根付かせようとするマインドはあるものの、現場レベルではデータの理解ができず、どうしてもマインドだけが先行。

ABテストの検証をしても、平均の差にどんな意味があるのか、ないのか。
なぜその検定を行うのかのプロセスを含めて言語化して語れることや、より聞き手の理解を得られやすくなったこともメリットかなと思います。

合格までの期間

・勉強開始:2023年1月から
・受験:2023年3月15日(64点でギリギリ合格でした)

合格までの道のり

勉強時間と配分

1週間を概ね以下の配分で、トータルで70〜80時間ほどかなと思います。

  • 平日:最低でも2時間

  • 休日:7〜8時間(家族に感謝)

序盤(1月)

統計Web「Step1.基礎編」を通しで取り組みました。
章末の練習問題もすべて着手します。

中盤(2月)

過去問で演習。
試験時間を意識せずに取り組みましたが、最初は30〜40点しか取れずに撃沈でした。
知識はある程度備わっているはずが、試験問題に最適化されていない自分に気づかされます。

過去問は、以下をそれぞれ揃えて進めます。

  • 2011〜2013年

  • 2014〜2015年

  • 2016〜2017年

  • CBT対応版
    (年度別過去問と重複する問題も一部ありますがやっておいて損なしです)

なお、電卓はこちらを準備して本番でも使用しました。

2021年の問題が極端に難化していることは他の方も紹介されていたので選択せず。
解けなくて心が折れてしまいそうになるのを回避しました。

終盤(3月)

過去問を解いていて、弱いところが確率の分野と区間推定の文章題であることはわかっていたので、弱点克服に費やします。過去問が枯渇してしまい、追加で高校数学の問題集でカバーしました。

時間をかけたところ

レベルはさておき「数学」分野のため、自分自身のブランクが痛いほど身に染みました。恥ずかしながら、分数の手計算が正しくできて安心したところから再スタートです。
なかでも、以下の3領域は重点的に取り組んだ記憶です。

確率

おそらく最初に立ち止まる方も多いのではと思います。
色玉問題や条件付き確率、ベイズの定理。特に、ベイズの定理は落ち着いて考えれば解ける問題です。図で整理しながら解くのをおすすめします。

区間推定

このあたりから、似ているようで少し違う公式ラッシュが始まります。
区間推定は計算はできるものの、文章題になった途端に公式に当てはめられずで苦労しました。あらためて、基礎理解が大事です。

検定

仕事でt検定などは行っていますが、基本はツール任せ。
仮説に基づき、公式に正しく適用すれば解けます。分数、平方根を電卓で解く時間との戦いでした。


他、記憶しておくべき公式がそこそこな量出てきます。
試験に臨む上で暗記も必要。小さなメモ帳に整理しながら、起床後・お昼・就寝前のタイミングで見返していました。

いざ試験へ

2ヶ月も続けていると、徐々に仕事と勉強の両立が辛くなってきます。
過去問で、概ね7〜8割の結果は出ていたので、荒削りですが意を決して受験へ。

試験会場と本番

丸の内のCBTセンターを予約して、頭の冴えている午前で受験しました。
計算用紙とボールペンが配布され、用紙は裏も使用可能です。

本番は、1問3分程度でこなす必要があります。
過去問でシミュレーションしていたとはいえ、かなりタイムアタックが求められるスピード感に焦りました。

10分程度を残して回答完了。
回答を振り返りながら、自信が持てる回答数は7割前後。
自信のない問題を残り時間で解き直し、タイムアップです。

結果はその場でモニタに表示

回答完了後、かんたんなアンケートに答えて、いきなり採点結果表示。
「合格」の文字を見て、これまでの勉強の日々にようやく区切りがつく安心感で力が抜けました。あらためて、家族に感謝です。

2級取得後どうしているか

自身の分析業務にもしっかり反映できていると思っています。
t検定一つとっても、仮説によって両側、片側どちらで検定すべきか。
よくわからないまま、ツール任せの結果で判断している現場の担当者レベルでも理解を深め、意識も変えられつつあるのかなと思います。

一方で、勉強した方でないとわからない理論や手法を伝えても、当たり前ですが伝わらない。ここは、いかに易しく、例え話を交えながら説明できるか。
その意味でも、自分自身が正しく理解できている必要があり、試験後も、統計Webや使用した関連書籍は振り返りとして必須です。

このあたりの書籍は振り返りにも最適です。
気がつけば数式アレルギーも克服できていました。

これから受験される方へ

すでに過去問で高得点を出されている方以外は、きっと合格できるのか不安な日々をお過ごしかと思います。そうでない方は、過去問の間違いや、理解が浅い部分に出くわす度に、ストレスも感じていらっしゃるはず。

ですが、幸いCBTです。
落ちても再受験まで一年を棒に振るわけでもないですし、弱点を補ってすぐに再チャレンジくらいの気持ちで、ぜひ臨まれてみてください。

特に社会人の方で、仕事と並行しての勉強の日々は辛いと思います。
私はそこに数学へのブランクもあって、正直かなり辛かったことを覚えています。

ですが、学んだ時間だけ得たものもありました。
こんな私でも合格ラインには届いています。みなさんも、チャレンジすると覚悟を決めた時の気持ちを忘れず、合格を掴み取ってください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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