自分の騙し方

私の解離を紐解くキーワードの1つに

「複雑、かつ、巧妙に」

というのがある。

まるで巧みな天才詐欺師のように
私は私を騙すのが上手い。

その手口はいつも、複雑かつ巧妙に仕組まれている。

自分の感覚がわからない。

本当の私の感覚を探し出そうと、
見つけ出そうとしても、

常に2重3重のトリックが仕掛けてある。

それをカウンセリングで見破っていくのだが、いつも感心してしまうくらい、
私は私を華麗に騙している。


そして、カウンセリングで
カウンセラーの先生と私で
まるで名探偵ホームズとワトソンのように
そのトリックを解明し、犯行の動機、
事件の共犯者、手口、手に入れたもの、
などなどを明らかにしていく。

暴かれる全貌。

そして、2度読むと更に面白い小説のように、
伏線がいたるところにあり、
その伏線回収が、笑ってしまう程に
見事なのだ。


いつも、カウンセリングは
私にとっては、今まで知らなかった壮大な物語を読んでいるような気持ちになる。


今まで、自分が知らないで生きてきた物語。
今まで、自分が知ろうとしなかった物語。
そして、知りたくなかった物語。


それを紐解きながら、謎解きしながら読む
読者となり
この物語は、信じがたいが私が主人公なのだ、と認めることから、全てが始まる。

まるで完落ちした犯人のように
これが私なのだと観念する。


でも、それは悲しい事ではない。

罪を犯しながら、ずっとずっと逃亡生活を送ってきた犯人が捕まった時、
悔しい、悲しい、という気持ちより

正直捕まってホッとした

これが本音ではなかろうか。

私も、そんな気持ちになる。

これでもう、逃げなくていいんだ
これ以上罪を重ねないでいいんだ

やっと罪を償えるんだ

と。


罪を償うのはつらいことだし
罪を償うには自分と向き合うこと。

それはとてもしんどく、つらいことだけど
同時にホッとした気持ちが重なる。

私はまるで、そんな犯人のような気持ちで
観念してカウンセリングに通っている。

つらいけど、幸せでもある。


あなたは、自分自身を
どうやって騙していますか?


あなたがあなたの原点に辿り着けますように

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