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お金がないので家を買いました

日本円の価値が下がる!?恐怖の円安

円安になって久しい。想像もできなかったことだが、必死に貯めたお金も価値が下がっていくということをじわじわと感じていた。
会社員時代から貯めたお金が目標額に到達して、私はなんとなく安心していた。これだけあれば突然無職になっても2〜3年くらいは暮らせるだろうと呑気に構えていた。本当に何も考えずに現金しか勝たんと思っていた。

現金を信じられなくなったきっかけ


最初に危機感を覚えたのは英会話のレッスンでフィリピン人と話したときだった。三年くらい毎日英会話をやっているのだが、数年前は日本円で300円だよと言うとだいたい3ドルくらいという表現だった。それがどんどん変わっていって、ついに日本円で300円がドルで2ドルになった。毎日お金の話ばかりしているわけではないので、たまたまお金の話になったときに気づいた。
また、肉のハナマサでよく肉を大量買いして作りおきをしていたのだが、2キロで599円だった鶏もも肉がこの一年半くらいで1099円になった。極めつけに、評価が上がって額面の給料は上がり続けているのに、手取りが減っていった。この国は今、少しおかしいのかもしれないと思った。
日本が好きだ。治安が良くて、食べ物が美味しくて、最先端のものが簡単に買える。でももはやそんなぬるいことを言っている場合ではなくなった。日本円を日本円のまま貯め続けても価値が下がり続けるのなら、今のうちに金塊とかに替えたほうがいい。だんだんそんなことを考えるようになった。

老後が怖すぎる……住むところがない


その上、少子高齢化の勢いもとどまるところを知らない。とにかく老後が心配になった。女性の年収中央値は303万円。例えばその金額を稼ぎ続けたとき、年金をもらうとしたら月額で約12万円。どう考えても働かないと暮らしていけない。しかし65歳を超えてまで非正規で働いても大した額にならないし、病気になって働けないとか、雇用してくれる企業がないとか、当然あり得ることだと思った。

そうなったとき、家賃を払っていくことが難しくなるのは容易に想像できた。いま払っている家賃は、今の暮らしのためだったら高くない。でも数十年先まで払い続けるとしたらどうか。払ったら払いっぱなしで返ってくることはない。家賃を払いながらでも貯金して、定年後にその貯金で老後のための家を買うという選択肢もあったのかもしれない。……でも、これから子育てなども視野に入れて家庭を営んでいくと考えたとき、家賃を差し引いてもそれだけの貯金ができるほどの余裕はないと判断した。

こうして私たちは、家を買うことを決めた。

戸建てvsマンション

最初は一戸建てよりマンションのほうが安いと思ってマンションを探していた。そこで立ち塞がったのが「管理費」と「修繕費積立金」であった。
「管理費」はマンションの環境を維持するためのお金で、清掃業者が入ったり、インターホンなどの修理が入ったときに使われるお金。「修繕費積立金」は建物の大規模な修復工事が行われる際のために払い続けるお金。どちらも毎月支払う必要があり、例えば頭金を多めに出してローン自体が月10万円になるようにマンションを購入したとしても、それらのお金がプラスされて12万円〜14万円になることが多い。しかもこのお金はローンを払い終えても支払い続けなければならない。マンションが古くなるとより高額になる場合もある。もちろん必要なお金なのだが、長い目で見れば戸建ての方がいいように思われた。建物の価値が下がっていけばマンションの資産価値も下がっていく。それなら土地ごと購入したほうが資産価値が残るのでは?と思った。

中古より新築の理由

最終的に辿り着いたのが3階建ての都内一戸建て。結果的に新築になったが、安くなるなら中古でもよかった。それでもあえて新築にしたのは理由がある。新築の物件に支払われる控除である。

3階建てと言うと広い家でお金持ちっぽいかもしれないが、全く逆で、平家にできるならそうしたかった。老後のことばかり考えすぎなのだが、膝を壊したりした場合に階段の登り降りがキツくなることが予想されたため、平屋のパンフレットなども見ていた。ただ、平家にする場合はそれだけの土地の大きさが必要だった。都内に住みたいというこだわりがあったため、あまり広い土地を購入することができなかった。土地が狭いことをどうにかするには上に積むしかない。リビングダイニングは15畳以上欲しい。私、夫、子ども部屋で少なくとも3部屋以上はそれなりの大きさの部屋が必要だと考えた。


立地について


都内のオフィスから片道1時間以内で探していて、埼玉や千葉、神奈川も候補に入れていた。
都内を出れば地価が安くなるのではと考えたのだが……甘かった。志木・和光市などの東武東上線沿い池袋まで20分以内の土地は正直都内と変わらず、駅前が栄えているためか都内より高い物件もザラだった。浦和エリアももちろん高い。横浜なんて高級住宅地だ。こうなると郊外に出る意味がない。
都内だと日暮里舎人ライナー沿いがとにかく安かった。だが、どこに行くにも日暮里を経由せねばならなかった。しかも日暮里舎人ライナーの駅からメトロの駅までがかなり遠く感じた。でも、スーパーや飲食店もそれなりにあり住みやすそうではあった。

雑感

とまあいろいろ書いてみたが結局は相性と運だなというのが雑すぎる雑感である。色々な物件情報を見るのは楽しいし、人生で何度もあることではないので、1年くらいは迷ってもいいんじゃないかなと個人的には思う。その一方で勢いも大事だ。何しろ高い買い物なので、迷っているうちに月日が流れてしまうということもありうる。その分だけ家賃を払う期間も長くなるので、買うと決めたら本気で探して、吟味して、最後は勢いで決めるといい。

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