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【年齢のうた】King Gnu●10代は 遠くになりて 思うもの「Teenager Forever」

こないだ、僕の弟に会いに、一家で横浜に行ってきました。
すっかり春の空気でしたね。

横浜では、娘が好きな大道芸をいくつか見て過ごしました。おかげで僕もこの10数年というもの、いろいろな芸を見てきてまして……パントマイムとかアクロバットとかポールダンスとか、いろいろあるんですね。

僕が好きなのは加納真実さんです。『モヤさま』に2回ほど出たので、知ってる人もいるかもですな。

逆に好きじゃないのは、自分が売りにしているはずの芸をなかなかやらない、引き延ばしスタイルの芸人です(もうすぐやります詐欺?的な)。あれはこっちが時間をムダに浪費してる感覚になるので、そういう大道芸に当たった時はなるたけその場を立ち去るようにしてます。ぷりぷり。

まあ大道芸にもさまざまありますが、基本的にはその時その場に集まった客をいかにつかむか、ですよね。その分、瞬間芸に似た部分もある気がします。
で、音楽でも大道芸的なアーティストは時々いて……たとえばボブ・ログ三世とかね。そういえばインタビューしたことあったな。意外と男前だった記憶。

まあ楽曲を練って作る音楽と一緒にはできないものの、芸事の原点にも思えるし、人前でのパフォーマンスという点では通じますね。

その他、自分の近況としては……
ハリー・スタイルズを観に行ってめちゃめちゃ楽しんだり(可愛げのある人!)、ピンク・フロイド『狂気』のドルビーアトモスミックスの試聴会で異空間体験をしたり、PCが昨秋に続いてクラッシュしたり、餃子を焼いたりなどなど、しています。あ、ハリーもMCでギョウザ~って言ってたなー。

WBCでの侍ジャパンの優勝には僕も熱くなりました。しかしちょうど大谷選手のクローザー登板の最終回の時に限って、仕事で徒歩移動中でした。
ところで阪神ファンとして思うのは、おそらく矢野前監督は、栗山監督のような「選手を信じる」野球をしたかったのだろうということ。もっともそれを代表チームと比べるのは事情が違いすぎなんですが(監督自身の経験値や勝負勘に差があるし、選手やコーチなども充実度が大違い)。そうそう、阪神のオープン戦も観に行きました。今季の希望の星は、新人の森下選手ですね~。

東京ドームに2回行き(観戦できたのは準々決勝だけ)、
現地でゲットした応援用の紙製ハリセン。
もはや「つわものどもが」感


では今回の【年齢のうた】はKing Gnuです。
彼らの曲「Teenager Forever」についてです。

「Teenager Forever」で唄われた青春時代特有の戸惑いや迷い

King Gnuが「Teenager Forever」をリリースしたのは2019年の12月のこと。当時このバンドは大ブレイク中で、飛ぶ鳥を落とす勢いもさらに加速していた時期だった。そんな最中にこの歌が出て、ユーモラスなMVともども話題となり、ヒットを記録している。

「Teenager Forever」は、アルバムとしては、この直後に発表された『CEREMONY』に収録された。

で、僕はこの少し前に彼らにインタビュー取材で対面している。それは「白日」が売れまくってる頃。厳密には、「飛行艇」のリリース前だった。

この時、あの4人に会ったところ、メジャーデビューしてさほど日が経ってなかったというのに、かなりクール(ここでは「カッコいい」の意)というか(もちろんそれだけじゃない人たちなのはわかってたが)、普通の新人バンドにありがちな初々しさのようなものは感じられなかった。どこか達観しているような雰囲気さったが、かと言って冷めてるわけではなく、むしろ目標に向かって着実に邁進してるように見えた。
数年前からライヴを何度か観ていた僕は、バンドのテクニックの高さもインテリジェンスも承知していたつもりだが、それでも彼らの落ち着きぶりは印象深い。とくにリーダーの常田大希はセンス抜群で、文句なしのカリスマだと思った。あとヴォーカルの井口理が思った以上にひょうきんな人で、しかも、なで肩(だよね)なのも愛らしく感じた。

この2019年の取材から何ヵ月後か経過して届いたのが「Teenager Forever」だった。この曲には、それまでの彼らとは異なるイメージを抱いた覚えがある。あのクールでインテリなバンドが、高ぶるようなアップテンポで、とても青臭いことを唄っていたからだ。

この歌には、タイトルからわかる通り、ティーンエイジャー……10代ならではの感情が描かれている。それも戸惑いや迷いに直面し、その中でもなんとか前を向いていこうという思いだ。だから歌詞には、明日や自分、望み、傷。さらに伝えたい想い、夢の欠片、幸せ、煌めき。そして、未来よりも今。こんな表現が出てくる。

この場合の10代とは、たぶんミドルティーンからハイティーン、つまり青春時代を送る若い世代と捉えていいだろう。そこでは、若者ゆえの明るい側面を唄うことだってできるはずだ。たとえば楽しさや面白さ、可能性や夢、もしくは野放図さとか突っ走ろうとする気持ち、などなど。しかしソングライターでもある常田は、ここで若さから来る焦燥感や葛藤を唄った。そこに僕は強く関心を惹かれる。これには常田なりの青春観のようなものがあるのでは、と感じた。

10代は 遠くになりて 思うもの


それとこの歌は、おそらく20代になった常田が過去を、10代の頃を思いながら作ったのでは、と思った。そもそも、大昔の日本には「青春時代」というヒット曲があったように、若い時分のことってのは、あとから思うことのほうが多いからだ。いいことも、きっと悪いことも。

そう、ふるさとは遠きにありて思ふもの(室生犀星)だが、
10代もまた遠きになりて思うもの、ではないだろうか(青木 優)。

などと思っていたら、この歌にもちょっと関連した常田大希のインタビューがNHKのサイトにあった。


これまでに発表した「BOY」や「Teenager Forever」は、たぶん若い頃だったら、こんなストレートでベタでポジティブなことを口に出して歌うということに、ちょっと「斜めから見る」ではないですが、抵抗があったと思うんです。ああいう曲こそ、昔だったら絶対に作れなかった。それこそ大人になってきたなと自分自身が感じた曲です。


なるほど、「BOY」もそういう歌であると。

そう。10代の子は、「この青春を送っている今が最高!」とは、なかなか唄わない、思わないものではないだろうか。もちろん例外もあるだろうけど。
そして若者のそうした、ちょっと影の、言わば心の闇の部分をポップな歌に昇華させたKing Gnu。素晴らしいと思う。

で、こんなふうにティーンエイジャー、10代をテーマにした歌は古今東西、非常に多い。僕なんかは光GENJIの「ガラスの十代」をパッと思い出してしまったし。やはりジャニーズつながりでKinki kidsの「硝子の少年」も想起してしまった。

ん? 青春時代の心はガラスであるということなのか?
それは言える気がする。

もちろん海外でもティーンエイジを掲げたバンドや曲は多い。青春は歌の、音楽のモチーフの中でもポピュラーなものなのだろう。

10代をテーマにした音楽。そのうち、また書くかもです。

おはぎが大好きなんですが、
今回のお彼岸に食べたのは文京区の一幸庵のものだけ。
きめ細かなあんこの味が上品でした

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