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天才ハ忘レタコロニヤッテ狂ウ

一番好きな絵を描く人の個展に行った。
アートに造詣が深い訳でもないし、ただ好きなだけである。
この人の作品を見るのがとても好き。
ポスター画の人なんだけど、最近絵画も始めたらしい。

和のテイストを保ちつつ、洋の雰囲気も纏っている。
そして、色の使い方がとても好き。
気持ち悪い配色をしているのに、まとまっている。
細部を見ればダークで気持ち悪いのに、遠目で見るとキャッチーである。

ポスター画はもちろんのこと、最初から絵画ばかりだった。
なんかしらをモチーフにしてる感じがするし、物語のようにも感じるし、何かを伝えようとしてるのかなぁとも思うけど、どう見ても何も分からなくて、最初の時点でとても頭が痛くなる。
これ以上考えてると倒れそうになってきてしまったので、移動した。

絵画がビリビリにされて一つに合わさったような作品が出てきて、こんなことしていいの?と思った。
それぞれの絵はおそらく違う絵なのに、不思議とまとまっている。
バラバラの絵を継ぎ接ぎして一つにするってかなり難しいと思うんだけど?
こんなことしていいのか!と殴られた気分になった。

Y字路が好きな人らしい。
色んなY字路が描かれているんだけど、特に夜のY字路を描いていたのがすごかった。
街灯もなく真っ暗のY字路であるにも関わらず、それがちゃんとY字路だとわかる。
凄い!!!
黒一色に見えて、さまざまな濃淡が表現されている。
ここで確信したのだが、絵が上手い人はその物を捉える観察眼が鋭いこともさる事ながら、陰影の描き方が最強なんじゃないかと思った。
黒と白でさまざまな表現ができるなんて凄すぎる。
凄い大きなキャンバスをあれだけで制することができるなんて。
だんだんなんだかわからなくなりそう。
黒はとても扱いづらいのに、、
今度なにか闇を撮って、黒の濃淡だけでやってみたいと思った。
自分がやってみたい表現のうちの【液体】の他に【闇】が加わった。
早く描いてみたい。
できないだろうけど、できないことが楽しい。

絵画の次は案の定ポスター画を見られた。
嬉しい。
この絵のタッチが好き。
平面的な物から立体的な物までスイスイ描けることが素晴らしい。
アニメも流れてたんだけど、ずっと観てても何のこっちゃわからなかった。
女の人が男の人を殴って足を引っ張って引きずっていたことくらいしか理解できなかった。
言葉が無いアニメ難しい。

猫。タマ。
横尾忠則は猫を飼っていたけど、亡くなって、亡くなってから91枚も絵を描いたらしい。
この猫信じられないくらいウチの猫に似ている。

ウチの猫。
もしかしたら、兄弟だったかもしれない。
この子は保護猫だから、兄弟がいるか知らないし、子どもの頃のことも知らないけど、他人の空似にもほどがある。
この猫の絵を見てて、全然他人事じゃなくて、この子が死んじゃったらどうしようと悲しくなった。
ずっと見ていたかった。

絵画とポスター画の中間みたいな作品がたくさんあって、作風がごちゃごちゃなのに、まとまっているのが凄かった。
こんなことできるのかよと思った。
どの感覚でやればそうなるんだろうか。

ひとつひとつの作品を理解しようと近くで見たり、遠くから見たりしたけど、考えれば考えるほど具合が悪くなっていった。
だって、全然わかんないんだもん。
ここまで掴めるのに、これは一体なんだ?ということが多い。
なんでここにこれがあるんだ?と考え始めると意味がわからなくて、頭の中がぐるぐるしてくる。
途中本当に具合が悪かったけど、美術館は基本的に休憩場所が無いので、横になりたい気持ちを抑えつつ、とにかくザッと見た。
美術館に一回心の整理をつけるスペースが欲しい。
あんな凄いものを一気に浴びると立っていられなくなる。

いつか全収録の作品集を買うんだ!

#横尾忠則 #エッセイ #原郷 #GENKYO  #東京現代美術館 #清澄白河 #猫 #日記 #行ったことない場所  #撮影禁止

お金よりもスキしてくれるとスキ