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「叱れる」リーダーですか?成果を出す組織にするためのリーダーの言葉_Ver.1

「世の中、コーチングの情報が増えて、褒めることや問いかけることについての情報が増えているが、やはり叱るというのは大事だと思います。しかし、その𠮟るについては情報がないので、これが今一番欲しいんですよね」

先日、部門長の方とのセッションでこれを聞いて、はっとした瞬間でした。

コーチングの関わりは、問いかけ、相手に考えてもらい、発言してもらい、主体的な行動をうながします。
これは同時に相手に責任を負わせるものであるため、行動を起こす、チャレンジが前提として発生します。

つまり、自分で考え、決めて、行動させて、その結果も自分で受け入れさせるという、とても厳しいものです。

今の世の中を見ていると、ハラスメントはだめですから、コーチングの関わりがベストですよ、と、概念だけが独り歩きしているような気がします。

時には、ティーチングやアドバイス、そして「叱る」なども組み合わせ、相手に合わせて関わっていることが大事です。
とすると、世の中ハラスメントの言葉や概念が先行して、「叱る」ということをしたいけど、どうやったらいいのか、迷われている方が多いように思います。

今回は、この「𠮟る」について、具体的な方法をお伝えしたいと思います。

◆「叱る」の反対語は?

「叱る」と似た言葉に「怒る」があります。
これと比較して「叱る」を考えてみます。

「叱る」は、「相手のよくない行動を指摘して改善を促す行為」です。
一方、「怒る」は感情的な反応であり、必ずしも改善を促す目的があるわけではありません。

では、「叱る」の反対語は何でしょうか?
「褒める」でしょうか?

私はこれに違和感を感じます。
「叱らない」が本質的なのではないでしょうか。

「褒める」は、「相手の良い行動や成果を称賛し、その行動を強化する行為」ではありますが、これはまた違った意味も含んでおり、純粋な反対語とも言い切れないと考えております。

◆「叱る」ときのポイント

「部下の行動を改善することを目指すこと」がポイントになります。
ですので、「叱る」ことで"部下との関係性が悪化することを恐れず、見て見ぬふりをせず、言えずにイライラして態度で伝えようとすることを避けること"が重要です。

ステップにして具体的に考えてみます。

STEP1 : 事実に基づく
叱る際は、具体的な行動や結果について叱ることが重要です。主観や感情を混ぜず、事実に基づいて行動を指摘します。

STEP2 : 感情をコントロールする
怒りやイライラをそのままぶつけるのではなく、冷静さを保つことが大切です。感情的になると、叱ることの目的が曖昧になり、相手に伝わりにくくなります。

STEP3 : 具体的な改善策を示す
どのように行動を改善すれば良いかを具体的に示すことが重要です。抽象的な指示ではなく、具体的な行動を示すことで、相手は何をすべきか明確に理解できます。

STEP4 : 相手の納得を得る
叱ることが相手本位の考え方に基づいていても、やはり人間関係の悪化などの悪影響が心配です。相手が『納得』できる叱り方をすることが大切です。

STEP5 : 叱った後のフォロー
叱った後は、励ましたり褒めたりして相手の感情をプラスにして話を終わります。これにより、相手のモチベーションを維持し、良好な関係を保つことができます。

これらのポイントを意識することで、叱るときに相手を尊重し、その成長を促すことができます。ただし、個々の状況により微調整が必要です。

◆事例で考える 「叱る」側

先述の「叱る」ときのポイントを踏まえた具体的なエピソードを、実際に私が言われたことから考えてみます。※わかりやすく、一般的な表現に書き換えております。

シチュエーション
あなたはプロジェクトリーダーで、部下の田中さんが最近、提出するレポートに何度もミスをしています。

STEP1 : 事実に基づく
「田中さん、先週から提出されたレポートに何度もミスが見つかりました。ここに具体的なミスの箇所とその内容をリストアップしました。」

STEP2 : 感情をコントロールする
「これはあくまで事実に基づいたフィードバックで、私があなたを責めているわけではありません。」

STEP3 : 具体的な改善策を示す
「レポートを提出する前に、もう一度確認する時間を設けることをお勧めします。また、わからないことがあれば、私や他のチームメンバーに質問することも大切です。」

STEP4 : 相手の納得を得る
「これらの改善策は、あなたのスキルを高め、チーム全体の生産性を向上させるためのものです。これについて何か質問はありますか?」

STEP5 : 叱った後のフォロー
「それにしても、あなたが先週のクライアントミーティングでのプレゼンテーションは素晴らしかったですね。そのような積極性とプロフェッショナリズムをこれからも見せてください。」

◆事例で考える「叱られた」側

叱られた側から見て、先述のエピソードが効果的だったでしょうか。実際の場面に応じて変わりますが、次の理由を考えることができます。

事実に基づいている
リーダーが具体的なミスの箇所とその内容を指摘したことで、田中さんは自分のミスを明確に理解することができました。これにより、自分が何を間違えたのか、どうすれば改善できるのかが明確になります。

感情をコントロールしている
リーダーが冷静に叱ったことで、リーダーさんは上司が自分を個人的に攻撃していると感じることなく、フィードバックを受け入れることができました。

具体的な改善策を示している
リーダーが具体的な改善策を示したことで、田中さんはどのように行動を改善すれば良いかを具体的に理解することができました。

相手の納得を得ている
リーダーが田中さんの意見を尊重し、質問を受け入れたことで、田中さんは自分の意見が尊重されていると感じ、リーダーのフィードバックを受け入れやすくなりました。

叱った後のフォロー
リーダーが叱った後に田中さんを褒めたことで、田中さんのモチベーションは維持され、良好な関係が保たれました。

いかがでしょうか。
どのように「叱る」のがいいのか、まずはこの型で試してみていただくのも一つの方法かもしれません。
これは、他のことでも同様に活用できます。

とはいえ、関係性が悪くなったり、褒める事とのバランスも気になったりすることと思います。これについては、また別の記事で書かせていただきます。

最後までお読みくださりありがとうございます。


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