第1章 うんこの神様とは

◆うんこの神様のご登場

とある日、とある人間が電車に乗っていた。

満員電車だ。

そこで当然の腹痛

どうやらただの腹痛でではなさそうだ。

下痢だ。

く〜ギュルギュルギュル

どうしようどうしよう。

そこでその人間は思った。

『神様、神様〜助けてください。今までごめんなさい。もう悪いことはしません。だからこのお腹の痛み、出てこようとしているウンコを止めてください！もう出ちゃいそうです。』

ってね。

そう。これが噂のうんこの神様。華麗なるご登場だ。

◆みんな都合良すぎぃい

　日本人の多くは無宗教である。

　がしかし、多くの人は合格祈願や恋愛成就、金運アップなど自分たちが必要とするときだけパワースポットと言われる場所に行ってみたり、神様に何かお願いしてみたりする。

　まともな挨拶（参拝方法）すら出来ず、感謝の心もない。ただただ自分の欲求を満たすため、自分が困ったとき必要となった時だけお願いしてくるとは。

　「人間ども都合良すぎぃいい！！」

　って神様も思っているのではないだろうか。

　普通、友人でこんな都合の良い人間がいたら即距離を置いていることであろう。

　だからなのか、神様だってそんなに甘くはない。多くの人の願いは叶わぬままなのではないだろうか。

　何故ならほとんどの人はお祈りするだけで願いを叶える為の十分な努力すらしていないからだ。完全に他力本願。そりゃ神様も激オコよ。

　だがしかし。どんな人の願いも叶えてくれる優しい神様がいるのだ。

　そう、それがうんこの神様なのである。

◆うんこ神は忙しい

「うんこが漏れそう漏れそう漏れそう。ふぅ〜なんとか間に合った〜。」

　こんな経験、誰でも一度はあるのではないだろうか？

　そしてウンコが漏れそうなとき。多くのひとはこう願ったことがあるはずだ。

　『神様、お願いします。もう悪いことはしません！なんでもしますから助けて下さい！！』

　ってね。

　その時にお願いする神様のことを私は「うんこの神様」って呼んでいるのだ。

　まあ、時々うんこの神様にすら見放されてうんこを漏らしてしまうこともあるけど。笑

　そんな時、私はこう思うことにしている。

　『ああ、うんこの神様。今日はきっとお忙しかったのですね。私よりももっとうんこの神様を必要としている人がいたのですね。その人が助かったのなら良かったです。』

　ってね。ふふふ。世界平和。

＊著者プロフィール＊
妖怪まえば
作家/YouTuber

日本に住み着く妖怪。推定年齢20万５歳。好きな食べ物は饅頭。
楽しいことが大好き。前歯の出た人間の姿をして生活している。

普段は本を書いたりYouTubeでラジオ放送をしたりして日常に溢れる笑いや疑問をカタチにしている。

モットーは「みんなで楽しいをクリエイト」
視聴者や読者と一緒に何かを作り上げることが大好きな妖怪なのだ。