見出し画像

近田春夫「筒美京平 大ヒットメーカーの秘密」を読了。良書である。

近田春夫とハルヲフォンの「真夜中のエンジェルベイビー」と「恋の弱み」を聴いたことがありますか。「電撃的東京」というアルバムに収録されています。<歌謡曲をロックにアレンジする>というコンセプトが、これほど生かされている名曲はない。(沢田研二やアン・ルイスの「歌謡ロック路線」の走りである)

この2曲の作曲家が、昨年亡くなられた「筒美京平」氏である。


・・・

この本は昭和時代に数々のヒット曲を世に放った伝説の作曲家・筒美京平さんについて、筒美さんと深い交流のあった近田春夫が説いた1冊です。

第1部が筒美京平論だが、正確にいうとライターの下井草秀氏による近田氏へのインタビューという形式。

第2部が対話篇で、近田氏による筒美京平関連人物へのインタビューという形式。登場するのは「ブルーライトヨコハマ」「太陽は泣いている」など筒美氏とヒット曲を生み出した作詞家・橋本淳氏。筒美京平氏の実弟である渡辺忠孝。「真夏の出来事」など筒美氏の曲をヒットさせた平山みき。

・・・

個人的には、音楽業界内部の政治抗争みたいなものに一切足を突っ込まなかった潔さに筒美氏の人徳を見た。文化庁長官におさまり喜んでいる都倉俊一は、筒美京平氏の爪の垢を煎じて飲むがよい。

・・・

2時間もあれば読めてしまう新書本です。

昭和歌謡ファンは、ぜひ。

画像1


この記事が参加している募集

読書感想文

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。私の記事はすべてが「無料」です。売り物になるような文章はまだまだ書けません。できれば「スキ」をポチッとしていただければ、うれしゅうございます。あなたの明日に幸せあれ。